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#39-これまでの会社経験と207株式会社を比べてみる

物流のラストワンマイルをDX化する【207株式会社】がお届けするPodcastの文字起こしnoteです。今回は207でフロントエンドエンジニアとして活躍する高専出身の岸田さんにSler就職後から207までの軌跡について深堀りしました!(前編はこちら

インタビュアー:207 CTO 福富
インタビュイー:207 フロントエンドエンジニア 岸田

福富:さて、前回からの続きですが、Slerという職種についてある程度分かった上で選ばれたんですか?

岸田:一応そうですね、なんとなく分かっていました。

福富:実際に入社されてどんな感じでしたか?

岸田:まず、Slerは何かというとシステムインテグレーターを指します。システムを作って売る。日本で一番有名なSlerだとNTTデータなどですね。営業が受注してきたプロジェクトをエンジニアが要件定義・詳細仕様を決めて実装してテストをしていく流れです。ウォーターフォールのV字モデル(ソフトウェア開発手法の1つ、各工程の対応関係を明示したモデル)をやっていくのがSlerの仕事です。

福富:抽象度が下がって、また上がっていくというものですね。

岸田:そうですね。

福富:会社全体は何人くらいですか?

岸田:300~500人くらいですかね。

福富:たくさんいますね!

岸田:3つの事業部に分かれていて、大体100人ずつくらい所属していました。一応、一部上場の企業です。

福富:3事業部とも受託をやっているのですか?

岸田:受託をやっています。

福富:すごいですね!

岸田:Slerとはそういうものですね。

福富:職種の比率的にはどんな感じですか?

岸田:総務なども含んでいますが基本的にはエンジニアですね。キャリア的には新卒で入ってエンジニアとしてスタートし、下積み後に係長→課長→部長になっていく普通のキャリアパスです。

福富:そうなんですね!ちなみに係長は何をするんですか?

岸田:係長はマネージャーですね。キラキラした言葉で言うとエンジニアリングマネージャーです(笑)。プレイングマネージャーでもあります。

福富:では自分でコードも書くんですね?

岸田:はい、コードも書くし、仕様も決めます。プロジェクトマネージャーでもあります。

福富:なんでもやりますね!

岸田:係長はそういうものですね。あと雑用もやります。

福富:スーパーマンじゃないですか!(笑)岸田さんは係長になろうと思わなかったんですか?

岸田:それがですね、この後の話にも絡みますが、キャリアパスは係長になる以外無いんですよ。ソフトウェアエンジニアとしてスキルを付けて、ずっとソフトウェアエンジニアとして伸びていくという道が無くて…

係長になって、マネジメントをどんどん回さないといけないので、それが少し嫌だと感じて辞めました。

福富:なるほど。先ほど係長もコードを書くという話でしたが、実際のところ時間の使い方の比率としては結構マネジメント業務が多いのですか?

岸田:そうですね。そういうのも多いですね。あまり僕は好きじゃないなと思って、辞めたのが3年目の後半くらいです。マネージャーの話が出始める時期だったので。

福富:3年在籍していたんですね。そもそもSlerの会社は、使う技術は纏めようとするんですか?それとも皆バラバラに何でも触る感じですか?

岸田:基本的には、お客さんから指定の技術があればそれを使いますが、無かったら大体Javaになります。でも、僕は少し特殊な案件をやっていてキャリアの一番最初の仕事からずっと自然言語処理の仕事をしていました。なので、Java、C++、Pythonも触りました。

福富:なるほど。自然言語処理の案件とは具体的にはどういったものがあったんですか?

岸田:いわゆるチャットbotみたいなものを作ることです。非公開の自然言語処理エンジンがあって、自然言語処理の形態素解析として一般的にはMe Cabなどがあると思いますが、それのもっと「凄いバージョン」を作っていました。

福富:自然言語処理エンジンの「凄いバージョン」って相当凄いと思いますが、それはどうやって凄くしたんですか?

岸田:日本で一番大きな某社の研究部門が理論や論文を書いて、それをビジネスに転換するというのが僕の仕事だったので、基本的にはロジックなどは全部ありました。

福富:凄いアルゴリズムを考えてくれる人がいて、それをアプリに応用していく感じだったんですか?

岸田:そうです。それをベースにアプリケーションとして作っていました。

福富:へえ!

岸田:求められる要件は速度と安定性です。先ほどC++と言いましたが、一番速度が重要な部分は、CやC++などのネイティブ言語で書くので、C++を学びました。

福富:面白いですね!Slerに3年くらいいらっしゃって、次はどこに行かれたんですか?

岸田:Slerの後半で自然言語処理を辞めました。その後、大手のWebサービス会社に行って業務委託として働いた結果、スタートアップに転職しようと思いました。

福富:どういったところが違うと思いましたか?

岸田:勿論、ウォーターフォールの概念などは無いんですよ。それっぽいものはありますが。きちんとスクラムを組むし。

福富:スクラム開発するのも、そこが初めてだったんですね?

岸田:そうですね。きちんと週次振り返りもするし、全然開発フローも違って、そこから色々刺激を受けました。

元々自然言語処理の仕事はto BCサービスで納めたら終わりなので、フィードバックも何も返ってこない状況だったんです。to Cサービスは、リリースしたらお客さんの元に届いてお客さんからフィードバックがあるフローなので、そうすると自分が携わった実感が湧くじゃないですか。

自分のコードが手元で動いて、少し世界を良くしている感じが良いなぁと。受託などではなく、自社サービスを展開するスタートアップが良いな思い転職しました。

福富:開発フローやチーム体制もそうだし、お客さんと直接コミュニケーションが出来るところが大きかったんですね。そこは何年くらい居たんですか?

岸田:そこには、結局半年〜1年くらいかな?

福富:期間としてはそんなに長くなかったけど、ターニングポイントではあったんですね!「その次はスタートアップだ!!」という気持ちになってすぐ仕事を探し始めたのですか?

岸田:良いところがあればやろうかなという感じでした。転職活動はしていましたが、3ヶ月くらいダラダラが続いていました。Wantedlyに登録などはしていませんが、転職エージェントにとりあえず登録して、良いところがあれば話を聞き、個人面接を受けることを繰り返していました。

福富:次に転職したのはどちらでしたか?

岸田:cansellという宿泊の二次流通会社ですね。

福富:いくつか面接を受けたと思いますが、cansellさんが良いと思った理由はどのあたりですか?

岸田:一番大きいのは技術が完全に一致していたことです。node.jsと、全部フルスタックで開発しているところが当時はあまり無かったのですが、cansellは技術的にマッチしている領域が多かったので僕も貢献できるかなと思い転職しました。

そこではフルスタック…と言いたくは無いのですが、バックエンドもフロントエンドもやっていました。

福富:転職してみていかがでしたか?某大手企業に行ってみて感じた「スタートアップだったらこんな事が出来そうだな〜」と思ったところと、ギャップは何かありましたか?

岸田:意思決定のプロセスが早いです。以前は、お客さんに納品する仕事だったので、一応技術的な課題や変更点があれば一旦社内で話を通して、綺麗な文章を書いてお客さんに「どうですか?」と伺い立てると初めて変更される感じでした。

スタートアップだと全然進め方が違って、もはや自分で考えて自分で行動して自分で変更して基本全部1人でコントロールする働き方だったので、行動に対する自分の裁量が大きな違いでした。

福富:実際に環境を変えてみて、スタートアップ的な働き方が向いていると感じましたか?

岸田:そうですね。そちらの方が向いていると思っていましたし、楽しく働いていました。

福富:良いですね。順調に自分のやりたい事と一致する方向にキャリアを進めていった中で、次に207株式会社(以下「207」)にjoinしたわけですが、どういうキッカケがあったんですか?

岸田:コロナの影響ですね。宿泊業界向けのサービスだったので、ピボットを検討していたのですが、それでも少し厳しくなってきたので転職を考えていました。その中で、207からスカウトが来たので「ちょっと話を聞いてみるか!」という感じで行動して、そのまま入社です。完全にタイミングですね。

福富:懐かしいですね。それがもう半年前くらいですかね?

岸田:もっと前ですかね。1月後半〜2月くらいだった気がします。

福富:そうでしたね。僕たちも採用をし始めたばかりの頃で、やり方がよく分からないまま面談していた気がしますね(笑)。当時の面談のレコーディングデータを見たらひどいと思います(笑)

岸田:(笑)

福富:joinしてから結構経ちますよね?

岸田:書類上は4月1日からだったかな?あまり覚えてないですが、結構経ちますね。

福富:岸田さんはSler、業務委託で行っていた大きい会社さん、スタートアップの3社の異なる環境を経験されたと思いますが、そういうところと比べて207で働いて「ここが独特だ!」と感じる部分はありますか?

岸田:やはり録画文化は感じました。違うミーティングで話していた事がいつの間にか他のところに伝わっているみたいな。良い意味で勝手に皆見るじゃないですか(笑)。するとコミュニケーションのコストが少し減るというか、何回も説明しなくてもいつの間にか伝わっている感じはあるかもしれないです。そこは他の会社とは結構違いますね。

福富:確かに、話の速さはありますね。それは良い面のギャップかなと思ういますが、逆に他と比べてもっと改善出来ると思うところはありますか?

岸田:これは僕の経験からですが、今はフロントエンド、バックエンド、SRE、QAみたいに、今の段階で専門職で分かれているじゃないですか。

でも、スタートアップは基本的にあまり分けないんですよ。分けない方が結構スピードも上がるのかなと思います。今の体制だと「この人が居ないと出来ない」という事が結構多いので、皆が出来るようになった方が速いと思います。

福富:確かに。Rubyとアプリ開発を両方を出来る人が少ないというのが課題としてありますね。

岸田:Rubyは読めはしますけど、まだ書けないので。

福富:僕は岸田さんがRubyの勉強を始めているという噂を聞いているので、ぜひフルスタックエンジニアに(笑)

岸田:フルスタックは少しだけ分かるくらいなので、少しずつですね。

福富:一番最後のトピックとして「これから207でやりたい事」を用意をしていたのですが、一つそれを入れておきますか(笑)?

岸田:一応入れておきますか(笑)。

福富:新しく作るアプリケーションに関しては、その選択肢は全然アリですけどね!

岸田:それで良ければ。

福富:良いですね!それはとても楽しみに待っています!

岸田:少しずつやっていますが、あまり時間が取れていないので進みが遅くて、時間を取ってやるようにします。

福富:確かに足元でやる事が、すごく山積みですからね。

岸田:そうなんですよね。

福富:ちなみに他に何かやりたい事はありますか?

岸田:最近本当にずっとフロントエンドの開発ばかりやっていて若干飽きているので、若干というか…かなり(笑)

福富:度々言っていますよね(笑)

岸田:なのでもう少し違う領域でも良いですし、何かフロントエンドの中でも違う技術をやるなど、そういうことをやっていきたいですね。積極的に新しい技術を反映するなど、一応Webも出来るのでWebのところももう少し改善してみるとか。

福富:僕が仕様などを作っている時も「技術的にはこういう事出来ますよ」と提案くれるじゃないですか?あれ、PdMとしてとても助かっているので、「ここ滑り込み出来そうだな」というところを見つけたら、どんどん言っていただけると良いかもしれないですね!

岸田:そういうことはどんどんやっていこうと思います!むしろそこ以外のvalueは無いので、僕、専門性高くないから。

福富:そこのvalueはとても大きいですけどね!

岸田:継続的にやっていきます。

福富:岸田さんのキャリアをこんなに深掘りした事が無かったので楽しかったです!本日はソフトウェアエンジニアの岸田さんにお越しいただきました。ありがとうございました。

岸田:ありがとうございました。

(おわり)

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