1. 初めての全身麻酔
「アルさん、終わりましたよ!良性でしたからね」
初めての全身麻酔から目覚めた私は主治医の言葉にホッとしたものの、体力的には想像していた以上にきついものでした
「お母さん、大丈夫??」
手術室から戻ってきた私に、娘が心配そうに声をかけてくれます
うん、大丈夫だよ
心配かけてごめんね、ありがとう
そう言いたいのに声が出ない
そして、うなづく事さえ出来ない…
意識は戻っているのに身体が動かない
首や指、あちこち試してみても、とにかくどうすることもできない
いったいどういうこと?
全身麻酔ってこんな感じなの!?
ほんとにほんとに
私の手足や体、ちゃんと動かせるようになるの?
私の声、ちゃんと出せるようになるの?
とてつもない不安感でいっぱいになった
なんとなく、必要以上に麻酔が効き過ぎている気がしてきた
とにかく時間が経過するのを待つしかない…
私は不安感でいっぱいのまま再度眠りについた
続く