妻と指相撲

わたしには愛する妻がいる。
私のパートナーであり、安息であり、破壊であり、教えである。

言うなれば陰と陽、破壊と創造、野菜と肉。
めちゃくちゃ対照的な妻だ。

ついこの間、妻が私の寝起きに指相撲を仕掛けて来たことがあった。

寝起きとは言え、パワーでは私が勝っていたのであろう。すぐに彼女の親指を押さえつけ、10カウントを取りはじめた。

カウントが1を切ろうとしたその時
「勝った勝った勝ったー！！」と妻が叫んだ。
何が起こったのか全くわからず混乱した。

後に聞いてみると、どうやら私の親指の付け根は押さえていたらしく、彼女の中では勝利だったらしい。
らしいという言葉遣いは正しくない。
彼女の中では明確に勝ちであり、私の中でも勝ちだったのだ。

ここまで気持ちのいい引き分けがあるだろうか。そんな感動と笑いに包まれる朝をくれる妻に感謝している。