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形而上の旅、いとも優雅なる中世の小宇宙

デ・キリコ展@東京都美術館→内藤コレクション写本展@西洋美術館。 この規模の企画展のハシゴはしない主義なのですが、西洋美の企画展示が無料で見れる日があったので、思い切って1日上野で遊びました。広場でやってたパキスタンのフェス?でムガル帝国の宮廷舞踊も観たし、みはしであんみつも食った。上野満喫デー。 会期終わる前に書きたかったけどどっちも終わっちゃった。時がたつのは早いね。 デ・キリコ展 形而上の旅キリコは、シュルレアリストに多大な影響を与えた謎多き画家…と思ってたんだけど結

    • キース・ヘリング展 アートをストリートへ

      今年のアート遊び1発目はキース・へリング展@森アーツセンター。 考えてみたら、エッシャーに並んで子供の頃から好きなアーティストなんですよね。でも中村キース・ヘリング美術館には行ったことないし、この規模のまとまった展示を観るのは初めてかもしれない。 数点なら色んな場所で見る機会あるけど、キース・へリングばっかりで150点ですよ、圧巻。 いつのか分からないが実家に未だ捨てられずにある大判カレンダーで見覚えある絵が何枚もあって、何だか感慨深かった。 初めて見るシリーズも多く、

      • 2023年に観たものたち

        趣味がアート鑑賞なので、それ系のまとめをやります…書きかけてからだいぶたってしまった。1月が終わる…! これもtwilogがなくなったのでnoteで。訪問ごとの感想もツイッターやめてこっちに書くようにしようと思ったけど、noteに書くとなると何かツイッターのようにはいかないですね…。恐らく公開されることはないであろう下書きの切れ端がいっぱい溜まっている。 さて、振り返ると、2023年は67件(≒67日分)ほど記録があり、美術館の企画展とギャラリーなどの小展示を組み合わせて

        • 2023年に読んだものたち

          毎年ツイッターでやってたけど、ツイログがなくなっちゃったのでnoteにて。 2023年読んだ本の、個人的トップ5はコチラ~。 ①謎ときサリンジャー ②ペスト ③星に仄めかされて ④ゴリオ爺さん ⑤ジヴェルニーの食卓 年始に読んだ「謎ときサリンジャー」が結局①位で、かなり面白かったんだけど、②位以下は正直それに比べると印象薄い。 (かなり面白かった割には感想が雑。) まあでも、長年気になりつつ読みそびれていた本をいくつか読めたのは良かったかな。ペスト、ゴリオ爺さん、残

          須田悦弘「補作と模作の模索」& ベルギーと日本

          ギャラリー小柳と共同企画の須田悦弘展行ってきた。小柳はよく行くんだけどロンドンギャラリーは初訪問。 須田さんは、上の画像(何かうまいサイズでアップできなかったけど)のようなリアルすぎる草花を木で作っちゃう人です。今回の2展示では、このいつものリアルすぎる草花たちに加え「補作」というのが展示してある。 補作という言葉は今回初めて知ったけど、辞書的な定義では「一旦できあがったものに別の手を加え、よりよくすること」らしい。須田さんが、仏像や神像の失われた部分や古色を検証し創造し

          須田悦弘「補作と模作の模索」& ベルギーと日本

          TOPコレクション セレンディピティ@東京都写真美術館

          セレンディピティ展行ってきた。 セレンディピティっていいよね。 チラシの説明文も魅力的で期待していたのですが、正直それほど「セレンディピティだ!」と思うこともなく、これまでのコレクション展とあまり違いが感じられないまま見終えてしまった。ので、それについて考えたことをメモ。 いや、展示の内容は良かったのです。ただ私の思う「セレンディピティ」を感じるのが難しかった、というだけで。 何故か。 理由は2つあって、まず1つは私の思う「セレンディピティ」が本来の意味よりかなり狭い

          TOPコレクション セレンディピティ@東京都写真美術館

          超複製技術時代の芸術展@GYRE ①

          難しかったけど面白かった展示。 超複製技術時代の「超」がどこにかかっているのかやや不明瞭だが 全く同じものをいくらでも複製可能であるデジタルアートとそこに価値を付与しうるNFT技術をテーマにアートを考察する展示。 アートのありかたを根底から揺るがす新しい技術を前に(そしてNFTアートへのバブリーな投機熱を横目に)、最前線のアーティスト達がそれぞれのやり方で解釈し、皮肉り、利用し、問いかけ、モノにしようとする様子を垣間見たかもしれないと思う。 副題は「分有、アウラ、超国家

          超複製技術時代の芸術展@GYRE ①

          合田佐和子展@三鷹市美術ギャラリー

          こちらは先日のボタニカルエッグの合田ノブヨさんのお母さんの回顧展。(のの連続) 事前知識が乏しく、楽しめるかどうか若干不安に思いながら観に行ったんですが、杞憂!面白かった!! 最初の展示室、シュヴァンクマイエルっぽい立体作品たちが並ぶが、前衛的ながらもセルフプロデュースを意識しつつ時代に応えていた様子もうかがえる。 で、これが延々続くのかと思いきや、次のスペースでは油彩がドーン。トータルで見ると割と油彩の人だった。(でもその始まりは「外国で写真拾ったから描いてみた」みたい

          合田佐和子展@三鷹市美術ギャラリー

          合田ノブヨ「Green Remembrance」展@シス書店

          合田ノブヨ「Green Remembrance」展 @シス書店行ってきた。 初日なのもあって賑わってました。 コラージュの作家さん(という認識)なのだが、今はエコプリントなる草木染めの研究中だそうで、コラージュ+草木染+着彩の作品と、卵の殻に草木染めを施した新しいタイプの作品が出ていました。 卵の作品は「BOTANICAL EGG」というシリーズで、技法は草木染めと言えば草木染めなのだが、何やら特殊な技術によって卵の表面に草花の姿、色味や輪郭が写し取られており、それが何と

          合田ノブヨ「Green Remembrance」展@シス書店

          芸術家たちの南仏@DIC

          週末はDIC川村美術館行ってきた。企画展は「芸術家たちの南仏」。 セザンヌって近代絵画の父だったのか…。何枚か好きな絵もあるけど、どういう位置づけの画家かあんまり考えたことなかったなー。 企画展で一番印象に残ったのは、彼に影響を受けた一人、アンドレ・ドランのパノラマ(プロヴァンス風景)。 斜め上からの俯瞰で、画面左と右で別の場面が展開する構図はブリューゲルのイカロスを彷彿とさせる(けど時代も違うしたぶん関係はない)が、何かあんまし見たことないタイプの絵。画面左の暗がりに白い

          芸術家たちの南仏@DIC

          初投稿!(8周年おめでとう!)

          Twitterに美術展の感想とかを書くんだけど、140字ずつに調整して連投するのだいぶタルくなってきた(でも140文字制限は外したくないというめんどくさい美学を持っている)ので、今更noteにしようかと思っている。 いやマジで今更と思うし、その今更がハードルでこれまでずっと140文字調整をしていたんだけども、その今更ハードルを今更越えてみた理由は特に無い。 で、まずは会員登録なんですけど、まあここは「Twitterで登録」でいいでしょう、とボタンを押したらさ、何かもうあっ

          初投稿!(8周年おめでとう!)