『トランス・ワールド』(2013年公開)
「気だるい映画や・・・」
と最初はそう思います。
しかし・・・話が進んでくると、
「ん?」
となり、さらに
「ハア!?」
ストーリーも中盤になると、
「何が起きとるんや、一体!?」
という、そういう作品です。しかも、ラストは鉄板のハッピーエンド。
ネタバレしない程度に、さわりだけ日本を舞台に再現してみましょう。
田舎の林の中で迷ったお互い見知らぬ男女が山小屋に避難。
鈴木くん 「小樽に行こうとしてたのに、車が動かないなんて、クソ!」
小島さん 「小樽?九州から北海道に行こうとしてたの?」
鈴木くん 「九州ってどういうこと?」
小島さん 「だってここは宮崎よ」
鈴木くん 「何言ってんだ、ここは富良野だぜ?」
小島さん 「ハアー?」
山田さん 「ちょっと待ってよ、二人とも!北海道や九州だなんて、どー
ゆーこと?」
鈴木くん 「お前こそ、何言ってんだ?」
山田さん 「だってここは栃木でしょ?ふざけないで!」
鈴木くん 小島さん 「???」
会話がかみ合わず、3人とも相互不信に陥ります。さらに会話を続けてみると、お互いに生きている時代さえも異なることが判明。
3人は生きている場所も時代も違う迷路に迷い込むことになります。そこに、新たな人が現れ、ストーリーは一気に進みます。場所はアメリカ建国前の欧州へ、時代も19世紀にまで遡ることに・・・。
見終えてみると、よくもまあこんな低予算でここまで観客を引きつける脚本が書けるなあ、と感心します。
ただ、冷静に考えれば「最初の時代設定が2011年なのに、なんでスマホや携帯がないねん?」「場所や時代が違うんやったら、言葉にも方言でるんちゃうか?」とのツッコミもできそうです。
でも、そんなツッコミを忘れるほど堅牢な脚本で、見るものをぐいぐいと引き付けます。
一種のSFスリラー、SFサスペンスとしても楽しめる仕上がりになっていて、結構楽しめます!
※ヘッダー写真は「洋画専門チャンネル ザ・シネマ」から。中段写真は「よかブログ」から。