国土交通省発表 「人流データ利活用事例集」
はじめに
こんにちは!GEOTRAインターン生の持松です!
国土交通省では、土地・不動産・建設業に関する政策として地理空間情報に関する施策を様々施行しています。
技術革新により人流データが入手しやすくなり、地域課題解決の手段として期待されていますが、行政機関や地域団体ではまだ活用のハードルが高いと感じられています。人流データは万能ではありませんが、適切に活用することで自治体の多様な課題解決に役立つ可能性があります。
利用法や価値が十分に浸透おらず普及が進んでいない中で国土交通省として人流データ利活用事例を収集・発信する試みが行われています。
本記事では、国土交通省が令和6年3月に発表した、人流データ利活用事例集の中から、人流データの活用事例をご紹介致します。また、同事例集の中では、幾つかGEOTRAの取り組みについても紹介されています。
今回は本事例集の概要について説明します。
事例集の概要と具体事例
本事例集の中では、「観光・地域活性化」「交通」「防災・防犯」「3Dモデルとの組み合わせ」「環境」「その他」のカテゴリーに分けて、人流データを用いた事例が紹介されています。
観光・地域活性化
愛知県岡崎市では、中心市街地(QURUWA地区)で課題であった回遊離脱への対策、回遊促進のためのサイクルシェアの最適化を目的に、人流データが活用されました。
広島県庄原市では、自動車を用いた移動への依存、高齢化による住民の移動回数の減少等の課題解決を目的に、人流データを用いて、歩行移動や消費行動の活発化に向けた施策の検討を行いました。
GEOTRAが一昨年度取り組んだ、大阪府富田林市での事例についても取り上げれています。
交通
兵庫県神戸市では、ポートアイランドと三宮を結ぶ、公共交通(ポートライナー)と路線バス(神姫バス)の利用度合のバランスを図るべく、利用者の動態を把握するために人流データが活用されました。
愛知県警察では、全国比で交通事故件数が多い現状があり、具体的な危険個所の割り出しと効果的な交通事故防止のために人流データが活用されました。
防災・防犯
令和6年に起きた能登半島地震では、大地震と津波により交通インフラが被害を受け、孤立した集落が発生する中、迅速な災害対応のための情報把握に人流データが用いられました。
富山県富山市では、こどもの登下校時等の安全確保を目的に、小学生に貸与したGPSセンサーを用いて重点パトロール箇所等を定め、人口減少・高齢化の中でも地域連携で子どもたちの安全を守る試みが行われました。
3Dモデルとの組み合わせ
GEOTRAが一昨年度取り組んだ、東京都西新宿での3D都市モデルとの連携事例が紹介されました。
環境
富山県富山市では、自動車利用の減少と人々の健康増進を目的に、公共交通を軸としたコンパクトな街づくりと歩くライフスタイルを推進すべく、移動データなど都市におけるビッグデータが活用されました。
その他
GEOTRAが一昨年度取り組んだ、インフラメンテナンスを目的にした、橋梁喪失時のシミュレーションが紹介されました。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございました。
本記事では、国土交通省が令和6年3月に発表した、人流データ利活用事例集 の中から、幾つか事例をご紹介しました。
GEOTRAでは、独自の個人情報保護技術により、人々の動きや行動目的などが高粒度に可視化された人流データ、GEOTRA Activity Dataをご提供しています。
更に人流データのご提供に留まらず位置情報データ全般に関する利活用促進のためのご支援を行っております。
noteでは、引き続きGEOTRAの事例紹介や活動報告、GEOTRAに関連するテーマの特集や事例研究を掲載していきます。
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