4年生Let's Try!2 Unit6 「オリジナルWordを作っちゃおう!!」
今回のご紹介は、3年生Let'sTry!1でご紹介した発展版となります。
「知ってるつもりになっているのALPHABET(実は初めて出合う子供も多いALPHABET)だからこそ、実は丁寧に学習することが大切です」と紹介しました。私のささやかな投稿の中では、ずいぶんたくさんの方が読んでくださった記事でもあります。結構、どうやろうかなって思案されている先生方が多いUnitなのかなと考察しました。
そして、4年生になるとAlphabetの小文字が登場します。
「もう分かってるでしょ」というスタンスで授業を始めてしまうと、(またALPHABET…しかも今度は違う形の文字...もう無理!)と英語アレルギーを生み出す可能性が高い?!結構難しいUnitであることを十分考慮した上で考えた教材です。
このUnitでは、「身の回りにはたくさんのAlphabet表記のものがあることに気付く」こと、「Alphabetの小文字とその読み方に慣れ親しむ」こと、「Alphabetの小文字についてのクイズやゲームを通して、相手に配慮しながら伝え合う力をつける」ことをめざしていきます。
Alphabetについて、相手に配慮しながら伝え合う???
はて???
これまた、必然性を感じにくいsituation😞。。。
実際にAlphabetが子供たちの生活の中で必要な場面は、
❶順序(順番)で使うとき
EX) 体育のチームを便宜上、Aチーム、Bチーム・・・と呼ぶ時。経験上、
AからGくらいまでは、なんとなく文字と順番が識別できている??
❷血液型?!ABOだけですね💦
❸Alphabetで書かれた外国語の単語の意味を知る時
❶、❷と比べると❸は圧倒的に難易度が高くなるのが分かります。記号のように認識していたAlphabeが、いろいろな組み合わせで意味を成していくわけですから。
日本語で「傘」は、ひらがなで「かさ」と書けばいいことですし、傘という単語の意味も知っている。ところが、英語で「傘」は、「アンブレラ」ということは音では知っている子はいますが、umbrellaと表記されることをほとんどの子が知らない。そもそも、u,m,b,r…って何?どう読むの?となるわけですから、子供にとっては一大事なわけです。
Alphabetの習得は、4年生の、このUnitだけで完結することではなく、逆に言うと、このUnitから今後の英語の学習が始まるといっても過言ではないと思っています。だからこそ、スモールステップで、量を抑えて、安心して、楽しく学習できるようにすることで、「英語ってこうやって言葉を表すのね」って、興味をもつことができたら大成功!
ということで、今回は、フォニックスを取り入れながら、AlphabetでオリジナルWordを作っちゃおう!という設定で進めていこうと思います。Alphabetでできている単語へのハードルを下げるのが目的です。
1 大文字と小文字をマッチング!
(1)黒板にいくつかのイラストを掲示
(2)先生が持っているカードはなぁんだ?
T: Please try to guess what this is.
★Hint1 3letters
★Hint2 The first letter is "E".
★Hint3 I have two "G"s.
(3)黒板のカードの中から答え探し
T: What’s this?
C: EGG!
T: Correct answer! That's amazing!
(4)EGGカードを裏返すと…
T: This is also an egg.
C: 小文字だ!(必ず叫ぶ子がいる?!)
(5)小文字との出合い
ここで、3年生の時に学習したALPHABETには、それぞれ家族(大人と子供、みたいに分かり易い覚えさせ方がおススメ)がいることを理解させる。
(1)のクイズの答え「EGG」を一文字ずつマッチングさせる。
T: Do you know "e"?
C: esports!
T: Good! Electronic Sports.
T: Do you know "g"?
C: グラムのgだ!
などなど、身の回りにある小文字にリンクさせることで興味をもたせると、他には?という意欲につながります。
この導入では、3文字から6文字でできている言葉を2個ずつ準備しておきます。できれば、初めはよく知るAlphabetで表記される言葉からスタートすると安心して取り組めます。フォントによって形が違うものがあるので、導入ではUD デジタル 教科書体がおススメ。
(6)慣れてきたところで、aからzまで提示(教科書)
この辺りでAmazonのロゴの矢印の意味を話すと、へぇ~ってなります。
♪ABC Songに合わせて、指で一つずつ確認していきます。
1時間目は、大文字の復習にたっぷり時間をかけたい(これが結構大切)ので、小文字については、この辺りで終了。ALPHABETには小文字があるってことが分かればOKです。
2 形と名前と音をマッチング!
(1)♪abcソングを歌いながら覚えよう!
まずは、子供たちがよく知るバージョンで形の名前から確認。
ここで、もう一つの♪abcソング『サウンドsong』の登場!
いろいろ説明する前に、とにかく何度も歌って、なんとなく歌える気にさせて・・・からの種明かし。
Alphabetの読み方には、「形の名前の言い方と音の言い方」があります」。
子供にとってのAlphabetは、形の名前そのものです。
実は、もう一つの言い方がある???
また覚えさせられる???
これだけで…十分やる気は引いていきます。だからこそ、「呪文唱えごっこ」感覚で、まず口に覚えさせちゃうのがいいかなって思います。
今回フォニックスの内容を取り入れる際に、『書いて覚える楽しいフォニックス』(MAGAZINE LAND/著:齋藤留美子・斎藤了)を参考にさせていただきました。英単語にルビを振ってはいけない、カタカナ英語になってしまう、という英語教育に携わる方の定説を認識しつつも、ご自身の教育実践の中で、子供たちが視覚的に確認しながら自信と力をつけていく姿を見て、効果的だと判断されたとのこと、私などの素人目線でも大賛成です。ルビがあることが、英語を口にするときの「勇気の原動力」になると思うからです。「勇気」、結構大切だと思いませんか?
(2)Alphabet争奪?! 大会
このゲームは単純なルールで盛り上がります。学級の雰囲気によって、多少ルールは考慮した方がよいかと思われますが、先生の声掛けを十分配慮すれば、うまくいくかも。
【ゲームと進め方】
❶作りたい言葉を決める
私が取り組んだ時期は、ちょうど、運動会シーズンでした。
ちょっと横道に逸れますが…
昨今、運動会に対する子供たちの思いは複雑です。運動会そのものが憂鬱…出たくない、行きたくない、走る姿を見られたくない…などなど、いろいろな配慮を必要とするお子さんが多い時期でした。担任をしていた時には、とにかく成功させるために突っ走っていて、そのような子供の声に耳を貸さない?というよりは気づかない?当然子供たちはみんな同じように思っていると信じ切っていました。専科になり、練習に入っていけない子供たちと時間を過ごすことが多くなり、「運動会がいや」な心の内を知るようになり、学校全体でこれからの運動会をどう運営していくのかを真剣に話し合わなければいけない時期に差し掛かっていることを痛感しました。教員は、運動が得意な方が多く、花形を飾ってきた経験が多いことから、学校全体が結構イケイケな雰囲気でこの時期包まれます。私自身、運動はだめだめですが、クラス対抗の団体競技には、かなりの熱量をもって取り組んでおりました💦。学級経営に利用しない手はないかと。上手くいったと自負しておりましたが、果たして…猛省すること、しきりです。今までこうだったから、これからもこう、という発想ではなく、これからの運動会を、どの子も楽しく参加できるためには、という柔らかい頭で話し合うことが今後の先生方には必要なのかな(ちょっと上から目線な言い方ですみません)。
ということで、今回のお題は「楽しんだもの勝ち」。この言葉、運動会の話題が出た時に、ある男の子が、当たり前のことでしょ、的にさらっと呟いたのをキャッチ。「素敵!!」と超絶賛し、採用させてもらうことになりました。
❷クラスを2チームに分ける
各チームの代表が一人前に出ます。この時、順番に全員が参加、でもいいし、難しい雰囲気の時は、希望者でもOK。
❸ジャンケンタイム
全員で、「rock‼ scissors!! paper!! 1・2・3!」の掛け声で代表者がジャンケンをします。
勝者はAlphabetを一つ選び、そのAlphabetはチームがゲットできます。
❹勝ったチームがゲットした文字を使った言葉づくり
忙しい時期でしたので、黒板に大きく書いて、終わり次第消してしまっていいくらいの、お楽しみゲームです。
勝者は、チームAですので、「s・e・b・y・r」の5文字の順番を考えて言葉を作っていきます。
その際、一つずつの音の言い方を確認します。
「ス」「エ」「ブ」「ユ」「ゥル」
どんな順番でもいいのですが、子供たちにあれこれ考えさせていくうちに、言いやすくて覚えやすいものがなんとなくまとまってくるものです。「baby」の時は「ビィ」、「paper」の時は「ア~」という音になることを既存の単語からちょっと教えてあげたりすると、すぐに取り入れて新語を作っていきます。フォニックスを真剣に教え込もうとするのは、ちょっと時期尚早かと判断しましたので、出てきた文字の中で分かり易いものだけ取り上げました。
出来上がった言葉(例)は「serby」。「ス・ア~・ビィ」→「スァ~ビィ」。「楽しんだもん勝ち」という言葉をALPHABETのオリジナルWordで表すことができちゃいました!これには、大興奮でした。しかも、クラスごとに当然違う言葉になるので、給食準備中の廊下で、「俺たちのクラスは◯◯だぜ」「うちは◎◎だよ」なんて会話が聞こえてきた時は、なんだかこちらまでほっこり。その時の担任の先生のお一人が、そのことを学級通信に載せてくださり、運動会が終わるまで黒板に大切に残してくださっていたのが、めちゃくちゃ嬉しかったです😊。
3 その後は習熟タイム
なんとなく、Alphabetの小文字が身近に感じられるようになったら、とにかく順番通りにカードを並べる特訓をしました。
専科でしたので、裏表がぴったり重なるように人数+α分を印刷して、ラミネートをし、カットして、チャック付きミニジッパーに入れて、使い回しができるようにしておきました。教員支援サポーターの方が、快く、丁寧にお手伝いしてくださいました。本当にありがたいサポートでした。(その節はありがとうございました)
この裏表は、文字自体が分からない時とか、b?q?とか、d?p?とか判別に悩んだ時とかに、ちらっと裏を見ると即座に答えを出してくれるので、自主学習にぴったりの手立てです。音楽に合わせて、掛け算九九のように、上から、下から、途中からと、習熟に合わせて取り組ませました。しばらくは、喜んで練習していましたね😊。実は、このALPHABETカード並べは、5年生や6年生にも時々やらせていました。繰り返し、忘れたころになってやらせることが効果的。
いよいよ2学期が始まります。暑い9月の運動会、という学校も多いのではないでしょうか。くれぐれも、先生方もご自愛ください。そして、「楽しんだもの勝ち」とみんなが笑顔で取り組める素敵な運動会にしてください。
【今回紹介した教材】
❶Alphabet両面カード
❷abcソング♪歌詞カード
❸マッチングゲーム(大文字)
❹マッチングゲーム(小文字)
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