定点カメラ#6 みんな!バカなの?
美しくない言葉を使ってしまいました。ごめんなさい。でも、でもね、
得体のしれない自主映画制作集団に、世界は優しすぎる。
「私たちにできることがあったら何でも言って!」
まあよく聞くセリフではあるんだけれど、本当にこんなに協力してもらえるなんて、思ってもみなかった。
2022年6月11日
16:00
監督はいつも行くカフェのカウンターに座った。マスターは映画制作を応援してくれている。
「あのぉ、脚本がようやく形になってきて、、、お言葉に甘えて、ほんとにここ使っても良いんですk...」
「いいよ!」
「えまじで?」
「うんいいよ!」
「あともしよければマスター役を、、、」
「あはは!いいよ!」
「えほんとに?」
「うん!いいよ!」
かくして僕たちはとっても素敵なカフェで撮影ができることになった。
ちなみにマスター、脚本読んでないですよね?大丈夫なの!?
18:00
「速報!ハナカちゃんが出演してくれるって!」
監督の前作『ブルートピア』で主演を務めてくれた彼女は、そのクールな見た目や演技とは裏腹に、おそろしくノリのいい女優だ。そんな彼女が、今回の作品にも出演してくれるらしい。昨年『ブルートピア』を企画したチームは全員が映画制作を経験したことがなかった。それどころか、ほとんどのメンバーが「カチンコってなんだ?」くらいのレベルで素人だった。そのため出演者には言葉にできないくらい迷惑をかけたと思う。きちんとしたヘアメイク担当なんて存在しなかったし、「ごめん画角考えるからちょっと座ってて!」なんてこともしょっちゅうだった。
ハナカちゃん、去年あんな経験したんだよ!大丈夫なの!?
18:30
監督が受けるフランス文学の授業を担当している先生が、そのまま先生役として出演してくれることが決まった。若い映画制作チームであるが故に、大人を演じられる人との繋がりがほとんどない。彼女は映画を愛しているみたいだ。私たちが作る映画にも理解を示してくれるのではないだろうか。
え、でも先生、お仕事の邪魔になりませんかね?いや、大丈夫なの!?
24:00
この日の締めくくりには、とてつもなくありがたいお話が待っていた。京都河原町三条で70余年続く老舗喫茶店が、撮影場所としてその店舗を貸してくれるというのだ。「六曜社珈琲店」では、1階で三代目店主が、地階では二代目店主が珈琲を淹れてくれる。長らく京都を見守って来たこの喫茶店で、映画を撮ることができるなんて、、、
夢のようです。
にしても六曜社さん、こんな素人に撮影許可出して、本当に大丈夫なの!?
全く、恐ろしいほどに心躍る1日だった。いろんなことが決まった。
おや、そういえばまだ主演2人は、、、
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