忘れた日常を取り戻せ //211212四行小説
世界がこんな風に閉塞感に溢れるものになってから二年経つ。慣れてしまったし元々一人で過ごすことも得意であったから、別段困ったこともなくこれはこれでありと楽しんでいた。
遊ぼう、と友人が言う。予防接種も受けたから、会おうと。それは一人ではなくて、みんな同じタイミング。全体的に緩和されたことを身をもって感じた。
予定は重なるがある程度調整し、時間が被らないなら一日に二つ三つと入れていく。そこで、こうなる前まではそんなのザラだったなと思い出す。
会って遊んでしゃべって「またね」と、電車へ乗り込み座席に沈む。そのときの充足感と離れがたい切なさも、思い出す。久しぶりの感覚を段々と身体で思い出していき、これを何度も繰り返して日常を━━楽しい日々を思い出すのだなと噛み締めている。