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アルバム全曲レビュー #2 U/NiziU Part1

りーすのアルバム全曲解説シリーズ。今回は昨年11月24日にリリースされたNiziUの1stアルバム『U』について前半6曲を個人的な感想を交えつつ1曲ずつ解説・考察していきます。書きたい内容が多すぎてかなりの分量になってしまいましたが、目次などを活用しつつ是非最後まで読んで頂けたら嬉しいです。

同じ明日を見て


Chopstick

一曲目を飾るのはこのアルバムのタイトル曲(リード曲)・Chopstick。MVは公開から約3か月経過した現時点で3400万回再生を突破している。Dance Performance Video(DPV)も公開から2か月で1000万回再生に迫る勢いだ。

全体的な曲の印象として、どの音楽ジャンルにも当てはまらないような不思議な曲調であることが挙げられる。実際NiziUメンバーも言葉では表しづらく、ジャンル分けしづらい曲であると発言している。またタイトルも直訳すると「お箸」となっており、ユニークだ。実はこの曲はNiziUのプロデューサーであるJ.Y.Park氏が、ピアノの練習曲として有名な『Chopsticks』をサンプリングして制作した楽曲であり、そのためタイトルも曲調もユニークなものになっている。


まず歌割りに注目すると、この曲は一人ひとりのパートの分量が平等であるというのが大きな特徴。最も多いニナやミイヒが20秒程、最も少ないアヤカでも10秒以上という、前代未聞の平等さとなっている。NiziUの曲の中で現時点で最も平等な歌割りであるといえる。これにはいくつかの理由が考えられるが、一番はアヤカとリオの分量が比較的多いことだろう。リオに至っては初めてサビを担当している。さすが餅ゴリ、確かにこの曲にリオの歌声は合っている気がする。しかも振り付けはヒップホップ的な要素が多く、その点でもリオのスタイルとマッチしている。

もう一つ歌割りに関して言いたいのが、NiziUの王道の流れに則っているということ。具体的には、今までのNiziUの曲で見られたようなBメロ→ミイヒ・ニナ、サビ→マコ・リク、ラップ→マユカ・リマという流れを忠実に守っている。リオマヤのサビなどサプライズ要素も入れつつ、基本的なところは変えずに安定感を優先したのが伺える。安定感のある歌割りも好きだが、ポッピンでのマユカのサビなどサプライズ要素も好きなので、今年はこの王道の流れをぶっ壊すような曲にも期待したい。


さらにこの曲を音楽理論的な面から深掘りしていく。基本的なコード進行は原曲の『Chopstick』と同じG7→Cとなっており、非常にシンプル。Bメロは少し違ってくるが、基本的なコードが2〜3個しかないというシンプルさは、Make you happyやTake a pictureにも見られたパターンである。ちなみにG7のコードに合わせて"ボーン"というかなり重低音のベースが入っている。

ハ長調で曲は進行するが、サビではハ長調のスケール外の音(音階にない音)がたくさん出てきており、メロディのユニークさの元になっている。具体的に言うと、本来登場しないはずの黒鍵の音であるG#やA#が登場する。実はこの複雑なメロディをしたサビも、原曲の『Chopsticks』から似たフレーズをサンプリングして作られている。


イントロでは聞き覚えのあるChopsticksのメロディが流れ、すぐにリマの歌い出しに移る。実はこの部分で面白いことが起きている。リズムの変更である。イントロの部分は原曲と同様3拍子になっているが、Aメロが始まった途端に4拍子に切り替わり、曲の終わりまで4拍子で進行する。ここで意図的にリズムをずらすことで、意外性のある楽曲に仕上がっている。ちなみにイントロでリズムの切り換わりが発生する曲として、JPOPではいきものがかりの『赤いかさ』が挙げられる。Chopstickと同様に3拍子から4拍子に変わっている。


この曲の最高音はミイヒとニナが担当するBメロに登場する、hiE(E5)。NiziUの曲の中では"まあまあ"高めになっている。ニナが地声でE5を出す曲は今までにたくさん存在したが、ミイヒがE5に挑戦するのはSuper Summer以来2回目。音楽番組で披露する曲では初めてだったが、涼しい顔でしっかり出すところは流石ミイヒである。

「(音程が)高くて息ができないので、息ができない中でも表情を頑張りたい」 −ミイヒ

We NiziU! TV 2 第1話


さらにこのChopstickはラップも素晴らしい。比較的長めで普段の倍ほどの長さであり、秒数でいえば最も長いラップパートとなっている。初めてMVを見た時、今回のラップ長めだなと感じた方が多いのではないだろうか。踊りながらだと尚更息が上がりそうだが、2人ともパフォーマンスではほとんど全て歌い切っている。しかも今回のラップは韻を踏んでいる箇所が多く、聴いているだけで気持ちがいい。


最後に歌詞について考察する。全体的なテーマは"箸のように片方が無ければ意味がなく、2つ合わさって初めて意味を持つ"というものであり、時計や携帯など色々なものに例えてこの内容が歌われている。普遍的なラブソングのようにも聞こえるが、もう一つ大きなテーマが隠されていることに気づく。"君が聴かない歌じゃダメでしょ" "君が観ないStageには意味がない" この部分などから分かるように、"NiziUにはWithUが必要"というのがもう一つのテーマである。"同じ明日を見て"も、NiziUとWithUで同じ未来に向かって進んでいく様子を表現しているのではないだろうか。


Take a picture

アルバムの2曲目には、そのアルバムで最も盛り上がる曲が入ることが多い。実際タイトル曲を2曲目に入れてくるパターンもよく見られる。そんなポジションにTake a pictureを入れてくるのは納得である。

昨年3月末にリリースされたこの曲は、NiziUの2ndシングルの表題曲の一つだ。MVは公開からおよそ9か月で8000万回再生を突破し、現在も1日3〜4万のペースで伸び続けている。コカ・コーラのCMソングとしてタイアップしており、このCMは昨年1月に解禁された。そのため今年もそろそろ新曲がチラッと公開されるのではないかと期待している。


曲調としては今のNiziUにぴったりな明るく力強い曲で、音程も全体的に高めになっている。地声最高音はニナのブリッジ部分のハイノート(D#5)。裏声まで含めればマコ、リク、ミイヒもBメロでD#5を出している。最高音に加えて、この曲では最低音にも注目だ。ミイヒのブリッジの"悲しい時そばにいるよ"の"に"がmid1F(F3)であり最低であるが、実はこの音は現時点でNiziUの曲に出てくる最も低い音となっている。普段高音パートを担当することが多いミイヒが最低音を出しているのは意外に思った方も多いのではないだろうか。


私は結構歌割りを気にしてしまうというか、興味があるタイプなので今回も歌割りについて解説していく(ほぼ全曲で触れます)。このTake a pictureも前述のChopstickと同様に、基本的にはNiziUの王道を行く歌割りとなっているが一部サプライズもある。1番はミイヒ・ニナのBメロ→マコ・リクのサビという組み合わせだった。この流れで2番のBメロでマコ・リクと来たので、初見ではミイヒとニナのサビが来るだろうと予想するのが自然である。しかし予想は裏切られ、まさかのマヤのサビが始まる。マヤの歌声が好きな自分としては嬉しい限りである。

1曲目のChopstickに続き、この曲でも歌い出しはリマのパート。「リマ歌い出し担当しがち」という事実はこのテクピクが公開されたあたりからWithUの間で話題になり始めたが、『U』がリリースされさらにその傾向は強くなった。2番のAメロではリオとアヤカが同時に歌う部分があり、常に一人ずつ歌い繋いでいくというKPOPの慣習に倣ったNiziUの曲では、結構珍しいパートである。


コード進行はおおむねA♭→B♭m→F#が繰り返されるが、この進行には少し異質な点がある。曲調が変イ長調(A♭)なのに対して、この音階に含まれない音(F#)を持つコードF#が登場するという点である。実際メロディをよく聴いてみると、A♭スケール外のF#が頻繁に出てくる変わったメロディとなっている(特にAメロ)。Chopstickにもスケール外の音が出てきたが、Take a pictureはコード自体にスケール外の音が含まれるようなイメージ。ベースは比較的控えめで、独立してメロディを奏でるというよりはしっかりコードの音をなぞっている。


さらによく聴いてみると、"Take a picture now"の部分でカメラのシャッター音が挿入されていることがわかる。このように日常の音を入れてくるのも面白い。日本のバンド・SEKAl NO OWARIも日常の音を取り入れる手法を多用することで知られており、踏切の音や心電図、水中で気泡が弾ける音など様々な音が過去の曲中に登場する。気になる人は是非調べてみてほしい。

ちなみにTake a pictureはEnglish ver.もUのリリースと同時に解禁されており、デビュー1周年記念日にMVも公開された。リマとニナのネイティブの発音が楽しめるのはもちろんだが、ラップでマユカの発音が良いことにも気付かされる。


FESTA

3曲目のFESTAもアルバムの序盤に相応しいアップテンポな曲。20周年を迎えたユニバーサルスタジオジャパンの新テーマ「NO LIMIT! タイム」のタイアップ曲となっており、"チケット" "Merry-go-round" "お土産"などテーマパークを意識した遊び心ある歌詞がたくさん登場する。

実はこの曲がリリースされる7か月以上前、USJ公式YoutubeチャンネルにてFESTAに合わせて踊る「NO LIMIT! ダンス」の振り付け動画が公開されており、サビの部分だけ聞くことができた。中毒性のある不思議なメロディに衝撃を受け、サビしか聴いていないにもかかわらず神曲だと確信した覚えがある。リリースが半年以上先になるとは考えもしなかったが…


曲全体を聴けるようになった今、改めてじっくり聴いてみるとメンバーの歌唱力の高さに驚く。特にミイヒとニナはBメロはもちろんだが、ブリッジでの高音も担当している。ニナの綺麗な裏声からのミイヒの力強い地声のハイノート(D5)の流れは圧巻である。Youtubeのコメント欄でニナのブリッジについて「ディズニープリンセスみたい」との書き込みを見たことがあるが、確かに綺麗な裏声の使い方はディズニーの声優さんにも匹敵するほどであると感じた。ただ高音が出るだけではないというのがニナの強みであり、NiziUの曲のクオリティの底上げにもなっている。


この曲の歌割りの特徴としてまず挙げられるのが、全体としてパートが細かく分かれているということ。冒頭の"Welcome to the …"だけでも3人が続けて担当し、その後もラップが入ってくるなど細かな掛け合いが続く。そしてなんと1番のサビに入る前に全員が登場するという異例の事態。歌詞が長めなのも要因の一つだが、サビ前に全員登場するのは現時点でおそらくFESTAのみである。この対極にありパート分けが粗めな曲として9 colorsが挙げられるが、後ほど解説する。

サビの歌割りも特殊なので解説したい。1番とラスサビはマコ→ミイヒ→ニナ→リク、2番はミイヒ→ニナ→リク→マコというふうにサビは進行する。メンツはいつも通りのボーカルラインであり何の違和感もないが、1番⇔2番での交換の仕方がかなり特殊になっている。何が言いたいかというと、普通はサビの前半と後半で交換する(この場合2番のサビはニナ→リク→マコ→ミイヒとなるはず)ところを、一人ずつずらすという方法でチェンジしている。この点でこの曲はかなり珍しい。かなり細かいマイナーな話になってしまったが、突き詰めていくと面白いので皆さんも是非歌割りに注目してほしい。


加えてFESTAを聴いて印象に残るのは、やはり中毒性のある不思議なメロディだろう。このメロディには仕掛けがあり、短調と長調(ここではGmとG)を行ったり来たりするようなコード進行となっている。短調は暗い(悲しい)曲によく用いられ、長調は明るい曲に出てくるスケールである。Aメロは一見明るいが暗めのコードが登場、Bメロで暗いコードのみが登場する短調に変更、サビでは再び明るい⇔暗いを行ったり来たりするメロディに変わる。こんな感じで長調と短調をごちゃ混ぜにすることで、不思議なメロディを作り出していると考えられる。


輝く方へ 手と手取って


Make you happy

4曲目に入るのが、言うまでもなくNiziUで最も有名なプレデビュー曲"Make you happy"である。MVの再生回数は、公開から約20か月経つ現在で285Mを記録する大ヒットとなっている。2020年の日本で最も流行した曲と言っても過言ではなく、この曲で紅白歌合戦の初出場も果たしている。そんなメキハピには音楽的にどんな特徴があるのだろうか。


この曲の歌割りは、たくさんの曲がリリースされた現在、結果的にイレギュラーになった点がいくつかある。リク、ミイヒ、ニナがサビを担当し他の6人のメンバーがAメロBメロを歌い継いでいくという構成になっているが、まずマコがサビに出てこないのが珍しい。調べてみると、NiziUの曲の中でマコが1回もサビに出てこないのはメキハピのみだった。これにはいくつかの理由が考えられるが、一つとしてステステでのマコのサビのインパクトを狙った(もしくは温存した)のではと個人的に感じている。

2番の終わりからラスサビまでの繋ぎ(ブリッジ)は全てラップで構成されているが、このラップをマコ、リオ、マユカ、リマの4人で担当している。"Sweet Bomb!"でのマヤとニナのラップのように、マコとリオのラップはこの曲でしか聴けず貴重なので、今後マユカとリマ以外のラップも取り入れた曲がリリースされることを期待したい。というかここまで来たら全員でラップするラップ尽くしの曲も聴いてみたい!

基本的なコード進行はG→C7の繰り返しであり、これもJ.Y.Park氏が作る曲らしくシンプルになっている。GとCのみが出てくるこのコード進行、どこかで見覚えはないだろうか。実は先程述べたChopstickのコード進行とそっくりだ(ChopstickはG7→Cなのに対しMake you happyはG→C7)。この2曲は調が違う(音階が違う)ので厳密なコードの意味は異なるが、偶然にも似た見た目をしている。

曲全体としておおむね上のコードが使用されているが、Bメロのみ別のコード進行となっている(よくあるパターン)。Bメロに登場するコードとして一つ注目したいのが、Cm。メキハピの場合このコードは音階の4つ目の音(C)を主音としたマイナーコードであり、サブドミナントマイナーと呼ばれる。サブドミナントマイナーは曲中で若干暗めのアクセントとして用いられることが多く、JPOPでは優里の"ドライフラワー"に出てきたり、ゆずが多用することで知られている。餅ゴリの曲では、TWICEの"What is Love?"や"The Best Thing I Ever Did"にも登場する。


さらにこの曲のメロディにも秘密が隠されている。曲全体を通して音階の4番めの音(C)と7番目の音(F#)がほとんど出てこない、「ヨナ抜き音階」という手法が用いられている。ヨナ抜き音階は日本の昔ながらの民謡や演歌で主流となっている音階であり、メキハピのメロディがどこか懐かしさを感じさせる要因はここにある。メキハピに限らず現代のJPOPにもたくさん応用されている手法であり、AKB48の"恋するフォーチュンクッキー"やWANIMAの"やってみよう"もこの音階を用いて作られている。


ちなみに昨年NiziUが初めてお客さんの前でパフォーマンスしたライブ・SUPERSONIC2021でのメキハピがクリスマスに公式Youtubeにて公開され、現在約140万回再生を記録している。1番のサビ前のマユカの「いくよ〜!」が印象的である。私は参戦できなかったのだが、今年こそはNiziUのライブに行って皆をこの目で直接見てみたい。


Wonder Dream

ここまで前半の盛り上がりが続く。5曲目のWonder Dreamは「たまごっちスマート」のCMソングであり、遊びに出かけたくなるような明るくハイテンションな曲となっている。"Eggs are shaking"などたまごっちにまつわる歌詞も出てくる。


この曲は見どころ(聴きどころ)が多いので曲の流れに沿って解説していく。
まずイントロに合わせてリマとマユカの低音ラップが入り、リクとミイヒのAメロに移る。サビまで温存されることの多いこの2人がAメロで出てくるのは珍しい。そして再びリマのラップを挟み、マコのパートへ。このマコのパートは速いテンポの中だんだんと音が高くなっていく上、音の数も多いので正確に歌うにはかなりの技術が必要だと感じる。実際マコ自身もこの部分は苦労したとWeb番組で発言している。

Bメロではマヤがラップ調の合いの手を挟みつつアヤカとリオが高めの歌声を披露し、リクにバトンタッチ。このBメロ最後のパートは1番と2番両方ともリクが担当しているが、なんと地声で高いミ(E5)まで出しており圧巻の歌唱力を見せつけられる。現時点でリクの地声最高音のパートとなっており、リクの歌声の特徴である「力強さ」がよく感じられる。


そしてサビの直前には「Ha〜」と言っているようなサウンドが挿入されている。このシャウトはマユカのパートなのか、それともリマのパートなのかという論争がWithUの間で巻き起こった。私も実際これはマユカの声だろうと思っていたが、音楽に精通するWithUのYoutuberの方が「サンプル音源なのではないか」とする動画を投稿。これが拡散し論争は一旦落ち着いた。数週間後、マユカとのヨントンで「あのパートはマユカではない」という言葉を本人から聞き出したWithUの方が現れ、サンプル音源説が濃厚となった。

サビの前半はいつものマコ→リク→ミイヒ→ニナの順で進行し、後半にマヤとニナが出てきて1番が終了。2番はAメロでマユカのサビが入ってくる点以外は1番とほぼ変わらない。ブリッジでマコとミイヒが出てくるが、少し落ち着いてしんみりした気持ちにさせるような曲調になっている。遊ぶ時間がもうすぐ終わってしまうという切なさをこの部分で表現しているのではないだろうか。


ここまで曲の流れに沿って解説してきて気付いた方も多いと思うが、この曲はパート分けが細かくなっており、1番のサビの前にニナ以外の8人が登場する。この点で前述のFESTAとよく似ている。

さらにFESTAと似ている点は曲調にも存在する。この曲はイ長調とイ短調を行ったり来たりするような複雑なメロディをしており、Bメロでは完全な短調になる。この特徴もFESTAと完全に一致している。イ長調とイ短調の間で複雑に転調する曲として、他にもITZYの"ICY"や"IT'z SUMMER"などが挙げられる。特にIT'z SUMMERはメロディ自体もWonder Dreamとよく似ているので是非聴いてみてほしい。


これらの転調は全て「基本となる音は変えずに、長調と短調のみを交換する」という手法の転調であるが、この転調を「同主調転調」という。同主調転調は数ある転調の手法のうちの一つで、個人的にさり気なく転調したい所やコロコロ転調させたい曲によく用いられているイメージがある。以下に私が思いつく同主調転調が出てくる曲を挙げておくので、是非どこで転調しているのか探しながら聴いてみてほしい。

  • WADADA -Kep1er

  • BRAVE -嵐

  • 虹の向こうへ -NiziU

  • Lemon -米津玄師

  • ELEVEN -IVE

  • 放課後ハイファイブ -Little Glee Monster

ちなみに同主調転調については以前もnoteで解説しているので、こちらも参考にして頂けると幸いである。



Twinkle Twinkle

6曲目に入るのが、WithU待望のNiziUのバラード曲・Twinkle Twinkle。ALFACE+のCMソングとしてタイアップしており、アルバムリリース前から少し聞くことができた。サビと思われる部分をマヤが担当していて曲の雰囲気にとても似合っており、私の中で『U』の最も楽しみな曲となった。リリース後実際に聴いてみても期待通りの神曲であり、即お気に入りになった。


歌割りでまず印象的なのは、やはりサビでマヤが出てくるという点だろう。なんと現時点でマヤが全てのサビに登場するのは、"虹の向こうへ"とこのTwinkle Twinkleの2曲のみとなっている。2番のサビのみ担当するというのがマヤあるあるだったが、今回は曲の雰囲気に声質が合っているということや、スキンケア好きのマヤのキャラクターがタイアップにマッチしているということで多めに採用されたのだろう。ちなみにこの曲でもリマがトップバッターを任されている。

もう一つ珍しい箇所を挙げるとすれば、マコのハイノートである。Take a pictureが良い例であるが、今までNiziUの曲でラスサビが始まるタイミングの高音(ハイノート)はニナが担当することが多かった。この曲では"Yeah we're gonna shine"の部分でマコの高音(C#5)を聴くことができる。しかしニナも負けずにラスサビ中のアドリブを担当し、地声で高いミ(E5)を出している。


この曲のコード進行はA→B→G#m→C#mがひたすら繰り返されるというシンプルなものとなっている。このような4→5→3→6の進行は「王道進行」と呼ばれ、JPOPで頻繁に見られるコード進行である。KPOPではあまり見たことがなく、比較的JPOP色の強いコード進行なのではないかと感じる。王道進行が用いられている曲として、スピッツの"ロビンソン"やYOASOBIの"夜に駆ける"などが挙げられる。




『U』の前半6曲について解説・考察してきましたが、どうだったでしょうか。想定よりも長くなってしまったのと、文章やレイアウトのセンスがないので読みにくかったら申し訳ありません💦

後半も同じくらい長くなると思いますが、Poppin' Shakin'から盛りだくさんの内容でお届けするので、是非読んで頂けたら嬉しいです!

※ニジらぶさん(Twitter:@NiziU88646314)が内容の一部を添削してくださいました。この場を借りて感謝申し上げます。

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