【香炉灰】
家のご仏壇には、毎朝、父がお線香を立て、お参りしている。
お線香立ての灰には、日が経つにつれ、燃え尽きなかった線香が沈んでいく。父は時折、ピンセットで線香立ての灰から線香の残骸を取り出し、掃除をしている。
が、数日前、灰も減ってきたように感じたのか、父から灰を買って来るよう頼まれていた。
昨日の映画会の会場は、ちょうど博多区の中洲川端であった。
この界隈には、川端商店街という昔ながらのアーケードの商店街があり、殊に仏具・仏壇店のいくつかが軒を並べている。
どこで線香立ての灰があるのか、考え込んでいたが、仏具店には必ずおいてあるはずだ…。
ちょうどいい!映画に行く前に、川端商店街にある仏具店でお線香立ての灰を買っていこう!
アーケードから入ってすぐの仏具店で「お線香立ての灰がほしいですが・・」と言うと、店員さんが「こちらです」とすぐ灰のある場所を教えてくれた。
香炉灰というのか・・知らなかった。店員さんから「今、お使いの灰、全て捨てられて、新しい灰に入れ替えられたらいいですよ。」
なるほど…今の線香立て(香炉?)の灰は、もう真っ白で、購入した灰の色とはかなり違っている。年季が入っているってことか。
コロナ禍になる前は、祖父母の命日は、お坊さんにきていただき、お経上げていただいたものだった。お経をあげていただいたあと、両親と四方山話をして、お帰りいただくのが、毎年の日課だった。
しかし、コロナ禍後、両親は高齢であるし、お寺のご住職もご遠慮くださり、毎朝の父のお参りが祖父母への供養になっている。祖父母にしてみれば、実の息子が毎朝、参ってくれることで良し!としてくれているだろうと思う。
線香立ての灰が入れ替えられ、父が朝、気持ちよくお線香が立てられたら・・と思うし、またいつの日かコロナが落ち着き、蓋タブお寺のご住職がお経を上げにいらしたときに、お線香が気持ちよく立てられる灰であるようにしておこう。
(備忘録として)
#香炉灰 #中洲川端