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#5‐207流の自律した開発組織の現在地点と今後の展望
※この記事は、前回からの続きです。
ー ここからは主に開発組織のところに触れていきたいと思います。まずは開発体制について簡単にご紹介ください。
福富:全体の人数がまだ少なく、TODOCUサポーターを開発しているフルコミットメンバーはフロントエンド2名、業務委託の方が1名います。合計3人で回している現状です。
もう一つto B向けに提供しているSaasのTODOCUクラウドは、バックエンド2名、フロントエンド1名という構成です。ただ、バックエンドは副業の方がスポットで40時間くらい稼働してくださっているという状況ですね。
ー 定例など、どういう単位で何をチェックしていくのかこだわられているポイントはありますか?
福富:TODOCUサポーターの方は、稼働時間が長くフルコミットに近いメンバーが揃っているので、頻度を短めに1週間に1回のスプリント定例というミーティングを組んでいます。そこで基本的なアジェンダの確認と、1週間でやったことの振り返り、次の1週間で何をして欲しいかというところのSyncをやっています。一方でTODOCUクラウドの方は、稼働時間が少なめの方が多いのでスプリントのサイクルを長めに取って、2週間に1回同じような事をやっている感じです。
あとは振るタスクのルートも結構違います。やはりTODOCUクラウドの方は非同期にコミュニケーションする事が多いので、細かめに「こういうAPIが欲しいです」というタスクを振る事もありますが、一方でTODOCUサポーターの方はDiscordでいつでもコミュニケーションを取れるという関係性が出来ているので「大雑把にこういう方針で行きたいです」「Howはお任せします」という感じでコミュニケーションを取る事が多い気がします。
ー 業務でよく使うツール、例えばタスク管理ツールなどはどういうものを使っているかご紹介いただけますか?
福富:プロジェクト管理は基本的にZenHubを使って、Boardでタスクの管理をおこなっています。あと特徴的なところで言うと、PluralsightというGithubのログを分析して「誰が」「どのくらいのタイミングで」「どういうコミットをしているのか」「コードレビューがオープンされてから、最初の返信が来るまで平均で何分掛っているか」等をモニタリング出来るようにしているので、そこで簡単に振り返りをしています。
ー それをやっている会社は中々ないですよね!
福富:確かに。日本語だと記事でもあまり見たことないですね。
ー そういう意味であまり経験したことないエンジニアさんが多いと思いますが、実際現場に導入する時はスムーズにいきましたか?
福富:そうですね。みんな新しい物好きなので、面白そうだね!という感じでどんどん触ってもらっています。
ー 開発メンバーはどういうメンバーが多いですか?
福富:年齢層でいうと若いメンバーが多いです。たぶん僕以外は全員20代だと思います。あとは、やはり仕事好きな人ばかりですね(笑)。
何も言わなくても、こんな事したい!あんな事したい!と意見も出てきますし、変な遠慮をせずにコミュニケーションしてくれる方が多いので、そこはすごく助かっているなと思っています。
変に内側に溜めて後で爆発ということも起きづらいのも今のメンバーの良いところかなと思います(笑)。少しでも違和感があったらすぐに言ってくれます。
ー リモートだとそういう問題も起きかねないですが、207株式会社(以下「207」)は全然そういうの聞かないですよね。それはやはりValuesが効いているんでしょうか?
福富:確かに、そうかもしれないですね。
ー 207のValuesは素敵かつ、少しユニークですよね。「Speed with quality」「Be open」「3S」の3つValuesがありますが、福富さんはどれが好きですか?
■ 207 Valuesについて
1. Speed with Quality スピードMAX、クオリティ7割
即レスを意識し、タスク実行はスピードMAXでかつクオリティは7割を担保せよ。
2. Be open 情報の透明化と自律駆動
メンバー全員が有機的に素早く最善の切断を下せるように、常に信頼しオープンマインドな行動を心掛けよう。
3. 3S 先生であり、生徒であり、科学者であれ
常に体験しインプットを惜しまず、かつアウトプットし、データで判断せよ(Sensei、Seito、Scientistsの頭文字の「S」をとって3S)
福富:全部好きですが、ただ面白いという意味でいうと「Be open」ですね。今でこそ多いですが、社内外のミーティングを全て録画してSlackに流すって中々ない文化だと思っているので(笑)これはとても面白いなって思っていますね。
ー本当に、文字通り全て流れてきますよね。あれは僕も衝撃でしたね。
福富:やってみると、ちゃんと仕事のパフォーマンスにも良い影響が出ている実感はありますね。あとは自分の言ったことが変な風に伝わってないかなということも分かりますし、簡単に訂正できるのでそこも良いところですよね。
ー 開発チームで、今までやってきて上手くいったこと・上手くいかなかったことはありますか?
福富:1回試したことでいうと、ガチガチにスクラム開発をしようと思い、毎回ストーリーポイントをきちんと見積もって振り返り、バーンダウンチャートで可視化しようとしていたんですが、結果あまりフィットしなかったという失敗談はあります。
なぜ上手くいかなかったのかというと、前提として人数が少なかったこと、みんなの得意領域が結構はっきりと分かれていることで、全員で同じタスクの見積もりをしても結局バラけてしまい、コミュニケーションしづらいというところがありました。
現在は、もう少しざっくりとしたスプリント開発に運用を移行したので、上手く行き始めている気がします。
ー 「Be open」から自律性が生まれて、みんな自律しているのでそこに細かく管理するマイクロマネジメントは相性が悪いという話でしょうか。
福富:そうですね。だから、どちらかというと「全員が気持ちよくモチベーティブに働ける状態を維持する」というところにフォーカスした方が、今はパフォーマンスが出るかなというのはありますね。
ー 確かにいいですね!そのために今意識してやっていることはありますか?基本は任せている感じですか?
福富:そうですね。任せるんですが、なぜWhatが生まれたのかを解像度高く説明してあげて…というところは、気を付けようと思っていますね。
今プロダクトマネージャーとしては、プロダクトの位置とそれをあるべき姿に持っていくために今とのギャップを把握し、近づけるためにはココの数値を埋める必要があるからこの様な機能を作ろうと思っていますというような話をしています。
どこまで出来ているかは分かりませんが、きちんとやっていきたいなと思っているところです。
ー 事業戦略で言うところの上段からブレイクダウンして落としてもらえると納得感もあり、開発のモチベーションなどパフォーマンスアップに繋がりそうですよね。当たり前のことかもしれませんが、それをやるのは難しいところがありますよね。
福富:そうですね。そのためにも自分の言語化能力をもっと磨かないといけないと感じていますね。
ー 今後こういう組織にしたいというビジョンがあれば教えてください。
福富:僕としては、仕事は楽しいものだと思っているので「207で仕事をするのが楽しくて仕方がない」という環境にしていきたいと一番心がけています。
ー いいビジョンですね。
福富:ありがとうございます。だから、そのために必要なものは全部やろうかなと思っています。
ー ここ1~3年くらいで人数をどれくらいに増やし、どういうポジションを中心に採用しようとお考えですか?
福富:計画上でいうとこの1年間で30人くらいは増えていくと思っています。直近で募集中のポジションでいうと、まず経験のあるシニアのバックエンドエンジニアの方が欲しいです。
何故かというと、特にto B向けのサービスを作っていく上で、全クライアントに必要な機能もあれば、一部クライアントにのみ必要なものもあって、それぞれが色んな背景や文脈とセットで上がってきます。
それらを既存のアーキテクチャと整合性を保ちつつ取り入れていくことは、実はかなり複雑な作業です。それらを整理しつつ開発を進められる能力のある方に入社していただきたいと思っているところです。
ー 逆にいうと、ビジネスサイドの人も開発のことがある程度分かっていたり、自分でSQLを書いたり、Google Analyticsで分析できるスキルのある人がどんどん入ってくると、その辺の垣根も無くなってパフォーマンスが上がっていくかもしれないですね。
福富:そうですね。それが出来たらとても理想ですね。
ー 207で今後実現したいことについて教えてください。
福富:もちろん弊社が掲げているビジョンである「いつでもどこでもモノがトドク」という状態を作りたいということが前提としてあるのですが、その上で出来たら面白いなと思うことがあります。
207の事業拡大と並行して、あとで振り返ったら【207出身】ということがとてもブランドになってるような、そういう状態を作れたら面白いかなと思っていますね。
ー おぉ!ペイパルマフィア的なことですか?
福富:そうですね、正に!だから、そのためには207で仕事するとすごく成長するよね!という環境を作ること大事で、色々やらなければいけないことがありますが、出来たら素敵だなと思っています。
ー 事業と人・組織という点でいうと、福富さんはどちらも強いなと思う一方で、人・組織の成長のほうがやはりお好きですか?
福富:そうですね。今はどちらかというと組織作りやそっちの分野に興味はあるかもしれないですね。
ー 事業でチャレンジしたいことはありますか?
福富:207もおそらく1~2年後になると蓄積した配送効率化データをどうやって価値に転換するかということがキーになってくると思います。元々、機械学習やデータ分析が好きという事もあるので、その辺りのデータの活用を通して非連続なValueを提供することが出来たら面白いと考えていますね。
ー いま「TODOCUサポーター」「TODOCUクラウド」「スキマ便」3つのプロダクトを持っているということは、ベンチャー企業だと中々難易度の高い選択なんじゃないかという意見もあるかと思いますが、そのあたり何かご意見はありますか?
福富:難しいのは本当にその通りだなと思いつつ、だからこそ面白さもあると思います。3つ事業をやっているからこそ、その3つのシナジーをいかに作るかで全然また違った価値が生み出せるとは思っています。また、複雑なものが増えていけばいくほど、それをシンプルに解決するという面白さが出てくるので、そこは個人的に楽しいですね。
ー 例えば10年後には、トラックや軽バンで配達している構造自体が変わりドローンを使うなど、あらゆるものが繋がることで人々の生活自体が変わっていくと思いますが、そこに207がどう絡んでいきたいか技術観点で教えていただけますか?
福富:技術観点でいうと、やはりこれもデータが肝だと思っています。ロジスティクスに機械的なものが入り込むほど、そのエコシステム内に存在するコンポーネント間のやりとりは機械が解釈できる形で実現される必要が出てくるようになってきます。
今は人と人とのコミュニケーションは自然言語のやりとり、つまり口頭だったり文章だったりしますが、これがどんどんデジタル化されていく中で、207のシステムが物流システム内部のコミュニケーションをドローンやコンピューターが理解出来る形に翻訳できるようになったら、面白いと思います。
ー そのあたりの体験・データのやり取りの方法は、大きく変わっていくでしょうね。
福富:ロジスティクスに関わるコミュニケーションは「全てTODOCUが担ってますよ」という風になれたら、すごく面白いですよね。
ー 注文した荷物がどういう物流ルートを通り、誰がどこに届けるのか。複雑な物流業界の点と点が、線で繋がるデータをいち早く集めてドリブンすることで、生まれなかったトラクションがどんどん生まれていく…その中心にいるのが207というのは想像ができますね。
福富:それこそ、複雑な人同士がやっている物流業界の営みを一つのデータ構造としてシンプルにしていくという話でもあると思うので、やはりこの業界は面白いですよね。
ー おっしゃる通りですね。福富さんのコアの部分が覗けた気がしてすごく面白かったです。
話は変わりますが、207の3つのValuesをメンバーが発揮していると思う瞬間はありますか?
福富:日々思うのは、何時にSlackでメンションしてもすぐ返事が返ってくるというこの即レス文化はすごいと思いますね(笑)。よく「Speed with quality」の例として社内では即レスと言っていますが、そこはとても体現されてるなと思います。
ー 本当に皆さんそうですよね!
福富:皆仕事が好きなんでしょうね。
ー 最近のニュースを個人的なものでも、会社でもいいので何か一つ頂けますか?
福富:最近の大きいニュースでいうと、エンジニア3人でルームシェアをすることになりました。三軒茶屋の3階建てを丸々借りています(笑)。とても楽しみだなと思っていますね。
ー 本当に仲良いですね!
福富:そこに20畳くらいの共用スペースがあるのですが、そこは生産性マックスになるよな空間にしていきたいねという話で今盛り上がっています。大きなホワイトボードを買ったりプロジェクター設置したり、色々やりたいなと思っています。
ー すごいですね!日常生活がプロダクト・プロジェクトなんですね(笑)
福富:そうですね、本当に(笑)
ー このPodcastの「Be open」にちなんで、社員の人でも知らなそうな事を一つご紹介頂けますか?
福富:先ほどお話しした、ルームシェアの家を借りる初期費用を僕が一回まとめて支払ったのですが、そうしたら僕の口座の残高が6万円になってしまって一瞬ドキッとしました…(笑)。別口座も持っているので、僕の総資産が6万円というわけではないんですけど、ちょっとヒヤッとしたっていうことが最近ありましたね(笑)
ー それはビビりますね(笑)そのギリギリな感じもいいですね。
今後、どういう人と働きたいかについてご意見頂けますか?
福富:各ポジションで必要としているスキルを持っていることが前提ではありますが、一番は「この人と仕事をしていたら楽しいと思える人」ということを大事にしたいと思っています。だから、飲み会などでも「この人と仕事の話で盛り上がるのが一番楽しいね」という状態を続けていくことが全体のパフォーマンスにも繋がっていくと思っているので、そういった人と働けると嬉しいです。
ー 福富さんにとって一緒に働けて楽しいと思う人の特徴はありますか?
福富:ネガティブなことを言わないということは大事ですね。あとは、ダメな理由よりも先に「どうやったらこれ上手くいくんだろうね」という事を常に考えたり言い合ったり出来る人というのは、とても重要だと思っています。あとは俺がやってやるぜという気合いのある人ですね。
ー 大事ですね。そういう人はすぐ見抜けるものですか?
福富:いや、どうなんでしょう(笑)正直そこは結構課題だなと思っています。
ー 207は最初の3ヶ月程度、業務委託(お試し期間)を設けていますよね?
福富:そうですね。だからそこで担保しようかなというところはあります。やはり面接でそこまで全部理解できるかと言うと難しいところがあると思うので、実際に一緒に働くという体験はしたいなと思っています。
ー 最後に何か一言あればお願いします。
福富:エンジニアがすごく足りていないので「俺がやったるぜ!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお声かけ頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
ー ありがとうございました。
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