3年生「 Let’sTry1 Unit7 」オリジナルセーターをデザインしよう!
素語録■SUGOROKU
12月も半ば。個人面談、成績処理...本当に先生たちは忙しい。12月は師走、教師が走りまわる程忙しさに追われる月、なんて必ず誰かが口にする季節。
退職して、SNSとやらに挑戦し始め、いろいろな方の投稿を見るのが楽しくなってきました。お料理、家事、ファッション、自然や動物のこと、この時代、見知らぬ国の、見知らぬ人と簡単につながることができるようになったのだと、今更ながら感心しています。最近では、今どきの映える写真の撮り方を、娘は手厳しく、息子のお嫁さんはさり気なく、教えてくれます。
時折スマホで他の方の投稿を覗いているのですが、沁みついた職業病でしょうか、学校に関係のあるものに目が留まりがち。ここのところ、不登校のお子さんをもつお母さんの投稿を追いかけています。読む度に心が痛くなります。
■学校は、とにかく学校に来れる時間を増やしていきましょう、と言うけれど、その言葉で我が子の足は動かなくなるのです。
◇私も言っていました…。教室に行かなくたっていいんだよ、学校には居場所がたくさんあるんだからねって…。
■ゆるい学校,許す学校ってないのかなって思っちゃうんです。我が子は学校に行く価値を見出せないのです。
◇その子と学校との距離を、学校が学校の物差しで決めちゃう…あるあるだなぁ…。
こんな風に、自分がよかれと思ってしてきたことが、本当に不登校傾向のお子さんたちや親御さん方を苦しめていたのかも…って今更ながら猛省しています。もちろん、学校が一生懸命考え、本当に親身になって居場所づくりを整えて、そこで充電して教室に戻れるようになったお子さんもたくさんいました。最後の2~3年は、専科としてそのようなお子さんたちと関わらせていただきましたが、うまく理解してもらえていたと勝手に思っていたケースについても、もしかしたらその子は本当は苦しかったのかもしれない…。
これからの先生方は、その見極めや個に応じた対応を繊細かつ的確に、しかもスピーディにしていかなければならないのですから、本当に大変です。相手の困り感に共感するための物差しを共有することは、年齢や性別というより、先生一人一人の感性が決め手。だからこそ、先生という仕事は、学校以外の場所で・いろいろな体験を・違う畑で活躍している人と・かかわりながらたくさん積み重ねて、その感性を磨いていくことが遠回りのようで大切なステップなのだと思います。
あと少しで冬休み。心より...ご自愛ください。
1 What do you want?~何がいい?
このUnitでは、様々な形を表す言い方や、何が欲しいかを尋ねたり答えたりする言い方に慣れ親しんでいきます。
shapeについては、白黒 → カラー → 複数 とフラッシュカードをステップアップさせながら、繰り返し練習しました。意図的に形で何かを表現できることに気付かせる仕掛けも入れてみました。
ただ形を言うだけでも結構楽しそうでしたが、「One ・ Two ・Attack!shapeバージョン」を紹介します。仕上げにぴったりのactivityです。
【One ・ Two ・Attack!shapeバージョンの進め方】
❶2チームに分かれる。
❷代表が一人前に出て、白黒バージョンのフラッシュカードを1枚選ぶ。この時相手に見えないようにお腹で隠す。
❸背中と背中をくっつけて立つ。
❹全員で「One ・ Two ・Attack!」と言う。代表は、それに合わせて2歩前に進み、Attack!と同時に振り返りながら相手にカードを見せる。
❺相手が持っている形を英語で叫ぶ。
❻先に言ったチームに1ポイント。
❼次の代表が前に出て、繰り返す。
とても盛り上がりますが、全員に強要するのはNGです。やりたい子がいなくなったチームは、2回目でもOKにするといいですよ。大切なのは、勝ち負けでなく、毎回、どちらのカードも全員に言わせること。習熟してきてからやることをおすすめします。
2 誰に、伝えようか?
このUnitは、既習事項を実践に変えていくために、子供たちが教室から飛び出すのにぴったりの内容です。
This is for you.
子供たちが誰かのために心を込めて準備したプレゼントに、今までの感謝の言葉を添えて贈る活動、として取り組みました。
(1)一番悩んだのは、「誰に?」
初めの年は、仲良しの友達へ、で取り組みました。
◎友達同士、仲良く、楽しく活動することができました。
▲結果として、たくさんもらえる子と一枚ももらえない子ができてしまい、ちょっと寂しそうな表情が...で再考案。
次の年は、担任の先生へ、にしました。
◎大好きな先生のために一生懸命取り組む姿が見られました。
▲好きな色・形がテーマだったので、ほとんど同じものになってしまい、発表する時のドキドキ感がいまいち...で再々考案。
そして辿り着いた結論は、お世話になった先生。
ちなみに「家族」は4年生のウィンターリースづくりで使いたかったので取っておきました。担任の先生、元担任の先生(インタビューすることがメインの活動のため、在職する先生に限りました)、専科の先生、管理職の先生、養護の先生、事務室の方、給食室の方、ALT、図書館司書の先生...などなど、学校にはお世話になっている方がたくさんいますので、
◎子供が自分で相手を選べる楽しさがあります。
◎その方がどのような好みなのかを知る良い機会にもなります。
◎多くの方に外国語活動の内容を知っていただける機会にもなります。
つまり、活動の幅の広がりが期待できる相手なのです。
(2)「何を?」も一工夫
教科書では、グリーティングカードを贈る活動が紹介されていますが、ただのカードじゃつまらないなぁと感じ、色と形を使って何をしたら相手が喜んでくれるか真剣に考えました。「!」こんな時、天使が下りてくるものです。
オリジナルセーターのデザイン!
◎相手が使ってほしい色や形をインタビューする楽しさ
◎相手が気に入ってくれるデザインを考える楽しさ
◎相手に喜んでもらえる楽しさ
これはBINGO!大当たりでした。
(3)相手が使ってほしい色や形をインタビューしてこよう!
さっそく、相手を決めてインタビュー。
インタビューの仕方をたくさん練習して、本番は「期限日までの課題」にしました。前もって職員打ち合わせの際、「こんな活動をしますので、子供たちがインタビューに来たらご協力ください」とお願いをしておきました。
「期限日までの課題」にしたのは、絶対に一人でのインタビューは難しいであろうという子供が必ずいるため。友達と一緒でもよし、希望があれば私が一緒についていく、または、贈る相手を私にしてもらい(やや意図から外れるが子供がよければOK)指導しながらinterviewさせる、担任の先生にお願いして指導してもらう、など、個々への対応がしやすいため。「次の時間までにやってらっしゃい」…「なんでやってこれなかったの?」という状況は外国語嫌いを生み出すことに他ならないと経験から学びました。
ここからはお楽しみタイム!子供にとっても私にとっても、年間数時間はのんびり、ゆったり過ごす時間は必要です。インタビューしてきたことを基に、いろいろデザイン開始。簡単なルールを決めました。
【ルール】
❶ まずは、セーターの色塗りから
❷ 同じ形は3つまで
❸ 原則、相手が好きな色だけ
❹ 使わない形はリサイクルBOXに寄付
❺ 足りない形はリサイクルBOXからもらう
❻ 相手が嬉しくなるメッセージを今までの人生の中で一番ていねいな字で書くこと(これが大切)
この活動が一番楽しそうでしたが、2時間が精いっぱい。終わらなかった子は、休み時間に来て仕上げてもらいました。
(4)全員が仕上がるのを待って、プレゼントタイム
まず、出来上がったセーター紹介。この先生の好きな色は?形は?と小グループで当てっこタイム、からの発表も面白いです。
This is for you. Here you are.
このフレーズを猛特訓して、いざ、愛しの皆さんのもとへ!
同じ3色、同じ形でも一人一人の個性で別のデザインになるのがすごい!
時間があればしばらく掲示するのもいいかもしれません。この作品作りは、自分で描くのではなく、相手のニーズが根拠だったり、塗って、切って、貼って、というシンプルな作業なので、比較的どの子も苦手意識をもたずに楽しく取り組めるのですごくおススメ。今どきのタブレットを使っての作業もいいけど、プレゼント性が高いものなので、敢えて手作りにしました。皆さんに喜んでいただけたと思います。今更ですが、その節はご協力ありがとうございました。
ちなみに、速く終わった子への副教材として、オリジナルMy Bagも資料につけておきました。
この記事を書き始めたのが1ヶ月以上前。だいたい、このUnitは12月にやっていたものだし…今更感半端ない…、悩みに悩んだ挙句、せっかくだからと投稿することにしました。…というわけであまり役に立たないかもしれませんが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
【本Unitの資料】