見出し画像

【美術館感想文】モネ 連作の情景(大阪中之島美術館)

再登場が早すぎやしないか、大阪中之島美術館。
厳密にはこの間にも別の美術館に行ってはいたのだけど、その話はおいおい。
今回もまた、展覧会目当てでの来訪でした。魅力的な展覧会をしているんだもん、新幹線にも乗っちゃうよね。

「モネ 連作の情景」。
こちらも前回のテート展と同様に東京でもしていたんだけど(上野の森美術館)、日程が合わず行けなかった。発表されたときからそわそわしながら行く日を狙っていた展覧会のひとつでした。

全体的な印象としては、「よかった」んだけど、
「連作」目当てで行った身としては、「連作」に至るまでの作品量に圧倒されて、「いや、モネ展やん」ってなりました。いよいよ連作!というときには、周りの人がかなり早足になっていたのが気になった。でも年代を追うと連作が最後の方にくるのは当たり前で、切り取り方、並べ方って難しいな〜と思った。あと、連作のなかの1つ、が展示されてて、連作が連作である意味とは?とかもやもや考えたりしていた。
が、そんなもやもやも、2枚の『チャリング・クロス橋、テムズ川』を目の前にすると、なんかもうどうでもよくなりました。素晴らしかった。あの2枚のためだけで行く価値がある展覧会だったと思う。ほとんど同じ構造が切り取られているのに、そこにある光が、風が、空気が、時間が違っていて、「モネの連作、ここにあり(なんじゃないか?)」と勝手ながら納得するくらいには自分の中での解釈と完璧に合致した。やっぱりこれだからモネが好きなんだよ〜となった。普段は(多分)離れ離れでいる絵が、飛行機に乗ってきたのかな、船に乗ってきたのかな、車には乗っただろうな、日本で再会できて、展覧会も悪くないなと思いました。
そこから気を取り直して、睡蓮の大装飾画スペースへ。ここは撮影可能だったから、また、人人人って感じでした。かっこいい額縁にかっこいい絵が収まっていて、照明に照らされて堂々としてました。年始に見た大山崎山荘美術館のモネの睡蓮の大装飾画が、落ち着きを感じさせたのに対して、ここでみた大装飾画は、確固たる自信があるように見えました。
私の中での睡蓮のイメージとして、「儚さ」を感じることが多くて、今回も《柳の反映》の馴染みのある作品にかなり近い構造や色遣いの絵があったにも関わらず、堂々として見えたのは、自然光によるライティングと照明によるライティングの違いによるものなのだろうか。わからない。

いいなと思ったら応援しよう!