2017年9月下旬、京都御苑にてカネタタキ、クサヒバリなどの観察。

画像1 カネタタキ♂一匹に♀二匹。三角関係……。岡田耕様が以前の投稿を取り上げて下さったので、Googleフォトさんを6年前まで遡ってみました。なかなか姿は確認できないのは、鳴く虫ウォッチャーの私も同じですが、こうしてヤスヤスと写せたのにはワケがあります。京都御苑は低いアラカシの生垣が芝地や草原を分けるように無数に植えられてますが、そうした灌木などでもカネタタキは沢山鳴いています。ある時、生垣の上に落ちていた他の樹木の枯れ枝をそっと抜き取り、ベンチの所まで持ってゆきました。すると、こうして寛いでいたのです。
画像2 ほんの15cmほどの枯れ枝、枯れ葉に何匹ものカネタタキが寄り集まっているとはビックリでした。この写真の個体は、大きさからして、カネタタキ♀の幼虫かと思われます。
画像3 普通に植え込みをガサガサ探すと、ササッと素早く逃げるのに、短い枯れ枝をかなり遠いベンチまで移動させても、寛いだままで、逃げようとしません。命がけの恋、ということでしょうか。撮影後、元の所に戻しました。
画像4 カネタタキは、意外とやたら家の中に入ってきて鳴くことがあります。実家周りも色々植え込みがあるのですが、ある時、台所近くで、明らかにチンチンチン……と声が。じっくり探すと、ゴミ袋の外側で鳴いてました。どこから入ってきたのか。まあ、隙間は色々ありますが。けっこう行動範囲の広い虫です。
画像5 これは同じ年の、ほぼ同じ時期、同じような状況で、アラカシの生垣の上の枯れ枝から、クサヒバリの声がする、と気づき、同じようにベンチへ運んでみると、やはりペアでいました。クサヒバリはかなり俊敏な虫なので、自然状態では撮影は難しいです。しかし、カネタタキの時と同様、全く逃げる様子がありませんでした。
画像6 クサヒバリに関しては、小泉八雲さんの名随筆が大好きで、ある年、八雲さんが当初願っていたように、年を越して大寒まで世話をしたことがあります。結局、2月1日まで生きました。愛着のある虫です。
画像7 こちらはクサヒバリのメス。湾曲した産卵管で、アジサイやアオキなどの幹や枝に卵を産み、その後を泥で覆う、ということですが、その痕跡とかはまだ見たことがありません。こうしていると、ベンチを色々移動して、やがて植え込みの方へ帰ってゆきます。
画像8 黄色いキリギリスの記録を、今年noteに載せましたが、キリギリスは黄色ければ激レア。しかしながら、京都御苑で見るセスジツユムシは、緑型の次に多いのではないか、と感じるほど、沢山見られます。雌雄同体も4回ほど発見しました。貴重な観察地です。
画像9 セスジツユムシは緑型、黄色型、褐色型など、色彩変異があるのですが、私が観察した限りでは、白っぽい個体が、メスに限ってポツポツ見られます。オスで見られたら大発見だと思ってます。また観察に行けるようになりたいと思ってます。
画像10 セスジツユムシ♂、これは曖昧な色。黄色型と褐色型の間のようにも見えます。褐色型は、♂♀ともに、秋が深まると目につくように感じられます。
画像11 これら全て2017年9月下旬に写したものです。カネタタキ、クサヒバリが、落ちてきた枯れ枝、その葉っぱでデートする、という機会をその後も何度か確認して、何かしら居心地が良いのだろう、と思いますが、ハッキリした理由は分かりません。京都御苑は鳴く虫の宝庫です。一方、動植物の採集は禁じられてるため、高価でやり取りがされてる虫などを業者さんが大量に捕獲するようなことはどうか自制して頂きたいと思います。今年はへばって、一度も観察に行けてません。虫たちの数が減ってないことを願っています。

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