くっつき虫 //211103四行小説
袖に見慣れたものが付いていて、首を傾げていた。通称くっつき虫と呼ぶ、ヌスビトハギだった。三角形の種である。
野山も雑草の生えているところも特に通ってはいないのになぜ付いているのだろう。動物と触れ合った記憶はあったから、もしかしてそのときだろうか。
引っ越しをし続けてここまでやってきたこの種の旅路を思いつつ、つまんで庭に投げてみる。また来年ここに生えるのかもしれないと夢想しながら。
袖に見慣れたものが付いていて、首を傾げていた。通称くっつき虫と呼ぶ、ヌスビトハギだった。三角形の種である。
野山も雑草の生えているところも特に通ってはいないのになぜ付いているのだろう。動物と触れ合った記憶はあったから、もしかしてそのときだろうか。
引っ越しをし続けてここまでやってきたこの種の旅路を思いつつ、つまんで庭に投げてみる。また来年ここに生えるのかもしれないと夢想しながら。