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製造業DXとは
はじめに
前回(IoT(IIoT)とは)に引き続き、製造業DXについて知識の整理を含め触れていきます。
DXとは何か
最近、世の中「DX」という言葉が溢れかえっています。しかし、実際何が「DX」なのか理解している人もしくは持論を持っている人は少ないと思います。
そもそもの「DX」の意味は、「デジタルトランスフォーメーション」であり、Wikipediaでは以下のように記載されています。
「デジタルテクノロジーを使用して、ビジネスプロセス・文化・顧客体験を新たに創造(あるいは既存のそれを改良)して、変わり続けるビジネスや市場の要求を満たすプロセスである」
この辺は他の方もよく触れていると思いますが、デジタル(D)はあくまで手段・ツールであり、大切な部分は変革(X)の部分になります。
極論、変革を起こせるのであれば、手段は紙だろうがExcelだろうが何でもいいのです。
製造業DXとは
製造業におけるDXとは、「あらゆるモノ・コトを繋ぎ、情報を共有することにより生産工程やビジネスを変革する」であると考えています。
近年、製造業を取り巻く課題としてよく上げられる「人手不足」、「ノウハウの属人化」、「納期遅延」、「低生産性」など、上げたらキリがありません。一方、顧客のニーズはどんどん複雑化しており、ひと昔前の大量生産大量消費では、もはや見向きもしてもらえない時代になってきています。
これらを打破するためには、生産工程の抜本的な変革やビジネスモデル自体の抜本的な変革を起こす必要があり、裏を返すと変革ができない企業は淘汰されてしまうといっても過言ではありません。
製造業DX事例:meviy(ミスミ)
ビジネスモデルを大きく変革した例として一番最初に思い浮かぶのは、ミスミのmeviyというサービスです。
これは、欲しい機械部品の3D CADをアップロードすると、わずか1分程度で見積、納期が分かり、即発注が可能というサービスになります。
今までは3D CADがあっても、①見積回答待ち→②2D CADに製図しなおしや製造実施可否の判断待ち(場合によってやり直しのやり取り)→③製造待ちなど様々な待ち時間が発生し、これらは全て人力で行われてきました。
これがmeviyを使用すればわずか数分で実施可否の判断まで自動で行われ、あとは製造を待てばいいだけになります。
もちろん3D CADをAIで処理する技術が一番すごい部分ではあります。しかし、3D CADのデータから段取りや製造プログラムを自動生成し、様々設備と繋がることにより、連携して短納期で目的の部品を生産できる体制を構築できているところがまさに製造業DXを実現しているポイントだと考えます。
本事例のように、生産現場のモノ・コトを繋ぎ、あらゆるデータを一元化することにより、今まではとても実現しえなかった新たな付加価値を生み出すことができるのです。
おわりに
製造業DXと聞くと、どのツールを使うかやどんな技術を使うかということが大きくフォーカスされることが多いと思います。
しかし、最終的に重要なのはどのような変革を起こすかであり、その変革を起こすにはどのように工場のモノ・コトを繋ぎ、どのようなツールや技術を使用して実現するかがポイントになっていきます。