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【花祭】~私が世界一愛する祭りを紹介してみた~
最近「何で民俗芸能オタクになったの!?」と聞かれることが増えたので、私の全てがつまった「花祭」について紹介したいと思います!
「花祭」は愛知県奥三河地方(東栄町・設楽町・豊根村)に700年以上前から伝わる伝統民俗芸能で、日本で初めて国指定重要無形文化財に登録されました。
仏教・神道・修験道が混ざり合った独特な山岳信仰に基づいているため、歴史的にもとても興味深く、民俗学者や文化人類学者に知らない人はいないようなお祭りです。
開催時期は地区ごとに異なりますが、11月~2月で、別名「霜月神楽」と呼ばれています。
草木の生命力がなくなった冬、人々が湯釜(祭り会場の中央に置いてある神聖な湯が入っている釜)を囲うことで、新たな一年の平安と五穀豊穣を祈ります。
祭りの準備は一年を通して行われます。
神様の目印となるように作られる様々な飾りや、舞い手が履くわらじ、神様へのお供え物、湯釜等、約5名の宮人(世襲制で、祭りの際に太鼓を叩ける偉い人たち)で毎年全て作り直します。
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祭りの練習は2週間ほど前から始まり、公民館に小さな子供たちから大人までが集い、ビシバシ指導されます。
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舞の種類は本当にたくさんあり、3歳~小学校低学年までの小さな子たちが20分ほど舞う「花笠の舞」「舞いあげ」や、小学校高学年~中学生が1時間ほど舞う「三ツ舞」、中学生の認められた男子のみが舞える超花形の「湯囃」、高校生以上~青年が舞う「市ノ舞」「地堅め」「四ツ舞」などなど…まだまだたくさんあります!!!
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高校生以上がつとめる舞は、「青年が村人に一人前であることを認めてもらうための修行」という一面を備えているので、正直異次元にしんどいです。
例えるならば、2時間スクワットし続けるみたいな…
私は毎年「花祭」のために2か月前から筋トレをするようにしていますが、初日の練習後は全身筋肉痛で朝布団から自力で起き上がることができないレベルにやられます。
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祭り当日には人口200人弱の集落に、計2000人以上の人たちが集まります。
雪が降っているのは当たり前で、道路もカチコチなのに、会場は熱気に包まれていて、汗が出るほどです。
祭りのクライマックスには「山見鬼」「榊鬼」「茂吉鬼」という鬼たちが登場します。
中でも「榊鬼」の舞は成功すれば村落が一年平和になり、間違えたら災いが起こるといわれており、村中の人たちが見に来る超大役です。
鬼が神様として崇められているという点がとても珍しく面白いです。
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「花祭」の醍醐味は、囃子衆も舞い手もセイト衆(=お客さん)もみんなが一体となって祭りを楽しめること!
一般の観光客も帰るころには大きな声で「歌ぐら」と呼ばれる伝統的な歌を歌えるようになっているくらい、みんなでその場を盛り上げていきます。
私も舞っているときに、セイト衆からヤジを飛ばされたり、舞いに反応して歌ぐらの声を大きくしてくれたりするので、どれだけきつくても楽しみながら舞えます!
コロナ禍前は北海道から九州、アメリカからオーストラリアまで本当にたくさんの方が来てくださいました。
私の地元「古戸地区」は数ある地区の中でも最も歴史が深く、「花祭の聖地」と呼ばれています。
祭りは毎年1月2日~3日にかけて夜通し行われます。
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是非興味のある方はYouTubeで「古戸 花祭」と検索!もしくは祭り当日愛知県にお越しください!!!!!
私は確実に祭り前後2週間は帰省していますし、家に20人くらいなら泊まれるので、いつでも遊びに来てくださいね!!
お待ちしております~!!!!
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