ふくふくら雀 //211227四行小説

 ふくら雀はふくふくと、白の積もった南天に止まる。身に詰まったものは熱か福か、それとも幸か。
 呼び寄せようとクッキーの菓子くずを地に撒けば、まんまと雀は降り立った。さぁ食えと見守れば、ばっさばっさとやって来たるはドバトであった。羽ばたきに煽られた雀は鳴き声残し遠くへ発った。
 福とは自ら引き寄せようとすれば遠退くらしい。地を啄むドバトを見ながら、共にクルクルと鳴くことにする。

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