鈍感力
幸い、自分には鈍感力が備わっている。
幼い頃に鍛えられた力だ。
親の喧嘩の怒鳴り声、叫び声、
物が壊れる音、身体が転がり落ちる鈍い音
あ、なんだろう、、
そういえば、泣き声は聞いたことがないな。。。
雑音を消せる鈍感力。
自分を守るための手法。
悲観的ではない。
それを学んだから、今まで生きてこられた。
耳にツイた言葉は、受け流す。
異音。騒音。雑音。
心の耳を塞げば、全部無音。
学んだ、実力。
それを今まで、散々に使いこなしてきた。
使いこなす度に、
気軽でいられた。
その代わり、
自分の言葉も気軽でいた。
でも、雑音は消せても、
目の前の一人の声は、
いつでも消せなかった。
向き合う目の前の一人の言葉。
それが雑談でも愚痴でも、
何かを吐き出してくれるなら、
真剣に向き合えた。
声を出せないこんな自分に、
伝えてくれることが感謝しかなかった。
でも
音を消して生きてきた自分には、
言葉をくれる相手と
向き合うスキルがなかった。
鈍感力
それが鈍るとき、
本当の自分
向き合わなければならないのかもしれない。