#38-京都住まいの分解好き学生が神奈川のSIerに就職した理由
物流のラストワンマイルをDX化する【207株式会社】がお届けするPodcastの文字起こしnoteです。今回は207でフロントエンドエンジニアとして活躍する高専出身の岸田さんに高専に進学した経緯、当時のキャリアの方向性について深堀りしました!
インタビュアー:207 CTO 福富
インタビュイー:207 フロントエンドエンジニア 岸田
福富:本日は207株式会社(以下「207」)のソフトウェアエンジニアの岸田さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
岸田:はい。お願いします。
福富:軽く自己紹介をお願いします。
岸田:207でソフトウェアエンジニアをやっている岸田と申します。ソフトウェアエンジニアと言っても幅広いですが、その中の主に、フロントエンドと呼ばれる領域を担当しています。具体的に、207ではTODOCUサポーターというアプリを出していてそちらの実装や運用をやっています。
福富:僕は普段TODOCUサポーターのバックエンドエンジニアやプロダクトマネージャーをやっているので、岸田さんとは密にコミュニケーションする事が多いですよね。
岸田:そうですね。よく話します。
福富:まずはカジュアルな話からしていこうと思いますが、岸田さんは仕事以外の趣味は何かありますか?
岸田:仕事以外趣味らしい趣味は無いですが、あえて一つ挙げるとよくゲームをするのでそれくらいですかね。
福富:ゲームと一言で言っても色々あると思いますが、何をやられますか?
岸田:割と幅広くやっていて、最近あまり時間を取れていませんが、アクションゲームや最近RTSやストラテジー系のゲームにハマってやっています。
福富:ストラテジー系のゲームと言えばこの間、下馬ハウス(エンジニアシェアハウス)の3人でガッツリやりましたね!
岸田:やりましたね。例の時間が掛りまくるゲーム(笑)
福富:「シヴィライゼーション6」ね(笑)僕もあれ大好きですごくやっているんですよ。3人で結局3~4時間やりましたけど、またやりたいですね!
岸田:まだ序盤でしたね。時代がまだ西暦が始まったくらいでしたね。
福富:そうそう(笑)まだ全体の5分の1も終わってないので、また仕事がひと段落ついたら企画したいなと思っています!
岸田:やりましょう!
福富:今回は改めて岸田さんのこれまでの経歴を深掘りしていこうかなと思っていますが、岸田さんはそもそもご出身はどちらですか?
岸田:僕の生まれ育ちは関西圏です。僕自身、標準語っぽい喋り方なのであまり関西っぽくないと言われますが、関西圏を転々としていました。生まれは大阪で父親が転勤族だったので2歳で兵庫県の北の方に引っ越して、小学校くらいに京都市に住みました。その後に高等専門学校に行って京都の上の方にずっと住んでいました。
福富:本当に転々としていますね!
岸田:そうですね。関西圏を回っているので、あんまり関西弁が出ないのかもしれないです。
福富:大阪生まれで兵庫に行って小学校で京都に行ったという事は、一番長かったのは京都ですか?
岸田:そうですね。京都が一番長いです。
福富:僕自身、関西に住んだ事が無いのであまりイメージが湧きませんが、岸田さんはどこに住んでいた時の思い出が一番残っていますか?
岸田:やはり京都市に住んでいた頃が結構印象深いです。住んでいたのは小学校から中学校を卒業するまでなのであまり長くありませんが、南区の東寺の近くに住んでいて、観光客気分で神社や寺など色々な所を回っていたので、そこの思い出はとてもありますね。
福富:なるほど!住んでいると言いつつも観光客気分で楽しんでいたんですね!(笑)
岸田:そうですね。住んでいたらあまり観光しないじゃないですか(笑)。でも引っ越しで完全に観光客気分だったので、そこで三十三間堂に行ったりと色々回っていました。
福富:良いですね。そこに中学校までいて、次に高等専門学校に入ったと仰っていましたが、元々数学や理科などの教科が得意だったのですか?
岸田:数学や理科などの分野というよりは、モノの構造を知ることが好きで何でも分解して中身の構造を知る事が好きだったので、工業高校に行くか、少し学力が足りていれば高専かという感じでした。運よく受かったので高専に行きました。
福富:元々仕組みなどメカニック系のところに興味があったという事ですね。
岸田:そうですね。
福富:当時、高等専門学校に入る前に分解した物で覚えている物はありますか?
岸田:ゲームボーイアドバンスを分解しました。それは裏蓋を開けるだけなので構造簡単なんですよね。でも、もっと大変だったのはNitendo DSを分解した時です。Nitendo DSは2画面になっているので構造が少し複雑なんですよ。それを戻せなくなってしまって... しかも弟のものを分解したのでとても怒られました(笑)
福富:(笑)。それはどういうモチベーションで分解しようと思うんですか?
岸田:なんか見たくなりません?「中どうなってるの?」と思ってしまうんです。
福富:確かに。隠されると気になりますよね(笑)
岸田:なんでも分解するような人は意外に結構いるみたいで、趣味なのか分かりませんが分解して遊んでいました。
福富:思えば僕も大学時代にNintedo DS向けのソフトウェア作っていたので、分解していましたね!
岸田:そういうモチベーションなんですね(笑)!
福富:Wiiのリモコンとか!
岸田:Wiiのリモコンも分解しました!
福富:懐かしいなと思いました。当時、そんな中で高等専門学校を選んだという事ですが、どんな期待を持って入学しましたか?
岸田:電気科と呼ばれる電気や電気回路などを学ぶ専攻分野です。元々、電子機器の分解からきているので、電子設計関連の分野だろうと思って入学しました。
福富:ではそこは地続きだったんですね。
岸田:そうですね。
福富:面白いですね。実際に入学してみてその期待は満たされましたか?
岸田:最初はモチベーションとしては楽しかったですが、段々、プログラミングの方が面白くなってそちらの方が好きでした。ただ得意なのは、電気回路の知識の方だったので楽しくやってはいましたが、最後の方はプログラミングばかりになっていました。
福富:高等専門学校の仕組みがあまり分かっていないのですが、自分が履修する科目は自由に組み立てられるのですか?
岸田:いや、選べないですね。一部選択制科目もありますが基本的に5年間で卒業なので、1・2年生は普通の高校と同じ様な分野に少し毛が生えた実験をするような感じです。
3年生から専門分野の比率が上がっていき、4・5年生になるとほとんど専門ばかりに移動していくカリキュラムになっています。科目選択できるのは4・5年生の時ですが、選択できるものもそんなに多くなかったですね。
福富:その流れで3年目くらいから専門科目の時間が増えていったんですね。
岸田:そうですね。基本プログラミングを取るようにしていました。
福富:プログラミングの授業はどんな事をやるんですか?
岸田:大した事はやっていなくて、自然言語処理・人工知能などです。例えば遺伝的アルゴリズムの授業だったりと所謂普通の情報学ですね。エントロピーや群などをやっていました。
福富:大学とあまり変わらないですね。
岸田:基本は大学と一緒ですが、一応、高等専門学校ならではのところで実習があり、理論だけではなく実際に手を動かすこともありました。
福富:プログラムというかもはや数学ですよね?僕のイメージでは勝手に、もっと実用的な話をするのかと思っていました。
岸田:実用的なことは全然やらないですよ。プログラミングの授業と言っても、プログラミングをするのはあくまで手段なので、それを使って何かをするという事がメインですね。なので、普通の実験でもプログラムを書く必要がありました。
福富:大学と同じように卒業研究のような事はあるんですか?
岸田:卒業研究はあります。僕の場合、5年時に加えて専攻科2年の計7年通っていたので、高等専門学校の本科終了時と専攻科の終了時に2回の卒業研究がありました。
1回目の卒業研究は赤外線レーダーの反射特性を使って、物の大きさを計測することをやりました。2回目は画像処理。そして3回目も画像処理をやりました(笑)。
なぜ3回も卒業研究をやったかというと、高専の5年目の時に留年していて、留年する前に赤外線レーダーをやっていて、留年した後に画像処理をやったので2回です。
福富:留年したら、何で3回になるのかよく分からないのですが(笑)
岸田:1回やり直しになったので研究室を変えたんですよ(笑)
福富:なるほど。赤外線の研究に関しては完遂していなかったという事ですか?
岸田:実は共同研究で、もう一人の方と一緒にやっていたんです。でも僕が留年してしまい、その人は研究が終わったのでテーマが無くなるんですよ(笑)。そしたら何か別の事をする必要があったので、研究室を変えて画像処理をやっていました。
福富:なるほど、面白いですね!では前提として研究室があるんですね?
岸田:研究室に入って研究をしますね。
福富:それで研究室を変えたんですね。
岸田:情報系の研究室ですね。僕の専攻した分野は、電気・電子・情報・通信と4分野に分かれていました。各分野に研究室があって最初は電気の研究室に入りました。2回目は情報の研究室に入りましたね。
福富:では結構変わりましたね!
岸田:だいぶ変わりました。
福富:先ほどの話だと途中からプログラミングに興味が向いてきたと仰っていましたが、そういう意味では、興味の変遷というところと研究室を変えた事は一致していましたか?
岸田:そうですね。そこが一致しています。
福富:研究室を変えられたのは、良かったと言えば良かったですね!
岸田:そうですね。そこで結構プログラミングに詳しくなりました。
福富:なるほど。2回目の卒業研究のテーマが画像処理という事ですが、どういう事をされていましたか?
岸田:ナンバープレートを読み取る画像処理です。とても有名な画像処理の分野で、応用分野として一番分かりやすい画像処理をやっていました。
福富:僕も昔やっていたのである程度分かりますが、まず、画像の前処理をする技術と、そこで抜き取った画像の形がどの数字なのかを当てはめるフローがあると思うのですが、どちらをメインに研究されていたのですか?
岸田:前者の方で、前処理工程をやっていました。整理すると、本科の卒業研究と専攻科の卒業研究は実は同じ研究室で、同じ画像処理をやっているんです。本科で行ったのが画像読み取り技術の研究、専攻科で行ったのがナンバープレートの解像度を上げて読みやすくする「超解像技術」の研究です。本科の方はほぼ覚えてないですね。
福富:なるほど。読み取りの部分で自然言語処理を使っていましたか?
岸田:そうですね。授業では少しやっていましたが、自然言語処理は後半〜社会人になってからですね。
福富:卒業研究は出来上がったら発表するんですか?
岸田:する人もいますが、僕はやってないです。
福富:やらなくても卒業出来るんですね?
岸田:出来ますが、発表すると単位は貰えるので卒業しやすいです(笑)
福富:そういう感じなんですね!
岸田:なので、あまり真剣な研究では無いですね。
福富:新規性もそんなに求められないですか?
岸田:一応、論文なので求められます。ただ、学会ではないのであまり気にしなくて良いと思います。僕は真面目な学生では無かったので(笑)
福富:なるほど(笑)。面白いですね!その後、社会人になるにあたり就職説明会は行っていましたか?
岸田:いや、それが高等専門学校の就活はすごく特殊なんです。高等専門学校は就職率100%超えているんですよ。一人に対して何十社も来るので、基本的には会社からスカウトが来るんですよね。
福富:スカウトされる立場なんですね!
岸田:その中で話を聞いて学校から企業に推薦を出してもらい、推薦で行って受かったら入るというのが基本的なフローになっています。でも、僕は2回留年しているので就活は全然上手くいかなかったです。
福富:へえ!それは書類で落ちてしまうんですか?
岸田:書類も落ちますし、面接でも落ちます。皆、就活が終わっている中僕だけやっていました。毎年5~7月には就職先が決定していくのですが、僕は10月までやっていていましたし、10月は内定者説明会がある時期ですがそれを超えてもやっていました。
福富:なるほど。どういう会社から推薦は来るんですか?
岸田:僕の分野の専攻だと一番分かりやすいのは電力会社です。あとはプログラミング企業、機械メーカー、大体一部上場の有名な会社ですね。
福富:そんな中で実際に選ばれたのは、どんな会社でしたか?
岸田:僕が行ったのは神奈川県のSlerです。今まで僕が在籍した高等専門学校の中で、そのSlerは採用実績が無かったんです。京都の学校なので、皆さん関西圏で就職していくのですが、僕は選べる会社がもう無かったので、エリアを超えて自分で探して受けていました。それでファーストキャリアでSlerに行きましまた。
福富:京都の高等専門学校にいらっしゃって、神奈川にいきなり就職するという経緯を不思議に思っていましたが、そんな感じだったんですね!
(後編につづく)
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