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ユースセンター開設前の想い

「たねとしずくライブラリ―」の計画段階(2022年秋)に、助成金申請のために書いた文章を載せておこうと思います。その頃の気持ちを忘れたくないですし、みなさんにも知っていただければと思います。

「10代を対象としたユースセンター事業」に取り組む動機や思いについて」
こども達、特に10代のこども達はどこにいるのだろうと思うことがあります。学校の行きかえりに、制服姿のこども達を見かけることぐらいです。どこで息をして、どこで言葉を発して、どこで笑っているのでしょうか。私はこども達の姿を見たいと思うのです。でも、こども達にとっては「居たい場所」「行きたい場所」がないのかもしれません。

もし今、ここにこども達を連れてきて「さー、好きなように自分の居場所を作っていいよ。お金はいくらでもある」と言ったら「やったー」と喜ぶ子はどれだけいるでしょうか。おそらくほとんどの子が困るのではないだろうかと想像します。こども達自身も自分のニーズに気付いていないかもしれません。それに居場所が不足しているだけではなく、自分の思いを言葉にする時間や機会も不足していると思うのです。「学校」や「家」という居場所だけでは、自分の一部しか表現できない。別の自分を出せる機会を持てる子は少ないのではないかと思うのです。

今、こども達の多くが自分に必要な場所を見つけたり、作ることはできないでしょう。そして、現状に不安や不満を抱えている子は多い。不登校の子や親子関係が難しい子であったり、学校には行っているけれど苦しさを感じていたり。これまで子育て支援やひとり親支援をしてきた中で、そのようなこども達にたくさん出会ってきました。

私は、彼女ら・彼らが自分のニーズに気付けるような、それを一緒に考えられる人達がいる居場所が欲しいと思ってきました。しかし、待っていても誰も作ってくれないことがわかりました。

今、私にはこども達の居場所を作りたいと思う仲間がいます。時機が来たと感じています。自分達がこども達の居場所を作ればいいのだと思っています。そして、この私たちの動きがほかの人にも波及するだろうと希望を持っています。こども達・若者の姿を見られる街を作るために、あちこち居場所がうまれ、ユースセンターを作る火付け役になりたいと思っています。

ここまでが当時の文章です。

その後、助成金も取得でき、寄付金が集まり、西宮市六湛寺町に1軒家を借りて、0歳~10代が集えるフリースペース「たねとしずくライブラリ―」を立ち上げることができました。

誰もやらないなら自分でやる。そのときの気持ちは変わりなく、今も強く思っています。しかし、そのときと違うことは、今では多くの方がこども達の居場所を維持したいと思ってさまざまな形でご協力くださっていることです。本当にありがたいことです。

次は、この文章を書いた翌年に書いた申請書を載せようと思います。(すずめ)

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