ネイチャーフィールドⅩ~生命体観察マガジン(テントウムシほか)2021・04 その27
こんにちは!生命体観察をこよなく愛する20.315です。
私の開拓地「ネイチャーフィールドX」も、めっきり春めいてきて、時には暑いぐらいの陽ざしになる時もあります。
3月の最終日曜日の夜、NHKは生物好きな人にとっては、とっても充実した時間を提供してくれたんじゃないかと思います!
夜7時半からの『ダーウィンが来た!』、夜9時からのNHKスペシャル『ワイルド 東京』は、いずれもすばらしい番組でした。
とりわけ、『ダーウィンが来た!』で取り上げられていたテントウムシとその寄生バチについての観察記録には度肝を抜かれました。
およそあらゆる生物には、寄生する生物が必ずといっていいほど存在しています。
魚類に寄生するアニサキス、カマキリに寄生するハリガネムシ、人間に寄生するサナダムシ等々。
恥ずかしながら、テントウムシに寄生するテントウハラボソコマユバチについては全く知りませんでした。
↑ これがテントウムシのお尻を狙うテントウハラボソコマユバチです。
彼女(寄生バチ)は、まず最初にテントウムシの頭付近に針を刺し、マインドコントロールが開始されます。次に写真のようにテントウムシのお尻付近に卵を産み付けます。
孵化した寄生バチの幼虫はテントウムシの体内に潜入し、テントウムシの体液をすすって成長、最終的にはテントウムシの半分ほどの大きな幼虫になります。その後、終齢幼虫としてテントウムシのお尻から外に出て、テントウムシのお腹あたりで繭をつくります。
なんと、この時、テントウムシはその繭を抱いたまま、まるで自分の赤ちゃんを守るかのように一週間にわたって羽化するのを待つのです。
つまり、テントウハラボソコマユバチに頭を刺されたテントウムシは、その毒成分によってマインドコントロールされ、自分の体液を幼虫に与え続けるという使命を完遂、さらに成虫になるまで面倒を見る、という偉業を成し遂げます。
寄生されたテントウムシは、自らの人生をほとんど全てテントウハラボソコマユバチに捧げている、といっても過言ではありません。
それでもテントウハラボソコマユバチの羽化後、そのテントウムシの25%が何事もなかったかのように元の生活に戻るといいます。驚異ですね!
ハリガネムシに寄生されたカマキリが、最終的には生殖能力を奪われ死に絶えるという冷厳な世界とはまた違う異世界がここにありました!
↑ ネイチャーフィールドXでは、今日もテントウムシの幼虫が育ち、サナギになっています。↓
テントウムシには外敵がほとんどいない、と思っていましたが昆虫の世界は実に深い、と改めて思った次第です。
↓ 久しぶりにクモが獲物を捕食しているシーンに出くわしました。
クモはササグモと呼ばれる種です。獲物はハエ・・・?、蚊?アブ?
いろいろと検索しましたが「これだ!」と断定できる種にたどりつけませんでした。唯一、ハエの一種「セアカモモブトキモグリバエ」に近いような、そうでもないような・・・。
ハエ、蚊、アブなど2枚の翅を持つ、いわゆる双翅目(そうしもく)の種類は世界で9万種いるという巨大なグループです。しかも、ハエなどを研究するサイエンティストは甲虫などの研究者に比べて極端に少なく、いまだに未分類、未知の種が多いと言われています。ですので、同定には苦労します。
確かに好き好んで、ハエやその幼虫(ウジ)を飼ったりする人は少ないと思います。またハエやアブは物凄いスピードで飛び回るので、観察も容易ではありません。そういう意味では、まだまだ研究途上にある分野ですね。
※ハチやチョウ、甲虫などは4枚の翅があるので双翅目ではありません。
ネイチャーフィールドXの端っこに自生するカラシナ(一般的にいう菜の花ですが、正確にはカラシナです)には、アブラナ科の植物を好んで食べるナガメが、今年も徐々に発生してきています。↓
菜につくカメムシなのでナガメといいますが、毎年大発生する種です。交尾しているので、今年もめでたく大量に発生することでしょう。笑。
地面を凝視していたら長さ5ミリぐらいの甲虫がうごめいているのを発見。
↓
アトモンサビカミキリです。
とにかく小さくて枯れ葉模様に擬態しているため、見つけるのが大変です。
自分でもよく発見できたなあと感心。笑。
↓ その近くでせわしなく歩き回る、さらに微細な昆虫を発見!
セイヨウシミ?でしょうか。体長はおよそ2ミリ。
セイヨウシミは通常、屋内で見つかることが多いのですが、ここネイチャーフィールドXは全天候のアウトドアです。
なんでキミがおるん・・・?
↑ 近くのコンビニでコーヒーブレイクしていたら、屋根のヒサシ部分にツバメの巣を発見!
どうやら、ツバメの赤ちゃんがいるようです。
夕方近くには、空を舞うコウモリが何匹もいました。
春から夏に近づき始める季節ですね!
ネイチャーフィールドXにも、めっきり生命体が増えてきて最高です!
※テントウムシとテントウハラボソコマユバチの関係については、成田聡子先生(株式会社バイオセラピー研究所筑波研究所長代理)の研究、論文を参考にしました。
※中段に載せたテントウハラボソコマユバチの写真は、NPO法人自然観察大学第2回自然観察会の画像をお借りしました。
※それ以外の写真は全て20.315が撮影。場所もネイチャーフィールドX。ツバメの巣は近くのコンビニで撮影。