イラレで気持ちをデザインする
こんにちは。210onです。ほぼ昨年のアドカレぶりの記事執筆になります。
この記事では自分が今年1年間のデザイン制作で考えていたことを制作物を通して振り返っていこうと思います。
とまあ、自分が作ったもので1年を振り返る完全主観の回顧記事になりますが、どうぞお付き合いください。
自分はAdobe Illustrator(通称?イラレ)を用いてポスターや雑誌などの印刷物のデザインを作ることが多いです。
およそ1年前の制作物。版ズレをあえて出したいなと思って4色別々に印刷した年賀状です。大学の居室のプリンターがよくできているおかげか、思ったよりずれませんでした。
3月 20生入学式
「2020年度筑波大学入学式」 というイベントのポスター・サインデザインを担当しました。このイベントはコロナ禍で開催できなかった入学式を、先輩方への感謝の意を込め、卒業前に開催しようといったものでした。
kawaii LogoがTwitterで少し流行っていたので、自分も作ってみました。イラレのアピアランス機能を使い倒すと出来上がりです。
4月 新歓祭
新歓祭および新入生歓迎委員会(新歓委、新歓祭の運営や新歓期間中の安全・公正な新歓活動が行われるべく組織されている)のロゴ刷新と、パンフレット・SNS・看板や旗・Webのデザイン面で手伝いました。
温かく、柔らかく、優しいデザインを目指して、色やフォントを決め、制作を進めました。
提示した原案を元に、ロゴのタイポグラフィは書道に通ずる先輩に、マークは芸専の後輩にお願いして、自分は細かなパスの修正と2つのロックアップ、バランスの調整を担当しました。
文章などの文字は秀英角ゴ銀 Bold を多く使っていましたね。
新歓webも綺麗に仕上がってて、とても好印象です。これに関して自分はロゴデータ渡しただけなので、ほんとうにありがとうございます。
5月 やどかり祭
珈琲・俺という所属サークルの出店に差し当たり、カラーパレットのデザインをしました。
新入生の若々しさ・筑波大学の木々たちに負けないような新緑をテーマに溌溂としたデザインを目指しました。
全代会の広報誌 Campus の宿舎祭特別号にて浴衣コンテスト特集の誌面デザイン・写真もしました。祭りのフィナーレともいえるユカコン、当日は会場を埋め尽くす賑わいにコロナからの完全復活を感じました。(※自分が1年生のころは開催されなかったイベントでした)
ツクマガ vol.25 でも一部紙面デザインを担当しました。ツクマガは筑波大生が発信しているフリーペーパーで、他にはない独特な特集企画が面白くて好きです。
kpopコピーダンスサークル Koguma のSNSグラフィックもやらせてもらいました。ライブパフォーマンス方面のデザイン制作は初めてだったのでとても楽しかったです。見ているだけでワクワクPOPで楽しい感じが伝わるように試行錯誤しました。
6 ~ 8月 大学院入試対策
これといってデザインを作ってないなと思ったら暑さでへばっていた大学院入試の出願や対策でつきっきりだったようです。記録が残してあるため、別の機会で記事になればよいなと思います。
mAstival 2024
何も作ってなかったっけな〜と思っていたら、mAstival 2024でちょこちょこ手を動かしていました。
自分は作品こそ作れなかったものの、ロゴや入り口付近のタイトル・ステートメントの制作・設営を担当しました。展示の設営というのが初体験だったのですが、新たな視点をたくさん得られて貴重な機会となりました。
アートそのものを作るもの大事ですが、それをどうやって展示するか、魅せ方といった部分も作家の方々は各々考えていて、着目してみると面白く奥が深いことを知りました。雑誌などのエディトリアルデザインを中心に制作していた自分にとっては新鮮な体験です。
ロゴについては2019年のmAstivalのロゴと同じ書体を用いて引き継ぎつつ、「コロナ禍で一度矮小化してしまったコミュニティなどを再度大きく復活させる」というメッセージのメタファーとしてVとAをつなげて砂時計のような形にしています。
この白い壁に貼られた黒いロゴはビニール製のシールシートをカッティングマシン で切り出して貼り付けています。初めて使いましたが、思いのほか楽しく端材で切り出したシールがいまだにlaptopに張り付いています。機材の貸し出し・御指南ありがとうございました。貼り付けについても、水平に貼るのに苦労がありましたが、お手伝いいただいた方々、ありがとうございました。
9月の最後には、秋学期の始まりに合わせて締め切りが設けられた制作物がたくさんありました。(秋の新歓・イベントなど)
#メ芸LT2024
友人の #メ芸LT2024 という試みに乗っかってデザインを作りました。曲線が連続して交わるような形に以下のような意図を込めました。
10・11月 雙峰祭
写研書体の復活
秋学期の始まり、記憶にも新しい10月ですが、なんといっても写研書体の復活・MORISAWA学生プランが自分の中では大きいです。
この影響もあり、これ以降の制作では、ある程度固定化されていた自分の頻出フォントがガラッと変わります(笑)
筑紫ゴシック(9/30)から石井ゴシック(10/22)になっています。
なぜか友人には気が付かれたようです(笑)
珈琲・俺での雙峰祭デザインは3年目で、一昨年、昨年とグランプリ優秀賞でした。今年こそ最優秀賞を獲るぞ!と意気込んで臨みました。
昨年の珈琲・俺については、こちらの記事からどうぞ。
雙峰祭 『藤紫、和モダン、落ち着き』
今年度の珈琲・俺のテーマカラーは『藤紫』でした。食品を扱う店舗で紫色メインの色彩設計はかなり挑戦的であると言えます。また今年度珈琲・俺は2店舗出店であったため、SNS上などでどちらの広報投稿か一目でわかるようにする必要がありました。藤紫自体は、非常に品と落ち着きのある色なので、和テイストなパステルカラーと組み合わせました。SNS映えを重視しグラデーションも用意しました。
デザインをする後輩に囲まれたおかげで総合力が増した状態で臨め、見事最優秀賞を獲ることができました。
デザイン以外の面でも様々なものに尽力した過去一大変な出店でしたが、おかげで悔いのない雙峰祭となりました。
これ↑は石の広場で発表があったその場で作り始めました。SNS広報はスピード感が大事なので。(笑)
1年を振り返って
こうして振り返ってみると、紙媒体のデザインが多かった昨年までに比べ、今年はデジタルメディアを扱うことが増え、背景に色をしっかり入れたデザインが増えたような気がします。
誕生日の投稿の比較です。
今年のものは感情や雰囲気が全面に出た配色ですね。(笑)22歳も頑張って楽しんでいきます。
この1年間、自分は文字情報を伝えるデザインも大事だけれど、作り手の気持ちや思いを伝えるデザインも同じくらいに大事だなと、ことあるごとに感じていました。直接文字で表現できない・書かれていない作り手の気持ちや感性を、デザインになら混ぜ込めるなと感じています。
ここでいう”感性”というのは、目にしたものに対して抱く直感的な反応や感情です。同じ文化圏であれば、大体一緒ではあるものの、その人自身の経験などによって微妙に異なってくると思います。
そのため感性をデザインに落とし込むのは難しいですが、その分、学びも大きいです。デザインをする際に「おしゃれ」とか「かわいい」、「なんかいい」といった感覚的で曖昧な言葉だけで済ませずに、「具体的に何を伝えたいのか」を掘り下げて具象化していくことで、デザインがもっと深いメッセージを持つようになります。
実践用ノウハウ
おまけ的な感じで、コンセプトに基づいて、色や基礎的なデザインを決めていく最近の自分のやり方を書いておきます。興味がある方はぜひ参考に。
コンセプトとともに
作るメディアの種類(A4印刷、1:1インスタ用 など)
出すTPO(いつ、どこで、どんな場面で)
見せるターゲット(誰に見せるのか)
を明らかにしておきます。要件定義ははっきりしておくに越したことはありません。規模が大きくなるほど大事になりますね。
その後、自分の持ってるコンセプトの雰囲気とやってみたい表現をはっきりさせるべく、ひたすらpinterestでいいなと思ったものを集めていきます。
また、フォントや色の雰囲気は、作るものが決まった時点でおおよそ決まります。というのも、見せる文字なのか、読ませる文章なのか、媒体・内容の特性によってまずゴシックか明朝かが決まり、TPOやターゲットなどを考慮すると
はっきり・硬い↔︎ほんわり・柔らかい
モダン↔︎クラシック
直線・角↔︎曲線・丸
といった軸のどのあたりになるのかが自然と決まってきます。また、このような視点を持ちながら街中の広告を見てみると、一味違った気付きがあるかもしれません。
次に、エレメントとなるデザイン要素(ロゴなど)を考えていきます。これはコンセプトを元に、連想ゲームのようにイメージを膨らませていくのですが、必須ではないですし、 作りながら自然と決まっていくこともあります。
決まった場合には、作品の統一感を高めるために、色やフォントと同じく、できるだけ使いまわせると良いです。自由な発想力を持って、1つのデザインエレメントを様々なところで登場させましょう。
まとめとなりますが、この1年は迷いながらも自分の感性を磨いていく期間だった言えます。まだまだ道半ばではあるので、これからも多様なデザインを作っていきたいです。
以上、お付き合いいただきありがとうございました。
mast Advent Calendar 2024 の2日目の記事でした。