【敷金なし~オチの意味】
全巻揃っているわけではないが、長谷川町子さん作『エプロンおばさん』が我が家にある。
今はもうない長谷川町子さんの姉上.長谷川毬子さんが社長だった「姉妹社」版のものだから、ある意味、お宝?
調べて見れば、この作品、1957年から1965年の間の連載でまさに高度成長期、昭和の庶民の暮らしをユーモアを持って描写しているサザエさんと並ぶ貴重な日本の庶民史とも言えよう。
小学生の頃、『エプロンおばさん』を読んでいても意味がわからないことが多かった。
『サンデー毎日』というサラリーマン向けの週刊誌での連載ということもあり、『サザエさん』とは違って子どもが読む想定ではなかっただろうから、仕方がない。
"エプロンおばさん"は、下宿屋を営んでいるのだが、広告を見て下宿希望をする男性が、希望の決め手が広告に載っていた「敷金(しききん)なし」ということだったと、"エプロンおばさん"の娘の"トクコ"に言う。
それに対し、トクコは「”敷金(しきかね)なし”と読むのよ。お母さんの名前だもん」という。
で、下宿希望者はずっこけるという…。
何故、下宿希望者がずっこけたのか。
かなり歳を重ねてからしかわからなかった。
そしてわかった時、衝撃を感じる位"なるほど!"と思った記憶がある。
下宿屋を営むおばさんの命名を「敷金なし」とした長谷川町子さんのセンスの素晴らしさに今頃であるが、拍手喝采!
#エプロンおばさん #長谷川町子