【薬の副作用】悪性症候群 まとめ
はじめに
娘が悪性症候群になった時の経験談とその時に知った事をまとめているだけなので、詳細を知りたい方は厚生労働省のホームページを調べるか、飲んでいる薬名をネットで検索してみてください。
(下の方に悪性症候群を調べたサイトのリンクあります)
精神科を受診している方は主治医に副作用のことを相談してください。
(基本的に診察時間は5分しかないのでメモをしていった方がいいです)
自己判断で薬を増減しないようにしてください。離脱症状が出てしまうことがあります。
【悪性症候群とは】
抗精神薬の服用に伴って発症する生命を脅かす可能性がある重篤な副作用。
主に原因薬物の投与・減薬・中止などで1週間以内に発症する。
近年は副作用が出にくい薬の開発により、発症率はかなり低くなっている。
【悪性症候群の主な症状】
「風邪などが原因ではない高熱(37度5分以上)」
「筋肉がこわばる」
「CK値の上昇(血液検査)」
※この3項目を満たすと確定診断される
「頻脈」「血圧の異常」「発汗過多」「意識がもうろうとする」
「頻呼吸」「白血球増加(血液検査)」
※6項目のうち1つと上記3項目のうち2つを満たすと確定診断
その他の症状(一部)
「アカシジア(じっとしていられないなど)」
「嚥下障害」「よだれがとまらなくなる」
「眼球上転(眼球が勝手に上にいき白目になる)」
「振戦(手足のふるえ)」「尿失禁」「歩行困難」
「意思とは関係なく身体が動く(口が勝手に開く)」など
【発症を促進する危険因子】
栄養不足(嚥下障害で食事がとれなくなる)
睡眠不足(アカシジアの症状で眠れなくなる)
脱水症状(高熱・発汗過多で引き起こす)
精神科の薬以外にも強い薬を飲んでいる
【主な治療法】
・原因薬物の中止
・筋弛緩剤投与(静脈投与・カプセル薬)
・身体を冷やす
・脱水症状の改善(点滴)
※症状によってはICUでの治療となる
【悪性症候群に似ている薬の副作用】
悪性症候群に似た症状にセロトニン症候群・悪性高熱症がある。
悪性高熱症は手術前の麻酔で発症するので外来で診察することはない。
悪性候群はCK値や白血球などの数値が異常になるが、セロトニン症候群はあまりない。
発症時期は悪性症候群は一週間以内。セロトニン症候群は24時間以内と異なる
原因薬物が違う。(お薬手帳があれば必ず医師に見せる)
【その他】
発症率が低いため、悪性症候群を診察したことがある医師が少なく、精神科以外の医師では悪性症候群かセロトニン症候群かを判断するのは難しい。誤診を防ぐためにも、お薬手帳があるなら必ず持参し、症状なども医師にしっかり伝えることが必要。
娘の診断の決め手になったのは筋肉硬直とアカシジアとCK値。
診断は精神科病院でされたが、筋肉硬直や意識混濁など重篤な副作用が出た時は精神科以外の病院でもいいとの事。娘が助かったのは発症してすぐに救急搬送され点滴をおこなったため。
悪性症候群の特効薬は一般の薬局での取り扱いはほとんどされていない。(うちの近所の薬局ではなぜか取り扱っていた)処方箋をもらったらまず行きつけの薬局に確認して、もしなければ取り寄せてもらう。
大きな病院は手術前の麻酔で発症する悪性高熱症にそなえて、特効薬(悪性症候群と同じ薬)を常備しているところが多いらしい。
あとがき
ダントロレンを飲んでからすぐに筋肉の硬直がおさまり、薬を2種類中止したことでアカシジアや眼球上転などの副作用も出なくなりました。
娘がつらかったのがアカシジアと筋肉硬直だったそうです。アカシジアの症状はつらすぎて自死を考える人も多くいると後で知りました。
悪性症候群は薬の中止でも発症するのと薬の離脱症状も怖かったので、一週間ほど慎重に様子をみていました。何も起こらなくてほっとしています。
体重がかなり落ちてしまったため、今は体重を戻すことに専念しています。
嚥下障害がなくなったので今は普通に食事がとれていますが、元の体重に戻すのにかなり時間はかかりそうです。
大量に薬を服用していた頃は頓服薬を飲んでも効かなかったのですが、減薬したらまた効くようになりました。
睡眠薬で中途覚醒なくぐっすり眠れるようになったからか、周囲の人にものすごく顔色がよくなったと言われるようになりました。
今のところ再発することもなく娘は元気に過ごしています。
参考にしたサイト
厚生労働省 悪性症候群マニュアル
アカシジアについて(wiki)
悪性症候群とセロトニン症候群の違い(可知記念病院)