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【夏休み】東京〜博多 Day1 移動編

プランBを考えていなかった。台風10号は熱帯低気圧に変わってどこかに行ってしまったが、出発当日の天気予報は雨。向こうに行ってしまえば晴れているのだけど、関東地方を抜けられるかという話。天に祈るしかない。もし新幹線が動かなかったら何をしよう。そのプランBを私は考えていなかった。

万が一間引き運転になった時のために手続きがあるだろうとかなり早く家を出た。東京駅に7:16に着く。早すぎだろ。

出発の1時間前にホームにいる早すぎ問題

私は3歳まで品川区に住んでいた。ベランダに出れば新幹線が目の前に見える。幼い時の記憶ながらよく新幹線を見ていたのを覚えている。その後川崎に引っ越してきて、私はまず「新幹線が見えない」と言ったそうだ。三つ子の魂百までとはよく言ったもので、今も新幹線が好きだ。東京駅や武蔵小杉駅では永遠に見ていられるんじゃないかというくらい新幹線を眺めている。何十年と時を戻せるなら、新幹線の乗務員を目指しても良かったなぁなんて思いながら、新幹線の発車を見ていた。

かっこいい……

心配をよそに、私が乗るのぞみ17号は定刻に出発した。ありがとう、JR東海。シンデレラエキスプレスのCM、最高だったよ(牧瀬里穂のバージョンが好き)。

私が一人旅をすると聞いて、職場の人は「一人旅って寂しくない?」と言った。答えはNO。全然寂しくない。むしろ楽しい。何より自由。好きなように旅ができる。そんなことを旅に出る前に行った美容院で美容師さんと話をして、これだという答えが見つかった。

一人旅の醍醐味は「経験」だ。経験が増える。楽しさもトラブルも全て私の経験になる。知らないことが減って、知っていることが増えるのが好きな私は、何よりも経験を大事にする。

振り返ってみるとここ3年の私の経験は素晴らしいものばかりだったので、今は完全に「経験は人を強くする」にシフトしている。良きにつけ悪きにつけ色々経験すると、いろんなことがどうでもよくなってくるのよ。それを年齢を重ねるとも言う。私はそんな経年が好きだ。

一人旅はその最たるもの。旅先での出会い、景色、味、匂いなど五感は全て私のものになる。誰かと行ってそれらを共有するのももちろん楽しいのだけど、その人とばかり行動したり話をしたりすると経験値は増えないのよね。と言いつつ、パートナーとの旅行は楽しいよね。

ゴールド文字の新型車両のN700S

出発時、旅の気分を盛り上げるために音楽を聞く。新幹線の時は平井堅さんの「POP STAR」。なぜこの曲なのかは分からないけど、必ずこの曲。飛行機の離陸の時はマッキーの「どんなときも。」。2008年、初めての沖縄一人旅の時に聞いたんだよな。それ以来必ず「どんなときも。」

今日は新幹線なのでもう一曲。新幹線と言えばTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」よね!この曲ほど新幹線にぴったりな曲ってないと思うわ。さぁ、盛り上がってまいりましたよ。

と、そんなこんなで2時間半が経ち新大阪駅に停車。ここから先は未知の区間なので、携帯をしまって車窓から外の景色を眺めることにした。

GLÜCK=幸せ/DANKE!=ありがとう! /LECKER=美味しい

ただ単に通り過ぎていく景色をぼんやりと見るのと、「新神戸駅って意外とというかかなりこじんまりしてるのね」「あ、姫路城。遠くからでも見えるわ」など意識して見るのとでは、のちの記憶への残量が全然違う。当たり前か。それを私はオーストリアで感じたので、残しておきたい記憶はしっかり見ることにしている。

田んぼの稲ってこんなに綺麗な緑なんだ。瓦屋根ってザ・日本の家屋だよなぁ。高い建物がなくて遠くまで見えるって新鮮。などなど今住んでいる場所にはない景色を愛でる。日本って小さい国だけど中にいると広いよね。行ったことのない場所なんてまだまだたくさんある。

あっという間の5時間

列車から降りた時に私は深呼吸をする。その街の匂いを感じたいのだ。いつもと同じように博多駅に降りて深呼吸をする。ん?何も匂わないぞ。ん?東京と変わらないじゃん。拍子抜け。ザルツブルクは牛の匂いがしたし、カシマスタジアムは土の匂いがした。博多は無臭?!匂いで「あ〜来た〜」と感じるので、それもまた旅の楽しみのひとつなのだ。

そして何も違和感がなく乗っていたけれど、エスカレーターが東京と同じで左側が止まる人、右側が歩く人なのだ。大阪だとそうはいかない。右側に立たなければと意識する。あ〜大阪も行きたいな〜。京都も。停車するたびにそう思った。まだまだ国内も楽しめるぞ。

博多駅の改札を出て、すぐに昼食にするかホテルに荷物を預けるか迷う。迷った時は体に聞け。体は嘘をつかない。体の言うことを聞いておけばベストな答えが出る。ということで足がホテルに向かって歩き出したのでホテルで荷物を預かってもらってから昼食することにした。