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春日大社【奈良・奈良市】
わが国屈指の大御所神社です。神宮、大社と称する神社は結構ありますが、中でも春日大社(かすがたいしゃ)は、その名を世界にとどろかせている点では指折りといっても過言ではありません。
HPには英語、中文繁体字、中文簡体字、ハングルでの案内があるのですが、これぐらいなら他の神社でも展開していたりするのですが、春日大社では、これらの言語に加えてフランス語での案内もあるのです!
さすがの世界遺産です。
さらに、春日大社には平安時代の国宝、重要文化財を1300点あまり展示する「国宝殿」もあり、世界から人々を誘うコンテンツが詰まっています。
約300種の植物を植栽した「萬葉植物園」も併設されていて、神社全体がまるで「春日大社博物館」といってもいいくらいですね。
春日大社の由来は、奈良に首都がおかれた時代までさかのぼります。いわゆる平城京ですね。この首都を守ること、国民の繁栄を祈るための創建されたのが始まりです。
創建年代は神護景雲2年(西暦768年)。
この奈良時代の一時期、元号が2文字ではなく、4文字の時代が26年間続いていました。
26年間の内訳は以下の通り、5つの4文字元号時代があったんです。
天平感宝(てんぴょうかんぽう) 1年
天平勝宝(てんぽうしょうほう) 9年
天平宝字(てんぽうほうじ) 9年
天平神護(てんぴょうじんご) 3年
神護景雲(じんごけいうん) 4年
この26年間で天皇は聖武天皇(しょうむてんのう)、孝謙天皇(こうけんてんのう)、淳仁天皇(じゅんにんてんのう)、称徳天皇(しょうとくてんのう)の4人が皇位についています。
なぜ、4文字元号なのか、は謎です。何かひらめいたものがあったのか、単なるフィーリングなのかは、正直わかりません。ただ、元号を変えるのは、大化の改新で元号が誕生して以降から明治未満(つまり慶応)まで日常的(?)に行われていました。
何か「貴重なものをもらったから」とか、「大火災があったから」とか、「天変地異があったから」とか、何か気持ちを変える(変わる)ためにしばしば改元していたことが伺えます。
↑ さて、こちらは春日大社の末社(まっしゃ)のひとつ「夫婦大國社(めおとだいこくしゃ)」の御祈願ツールである大量の「ハート絵馬」です。
ハート型の絵馬はここだけでなく、三光稲荷神社(愛知)、八坂神社(京都)、松江神社(島根)などいくつか扱っていますが、ここのハート絵馬のデザインはとってもおしゃれですね!
春日大社のご祭神は「春日神(かすがのかみ)」ですが、この神様は「武甕槌命(たけみかづちのみこと)」、「経津主命(ふつぬしのみこと)」、「天児屋根命(あめのこやねのみこと)」、「比売神(ひめがみ)」の4神の合体した神様のことです。
武甕槌命は茨城県の鹿島神宮、経津主命は千葉県の香取神宮、天児屋根命と比売神は夫婦であり、この2神を祀る大阪府の枚岡神社(ひらおかじんじゃ)、の3つの神社を合わせて祀っているのが、春日大社ということになります。
奈良の都にある春日大社を総本社として、およそ1,000社の春日神社が日本の津々浦々にあり、日本の、いや世界の万民が祈りをささげています。
もちろん、20.315も、です!
【基礎データ】
■創建 西暦768年(神護景雲2年) 奈良時代
■祭神 春日神(かすがのかみ)
■住所 奈良県奈良市春日野町160
■HP 春日大社