狂い台風 //211001四行小説
吹き飛ばさんとする強さで風に叩きつけられる。目的地は見えているのに足は取られ、朝整えたはずの髪もぐしゃぐしゃだ。
もう十月だというのに、台風がやってきた。直撃はしないものの、多少の影響が出ている。
台風が海水の温度が高いところで発生するというのなら、生まれ故郷はきっと夏で秘めた心もおそらく夏。先んじて秋に入ったこちらが潔すぎるのかもしれない。
とはいえ少し現実を見て空気を読んでほしいと辟易しつつ、乱れた髪を撫で付けた。
吹き飛ばさんとする強さで風に叩きつけられる。目的地は見えているのに足は取られ、朝整えたはずの髪もぐしゃぐしゃだ。
もう十月だというのに、台風がやってきた。直撃はしないものの、多少の影響が出ている。
台風が海水の温度が高いところで発生するというのなら、生まれ故郷はきっと夏で秘めた心もおそらく夏。先んじて秋に入ったこちらが潔すぎるのかもしれない。
とはいえ少し現実を見て空気を読んでほしいと辟易しつつ、乱れた髪を撫で付けた。