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拝啓(2020.12.02.1:34)

忘れないように、消さないように、去年のメモをここに残しておく!

あの言葉を聞いたとき、何も出なかった。前から言われていたからなのか、前から言われていたのになのか。声も涙も出ないで、ただ爪を切ってた。
あなたは多分今世界で騒がれているコロナウイルスというものを知らないままいなくなってしまったのでしょう。多分、私のことも忘れたままいなくなったのでしょう。最後まで覚えてたことは。思い出はなにかありましたか。
あなたは知らないままいなくなってしまったかもしれませんが、私は19歳になりました。最後にちゃんとした会話をしたのは中学生のときだったのかしら。大学生になったなんて言ったら多分驚くだろうなあ。自分で言うのもなんですが、私は大人しい子なのであまり積極的に話はできませんでしたが、けど今思うことは、もっとあなたと話したかった。もっと相談したかった。今となってはもう遅い話ですよね。
突然ですが、私はこわがりです。おばけがこわいです。あなたがいなくなった今、おばけになってもいいから会いに来てくれないかしら。そう思います。(けど驚かせないでね)
最後の挨拶くらいちゃんとしないとね。
私とあなたの思い出は、私の思いつく限りでは中学生くらいまでしかないのです。けど、その14年間?くらいで感謝しきれないほどに私のわがままに付き合ってもらった思い出がたくさんあります。
トランプ(特に真剣衰弱)、授業ごっこ、似顔絵を描きあったり。
私の絵を上手だねって褒めてくれてすごく嬉しかった記憶があります。人に絵を見せるのは恥ずかしくてなかなか出来ない自分ですがあなただけには見せることができたんだよ。あなたの作るご飯が美味しかったです。優しい味ってああいうことを言うんでしょうね。またあの味、食べたかったな。
焼きプリンが好きだったあなたは、最後は点滴しか受けれなかったあなたは、向こうで沢山美味しいもの食べて欲しいな。
私のこと、忘れちゃったかもしれないけど、私は忘れないよ。最後に会った時の、手の感触、温かさ。これからも感謝し続けます。ずっとずっと大好きなあなたへ。
今まで長い間お世話になりました。

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