IoT(IIoT)とは
はじめに
前回(スマートファクトリーとは)に引き続き、IoT(IIoT)について知識の整理を含め触れていきます。
IoTとIIoTの違い
前回の記事で記載した通り、IoTは「設備や機器などのモノをネットワークで繋ぐこと」と定義します。定義するに当たり、そもそもIoTとIIoTの違いは何かについて触れていきます。
結論:IIoTとは産業用IoTのこと
結論から言うと、IIoTとは「Industrial IoT(産業用IoT)」になります。しかし、IIoTという言葉は使っている会社と使っていない会社が様々あります。
(ちなみに私の前職(制御メーカー)では、IIoTと言っておりました。)
本記事では、どちらかと言うと多数派が使用しているIoTという言葉で説明をしていきたいと思います。どちらの言い方が正しい/間違いというものではありません。
そもそもIoTとは
IoTとは「Internet of Things」の略で、直訳すると「モノのインターネット」となります。どういうことかと言うと、今まで個々に存在していたモノをネットワークで接続する技術を指します。
また、製造業でいうところのモノとは、製造を行うための設備や機器となります。
つまり、製造業でいうところのIoTとは「設備や機器などのモノをネットワークで繋ぐこと」になるのです。
IoTはあくまで手段
DXをしようという話になると、よく「とりあえず様々な設備や機器を繋ごう。繋ぐことによってできることを考えてみよう」みたいな話に発展しがちかと思います。
これはまさしく目的と手段がごっちゃになっているパターンです。DXにおいて本当に重要なのは、様々な技術(手段)をどう改善や変革を起こすかであり、IoTはあくまでそれを実現するための技術となります。
繋ぐだけなら簡単?
設備や機器をネットワークで繋ぐだけなら簡単じゃない?と思われる方もいるかと思います。しかし、実際にはただ繋ぐだけでも簡単にはいきません。
まず、設備や機器がネットワークに接続できる仕様になっているとは限りません。この場合、昔であれば設備の改造や機器の交換を行う必要がありました。また、ネットワークに接続できたとしても、通信仕様やプロトコルによっては簡単に接続できない場合もありました。
繋ぐためのコツ
既存の設備や機器を繋ぐコツとしては、以下が重要だと考えます。
既存の改造や変更を極力避ける
通信仕様を極力統一化する
1.既存の改造や変更を極力避ける
既存設備の改造や変更を行うと、そのことに伴う既存への影響を考える必要が発生し、IoT化の妨げになりかねません。
近年、IoT向けの製品がどんどんリリースされており、それらを利用することにより既存に極力影響を与えないことが重要になります。例えば、下記のように信号線にクランプするだけで信号のON/OFFが取れる製品などがその一つになります。
また、近年では無線の技術も著しく発展しており、取り出した信号を無線で飛ばし、一元化することもかなり容易になってきています。例えば、下記のような製品群を使用すれば、ネットワーク工事も不要でWi-Fiなどに影響を与えることなくデータを一元化することが可能です。
2.通信仕様を極力統一する
せっかく取り出して繋げられるようになった信号も、その後の仕様がバラバラではそのデータを利用することが難しくなります。
IoT化する上で、「通信プロトコルを統一する」という点と「工業単位やデータ種類を統一する」という点は最低限意識してほしいです。
通信プロトコルは、様々な種類がありますが、OPC-UAというDXでは標準的なプロトコルに統一していくことがおすすめです。
また、工業単位やデータ種類を統一することにより、それらのデータを利活用する時に統一したルールで処理することが可能になります。
おわりに
本記事では、IoTについて触れてきました。IoTはあくまで手段であるため、凝った作りにするよりもいかに簡単にデータを収集するかが重要になってきます。
何かの奇跡でこの記事にたどり着いた方がいらっしゃいましたら、あなたのとっておきのIoTを教えていただけると幸いです。