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【前編】マンションオーナーの悲喜劇

「20.315さん、あんまりいい話ではないんですが・・・」

このように、オタカラ不動産から連絡があったのはちょうど1カ月前でした。

「ハア、どうしました?」

「いや実は、プライドマンション500号室のサリヴァンさんなんですけどね、その・・・退去するということで・・・」

(ナニッ!?)と内心、動揺する20.315。平静をよそおいながら、

「あぁ、そうっすか・・・」とつぶやく20.315。

思い起こせば今から約4年前、サリヴァン夫妻はニコニコしながらオタカラ不動産を訪れ、

「店舗の窓に貼ってある、あのプライドマンション、値下げしましたよね?入居したい!」

と、突然、入居が決まったお客様でした。

プライドマンション500号室。

オーナーの悲喜劇5

実はこの部屋、20.315が元々住んでいた物件なんです。2015年に住宅ローンを完済し終えていたので、売却して引っ越すか、それとも引っ越して物件はそのまま人に貸すか、いろいろと考えていました。

売却すれば、それ相応の金額にはなりますが、資産としては消えてなくなります。でも、リフォームして賃貸物件にすれば家賃というインカムゲインが生まれます。マンションなので、一戸建てに比べれば資産価値の目減りはゆるやかです。10年、もしくは15年、20年と賃貸に回せばその期間のインカムゲインが得られ、仮に15年経ってから売却しても、1000万円以上の価値があると見込んでいました。

プライドマンションは、手前みそではありますが、市内でも指折りの人気物件だったので、売却でも賃貸でも、それなりのニーズがあると踏んでいました。施工は熊谷組、分譲は・・・あまり書くとバレちゃうので書きませんが、非常に堅牢なつくりのマンションで、各戸とも約80㎡の3LDKで結構広いんです。ファミリーにはちょうどいい間取りで、事実、退去する人がいる一方で、すぐに新しい家族の入居が決まっていました。

とりわけ、2000年以降は埼玉県内でも「住みたいエリア」の上位にランクされていて、賃貸ニーズも少なくない地域です。
実際、ここ10年は周囲に賃貸マンションがこれでもかと乱立しています。いわゆるシャーメゾンみたいな物件ですね。

そこで、オタカラ不動産に相談して賃貸に回すことに決めたんです。20年も住んでいましたから、結構いたみも多く、思い切ってリノベーションしました。絨毯敷きだった床は全てフローリングに全とっかえ、バスとトイレは新品に完全リニューアル。費用は約200万円。

おかげで、新築同様の物件に変身。その時の写真です ↓

オーナーの悲喜劇3

これならすぐ入居者も決まるかな、と思って少々強気の賃貸価格でオープンしたんですが、2か月経っても決まらず、オタカラ不動産からの「20.315さん、ここはひとつ、5000円値下げしましょう」との提案をやむなく受け入れました。

その矢先に、サリヴァン夫妻が店を訪れたのです。

オタカラ不動産からの連絡を受けて、20.315は小躍りしました。

(やったー!これでマンションオーナー決定!)

と思って完全に有頂天になって「あざす!」と言ったのですが、オタカラ不動産の社長から次のように「まだ早いです」と言われました。

「サリヴァンさんの支払い能力について審査が通れば、の話です」

なるほど・・・。そりゃそうっすね。

          →→【後編】マンションオーナーの悲喜劇へつづく。


※固有名詞は全て仮称です。
※写真は全て20.315が撮影。

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