![東芝機械_買収防衛策](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18283892/rectangle_large_type_2_e908a18744346e2d7b1d094964442741.jpeg?width=1200)
サザエさんが泣いています
「チャレンジが足りない」
これは2015年、東芝における不正会計事件の際、東芝社内で上層部が発した言葉です。何度となく報道されましたから覚えている方も少なくないでしょう。事業計画や予算設定の際に、売上等の数字を提出すると上から「チャレンジが足りない」と喝破され、やむなく数字の上積みを練る。それでも納得しなければ、やはり「チャレンジが」と言われる。
当時Twitterでは「東芝、ヤバくね?」「ハラスメントでしょう」などツイートされ、大いに批判されていました。
その後、東芝の株は急降下し、ウエスチングハウス社の重荷も加わり、東証1部から2部に指定替えとなります。
20.315にしてみれば、こうした出来事は日本の会社であれば大なり小なり当然あるだろうと思っていましたし、もっと言えば、伝統ある企業や大企業ほど日常茶飯事ではないかとも思っていました。まあ最近は少しずつ変わってきていると思いますが・・・。
それにしても、東芝をめぐる状況はまた大きく変動しています。ニューフレアテクノロジーをめぐる東芝とHOYAの買収合戦、東芝機械をめぐる取締役会と村上系ファンドの対峙。東芝ITサービスをめぐる架空取引の問題。
報道を見ていると、東芝と東芝機械の親子関係が「なあなあ」な関係なんだなと思わせる点がいくつも出てきます。
20.315は不正会計事件で、東芝や東芝グループが変わるだろうと思っていました。事実、大株主に外資系ファンドが名を連ねて、経営陣に強固なガバナンスを図ろうという姿勢が見てとれたからです。経営再建を図るため、巨額損失を出したウエスチングハウスの売却、稼ぎ頭だった半導体事業の売却、サザエさんの単独スポンサーを降りたのもこの頃でした。
2018年秋口、東芝株が3000円前後でフラフラしていたので迷わず買いました。東芝が変われば、株価は上昇すると読んだからです。
半年後、3500円近辺まであがったので売りました。売却益は80,481円(税引き後)。500株なので、こんなもんでしょう。
現状を見ると、東芝や東芝グループは変わっていないのではないか、と疑いたくなります。
今回、東芝機械は村上系ファンドのTOBを阻止すべく買収防衛策を打ち出しましたが、これに関連する日経テレコンのニュースで興味深いコメントを見ました。
東芝機械会長
「長期にわたり株を買って良かったと思ってもらえるようにしてきたが、そのレベルが低かったことは反省している」
国内証券ストラテジスト
「有事型の買収防衛策とはいえ、海外投資家の印象は良くない。村上ファンドが活動を本格化した当時(2000年代)より今の方が株主価値向上に向けた企業の取り組みの理解が進んでいるが、これに逆行する動きではないか」
会長の発言は、裏を返せば「株主価値を軽視していました」といっているも同然ではないでしょうか。
ストラテジストの発言は抑制が効いていますが、もっとダイレクトにいえば「なぜ買収防衛策なのか?これでは経営陣の保身にほかならず、投資家を無視している」ということでしょう。
日本を代表する企業「東芝」はどこに向かっているのでしょうか。
これでは、サザエさんが泣くのも当然です。
やっぱり、村上さんの動向に注目ですね。
※写真中段はJBpressから。
※東芝機械はグループを離脱し2020年4月芝浦機械に社名変更します。