ゲーム依存症とeスポーツの活況
一世を風靡した、タイトー社の「スペースインベーダー」ゲームは、全国各地にインベーダーハウスやインベーダー喫茶が乱立して、社会現象をまき起こした。1970年代も後半の出来事だった。
一方で青少年の非行・犯罪の増加やコンピュータゲームによる依存症が始まったのもこのころだった。
駆け出しの会社員だった私も、遅い残業のあと、帰宅途中の深夜まで開店している喫茶レストランで、遅い夕食をとりながら100円玉を投入して別の脳の集中感を味わったことがある。私の場合は、明日の勤務の準備もあり、予算を決めていたから、早い時には5分もたたないうちに退散ということになった日もあります。他の客が長時間占有していて、ゲームをしない日が多かった記憶があります。
さて、これらビデオゲームによる中毒症状は、ここ20年ほどの間に、飲酒、タバコ、麻薬、そして新しい概念としての中毒が始まっている。
先ほどのレストランでは卓上タイプだったゲーム機は、ゲーム専用機が現れ、コントローラも多彩で形を変え、家庭の中に侵入してきた。
各種ゲーム機を取りそろえた専門のゲームセンターの形式のビジネスも出現した。
ゲーム依存症の登場
ゲームによる依存症が社会問題として話題に上りはじめたのは、21世紀が始まったころであろう。ゲームによる依存症は、身体的なものとは対照的に、心理的な依存症であると考えられており、このタイプの依存症を持つ人は、一人で、あるいは友人と一緒に、多くの時間をビデオゲームに費やさなければならないと感じています。
ところが、脱出を試みようと、助けを求める人が出てきたのです。
どのような形であれ、依存症は慢性的な、しかし治療可能な脳障害であると考えられています。依存症の人は、アルコール、薬物、タバコ、ギャンブルへの欲求を抑えられず、健康上、社会的、法的な悪影響に直面しても、その欲求を抑えられなくなります。このコントロール不能は、脳内の化学的変化の結果であり、その変化が今度は行動の変化を引き起こす、と説明されています。
ビデオゲーム中毒症は、ここ20年ほどの間にビデオゲームが導入されたことで、アルコール、薬物などに加えて、新しい概念の中毒となりました。
身体的な依存症とは異なり、心理的な依存症であると考えられており、このタイプの依存症を持つ人は、一人で、あるいは友人と一緒に、多くの時間をビデオゲームに費やす生活を常としています。
最も中毒性の高いタイプのビデオゲームは、多人数参加型オンライン・ロールプレイング・ゲーム(MMORPG)で、ウェブ上で誰でもアクセスすることができます。この種の遊びでは、参加者はプライベートまたはパブリックなゲーム内のキャラクターの身元を引き受けることになります。プライベートなゲームルームの場合、参加者はホストから招待されます。
ゲームに参加するには、この部屋に入るための鍵が必要です。
公開ゲームルームの場合は、誰でも入室して参加することができます。
既に世界的な問題となっており、英語圏では、World of Warcraft や RuneScape などのゲームに深く関わっている人の多くは、ビデオゲーム中毒になる危険性があり、対策が講じられています。
このように世界中で発生しているゲームによう依存症問題が起こっています。時間が経つにつれて、現実世界の人々との社会的なつながりから孤立し、自由時間のほとんどをこれらのゲームに費やすようになるため、中毒者の世界は狭くなり始めるのです。
その他、ビデオゲーム中毒の兆候としては、以下のようなものがあります。
・毎日数時間、ゲームに没頭する
・ゲームをするために、仕事や家庭の責任を放棄する。
・ビデオゲームをする時間を増やすために、病欠や休暇を利用する。
・ゲームをするために食事や睡眠、入浴をおろそかにする
・ゲームができないと怒ったり落ち込んだりする。
依存症克服の方法
依存症を克服するためには、自分自身でいくつかの対策を講じる必要があります。
第一は、自分が依存症の問題を抱えていることを認めることです。
それが薬物、アルコール、ギャンブル、ビデオゲームであれ、自分には 依存症の症状があり、助けが必要であることを認識する必要があります。
自分が依存症であり、助けが必要であると確信したとき、初めて回復への道を歩み始めることができるのです。
第二は、依存症克服を決断する
どの程度の援助が必要かは、あなたの依存症の重症度によって異なります。もし、自分がビデオゲームをするためだけに生きていると感じているのなら、カウンセリングや専門医の助けが必要かもしれません。
これは、あなたの中毒を克服するための最良の方法ですが、高い経済的 コストがかかる場合があります。
この方法では、ライフスタイルや趣味の変更だけでなく、医療処方を含むプログラムを受けることになります。それほど深刻でない場合は、友人や家族からサポートを受け、依存症の問題を克服する必要があります。
友人や家族には、依存症であることを率直に打ち明ける必要があります。
あなたが依存症をやめたいと思っていることを知ったら、映画に行ったり、好きなゲームをしたり、面白い場所を訪れたり、新しい趣味を始めるなど、他の面白いことをして一緒に過ごす時間を増やすように助けてくれるでしょう。
また、家族や友人と過ごす時間を増やすことで、自分自身を助けることもできます。家族や友人と過ごす時間を増やし、一緒に新しいことをするようにしましょう。そうすることで、依存症に費やす時間が少なくなり、すぐに依存症への渇望がなくなることがわかります。
他の新しいことに興味を持ち始めると、依存症はすぐに過去のものとなり、前に進むことができるようになります。
eスポーツの登場
さて、最近、新たな動きがあります。eスポーツという対戦型でゲームの技を競技するジャンルです。
eスポーツ(イースポーツ、英: Esports)は、コンピュータゲーム(ビデオゲーム)をスポーツ競技として捉え、エレクトロニック・スポーツ (electronic sports) の略称であり、eSports、e-Sports、電子競技(でんしきょうぎ)などと訳す場合もありますが明確な定義はありません。
歴史は古く、国内では1974年に「セガTVゲーム機全国コンテスト 東京決勝大会」が開催されました。卓上型のゲーム機「テーブルホッケー」を用いたトーナメント形式による対戦ですから、インベーダゲームの流行より早いですね。全国で開かれた予選を勝ち抜いたメンバーが東京のホテルで開かれた決勝大会で対戦し、商品がカラーテレビや白黒テレビなどというから、時代を感じます。
青少年への普及活動ですが、すでに2018年から、全国高校eスポーツ選手権が開催されています。2019年には、第74回の茨城国体の文化プログラムの特別競技として行われたんです。
茨城県ではインベーダーブームを機に、生徒のゲームセンターの利用を禁止した学校が多いことで知られます。今でも条例によって16歳未満の年少者は、18時以降は保護者同伴であっても入店が禁止されている。そんな保守的な地域で、国体第1号となるeスポーツの開催が実現したのは、まさに歴史的な出来事ではないでしょうか。
コンピュータゲームは、国際大会あり、国内の国体競技でも、高校選手権でも、スポーツの種目として認知されたのです。
認知機能、反射神経の訓練によい結果
さて、負の側面のコンピュータゲームを見てみると、精神面、依存症への対応や対策はというと、これまた進化があります。介護福祉分野で活用が進んでします。
多くの高齢者には、コンピュータに触れる機会もなく、コンピュータゲームは初めての経験である場合が多いのが実情です。その環境の中で、高齢者にとってTVゲームが脳の活性化や認知機能低下の予防になると、数多くの研究結果が発表され、介護施設や自治体で活用され始めています。全国の自治体の中には、町おこし事業として活用が進んでいます。
とくに認知機能、反射神経の訓練によい結果がでているようです。
視覚や聴覚から得られる情報をもとに、自身で考えコントローラーを巧みに操る必要のあるTVゲームは、脳への刺激が高く高齢者の認知症予防に繋がります。
また、誰かと一緒にプレイすることで人や社会との繋がりを持つことができ、それが健康維持にも繋がると考えられています。
コンピュータゲームは、その動作の特徴から、手や聴覚、肢体の不自由な人が、運動機能のリハビリ用ツールとして活用がすすめられています。
依存症のコントロールと新たな懸念
いまのところ、一定の管理下にあるコンピュータゲームの利用は、即、依存症と心配をせずに、使う側の気持ち次第、利用者がコントロールできるということになりそうです。
当然、利用者がコントロールする課題です。
しかし、管理できない状況で利用が進むと、ゲーム依存症と同様の負の効果も表れるリスクがあることを忘れてはならないでしょう。
eスポーツのどのような画面で、ゲームの進行状況をAIが分析するようになります。その結果、ドクターストップの代わりに、色調、配色、音声、周波数など、依存症を招きかねない特有の場面が出現したら、ゲームは終了というロジックが組み込まれるようになるかもしれません。
個人によって脳の耐久力が違うので、脳波を測定するのかも。
でも、そこまでして、ゲームをしたいと思うのでしょうか?
eスポーツは、始まったばかりのゲーム競技です。
でも、脳の機能を極限、限界まで競うゲーム競技になりそうです。
新しいことには、一歩踏み込んでみないとわからない部分が多い。
リスクを考えてばかりでは、新しい事業には踏み込めないということです。
まとめ
・ゲーム依存症の紹介(国内外の動向)
・依存症を克服するには、個人の自覚が必要
・eスポーツは、有効活用できる。新たなリスクの懸念も。
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