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ユースセンターオープン4か月後の想い

前回に引き続き、助成金申請書に記載した私の想いを残しておこうと思います。この文章は2023年11月に書いたものです。

「10代を対象としたユースセンター事業」に取り組む動機

「たねとしずくライブラリ―」が開館して4か月が経つが、この場所を一言で表すことができない。「図書館」でも、「不登校の子の居場所」でもないし、「食事つき自習室」でもない。では、ここを「ユースセンター」と呼んでいいのだろうか。当館には10代の多様なこども達が多様な理由で集まっている。ある子は親に促され、ある子は学校で「10代応援食堂」のチラシを見てやってくる。きっかけはみんな違うのだけれど、次第にどの子もここでの過ごし方を見つけていく。

スタッフと一緒に掃除や料理をする子もいれば、いつもカードゲームの相手を探している子や大学生スタッフに話し相手を求める子もいる。どの子も少し「暇」を持て余している。私はその状況を見てほっとする。こども達は忙しすぎる日々の中で自分のやりたいことに気づけずにいる。ここでは、こども達は、自由な暇な時間を過ごせるようになる。

最近、ある子が言った。「ここに来ても暇やぁ」と。私は「そろそろかなあ」と思う。この子は何かをやりたくてうずうずしている。教科学習かもしれないし、探究学習かもしれない。そもそも別の場所に行く準備ができたのかもしれない。とても難しいのだけれど、スタッフや学生スタッフがこども達の「暇」をうまく言語化する手伝いと次のステップへの後押しができれば
と思っている。そのためにスタッフ間のミーティングを行って、その子の最適な過ごし方やこちらの働きかけを考えている。答えがあるわけではない。模索の日々だ。

それでも少しずつ変化が見えてきた子達もいる。勉強に遅れが出ていた子がほかの子達と一緒に勉強を始めた。「こどもマルシェ」にホットドック屋を出店したメンバー達もいる。読書をしたことがないという子が本のイベントに参加するようになったりと、あげればきりがない。

スタッフの関わりとこども達同士が影響し合って、新しい時間が生み出される。こども達への関わり=「ユースワーク」次第でこの場所がいかようにもなる。こども達が暇な自由を過ごすだけではなく、忙しい自由を楽しめる場所にもしていきたい。その手法を学びながらアイデアを出し合える「ユースワーカー」を増やし、その質を高めていきたいと思う。

さて、最初の問いに話を戻そうと思う。私たちの場所は「ユースセンター」なのだろうか。まだ明確には答えられない。しかし、できるだけ早くそれに近づきたいと思う。こども達が大人になる過程で仲間と出会い、笑いと学びと社会への発信とができる場所にしていきたい。

私は、こども達の力を知っているし、その力に突き動かされている。毎日が楽しくて幸せを感じている。これからさらに多くの仲間に出会い一緒に挑戦できることも増える。想像するともっとワクワクする。このワクワクが社会に伝播すれば、社会は元気になるし、こども達は元気になる。私はそのための一助になりたいと思っている。

ここまでが当時の文章です。
助成金申請書なので、やや肩に力が入って読んでいて恥ずかしくなります。それでも、思いは変わりません。普段は口にはしないけれど、今もそのようなことを考えています。

ライブラリ―が開館して1年2か月が過ぎました。見えてきたこともあります。次にやりたいこともあります。そんなことを、このnoteに綴っていきたいと思います。また読みに来てください。(すずめ)

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