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映画制作日誌|生きるため、自殺

Photo: 週間少年ジャンプ ONE PIECE 第278話『生きたいと言え! オレ達は仲間だ!!』の模写 Special Tanks to 尾田栄一郎


こんにちは。もう5月ですね。4月から制作を始めて、もう5月。

そしてもう5月だというのに、脚本が全く進んでいない。

物語で伝えたいことはある。

「堕ちてもいいから怯まずに作れ。腔発しろ。そこに必ず価値はある。」

これ。
これを作って成仏したい。

ただ、脚本が全く進まない。

ここ3週間ほど、プロットを考えては消して、考えては消して、の繰り返しで。
焦って焦って、寝ずに物語を生み出して、朝6時に寝る。
そして8時に起きて、枕元の脚本をみる。
読んで、落胆する。破って捨てる。
頭が起きなくて冷水のシャワーを浴びる。
濃い珈琲を飲む。
そんな感じでまた一日が始まる。

そういえば最近、まぶた(特に左目)の痙攣が止まらない。
日に日にプレッシャーが大きくなって、ろくに食事も喉を通らない。
甘い物を飲めるバイト先で良かったと思う。そこでエネルギーを補給して、生命を維持している。ホワイト企業最高。


そんな努力の仕方は無意味だし非効率的だ。ああ、自分が一番わかっている。
焦って作る脚本なんて面白いわけがない。その通り。
そもそもお前には物語を生み出す才能がないんじゃないか?うるさい。
多方面に迷惑をかけているじゃないか。そんなことわかってる。
何もできないくせに。重々承知だ。
情けないな。わかってる。
ダサい。ぐさっ。

やめたらいいのに。いや、それだけは無理。


ここまできたら堂々と言ってやろう。自分には才能がない。
それなのに、映画を作っているときに感じるエクスタシー。その味を知ってしまった。そしてそれがこの命を維持している。
しかし映画を作っていると、こうして心身を酷使してしまう。
それをやめることができない。
もう病気なのだ。自殺行為なのだ。

"生"を感じるために自殺するか、その苦しさから逃れるために自殺するか。

かなり大袈裟に言えば、常にこの2択に迫られながら生きているのである。
自分で綴っているのに、なんだかすごく可哀想になってきた。草。


けど、それでも、撮らなきゃいけないわけで。
自分にはもう今年しか残されていないわけで。
そして時間の問題は常に付随してくるわけで。
やっぱり焦ってしまう。

苦しいよーーーーーダサいのなんてわかってるよーーーーーーーー
わかってるから尚更キツいんだよーーーーーーー

でも、生きたい。
映画に、もうちょっとだけ生きていたい。

こうして今日も、明日の朝になれば破って捨てられる運命のまっさらなスケッチブックに文字を綴る。


P.S.ゆっきーへ
ふざけたように言っているけど、ほんとにそろそろ納得いくものを作らなきゃいけないね。そんで、そのためには自分たちが今懸けてる熱量や割いてる時間が少なすぎる。自分も、まだこの映画のためにできることを全てしているわけじゃないと思う。
とにかくゆっきーと話す時間が欲しい。話したい。作ろうとしているものと
じっくり向き合いたい。
ついでに言うと、つむは今ゆっきーにすごく気を遣っている。あんなLINEされたら気を遣っちゃうじゃないか。
それに、それは自分に自信がないからだし、このチームからゆっきーを失いたくないからでもある。
それでも、ゆっきーと脚本を作りたい。
甘美なことなんだろう?心の底からそれに同意なんだ。

都麦

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