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「かしこくしないと鬼が来る」は言わない。鬼に頼らない自分らしいことばがけを!

わたしは言語聴覚士として、ことばと心の発達の療育に約10年ほど関わってきました。
療育を必要とするお子さんと関わる中で、大人が子どもにかけることばの大切さを痛感しました。
同時期に、自分の子どもの子育ても行っていました。

鬼に頼らないで、自分(母)のことばを磨け!

このように自分を客観視して子どもに寄りそってきました。
とくに幼児期(1歳から小学校就学の始期に達するまで)の子どもに、おどしや罰を与える怖さを自覚。

子どもに自己肯定感が身に付くことばをかけていると、ことばをかけるわたし自身の心の安定にもなっていきます。


しつけに鬼が登場する時

しつけの時、子どもにかけることばに鬼が登場する理由は「親の都合」だと思っています。
2つあって
①親が急いでいて忙しい時
②子どもに期待をかけている時
(この2つはわたしが思っていたことなので、多くのママにはそれぞれの考えや状況があると思います。)

親が急いでいて忙しいとき

「親目線」のことばは「子ども目線」とはほど遠く、日々の忙しさで現れやすいです。
鬼が出てくれば子どもは、例えば
・早く寝てくれる
・早くついてきてくれる
・片付けをしてくる
・早く食べてくれる
・お風呂に入ってくれる
など、大人にとって都合のいい結果になることも多いと思います。

とにかく、大人の行動を邪魔しないようにスムーズに日常が回るように鬼が登場するんだと感じています。

子どもに期待をかけているとき

子育てをしていると成長や発達の中で、子どもに期待をかけてしまうことがあります。

・自分でできることが増えて欲しい
・勉強をして欲しい
・ゲームばかりをして欲しくない

罰や禁止を与えることばが増えがちです。

他児と比べたり過度な期待をすることは、育児の中ではよくあることだと思います。

おどしで子どもが変化するのはイヤ

わたしが、幼児(1歳から小学校就学の始期に達するまで)の子育てをする時に、言語聴覚士として一番気を付けていたのが「子どもにかけることば選び」です。
「禁止」「制限」を与えることばが大嫌いで、わたしは使っていません。

「かしこくしないと鬼が来る」

「かしこくしないと」以外にも、
・歯磨きしないと
・片付けしないと
・食べ物を残すと
・早く用意しないと
・早く帰らないと
・早く寝ないと
など
言われると大人でもうんざりしますよね。

「鬼」以外にも
・サンタさんが来てくれない
・おばけが来る
など
人間以外の力に頼っているのが不思議です。

おどしながらしつけることは言語聴覚士として母として、子どもの心の成長をゆがめてしまいそうで怖いです。
ママのことばがうれしい」と感じてもられえるようなことばがけを心がけていました。

子育てをしていれば、色んな状況があります。
鬼を登場させなくても、使えることばの種類はたくさんあります。
やさしく前向きなことばの数が増えるほど、子どものことばが増えていきますよ。

子どもに合わすことが本当はラク


幼児期の子どもは、これから獲得していくことがたくさんあります。
体も、心も、ことばも、どんどん成長していきます。
今できないことに寄りそうことが、結果として成長を促せることが多くあります。
これから子どもが獲得していくことを、大人の都合でせかす場面もありますが、子どもの反応を待って合わせることが子どもの心の安定につながります。

幼児の発達段階にはいくつかあって、子どもの個性や個体差もあります。
当てはめるより「発達の流れを知っておく」だけでも、子どもにかけることばは変わってきます。
わたしは「ことばが持つ力」を療育や自分の子育てを通して、子どもたちの反応から学び続けてきました。

禁止をすれば、ストレスが増える。
抑圧がかかれば、ことばが減る

反対に、
行動を認めれば笑顔がやわらかくなる
存在を認めれば自分から行動する

「子どもに合わせる」
案外むずかしいですが、「合わせるプロ」になるくらい楽しんでみてください。

積極的無視で待つ

子どもの負の行動あえて注意せず無視をする(危険な行動はその場で注意をする必要はあります)。
無視というと冷たく聞こえますが、しっかりと子どもの行動を見て待ちます。

「待つ」ことがわたしの育児でとても重要な要素で、待ち方にもいろいろあるなぁと考えさせられます。

行動を注意すると、その行動が目立ってしまう。
例えば、
・食事中によく席を立つ
・靴をそろえない
・食べ物を残す
など
この時に「〇〇しないと鬼が来る」は言わない。

できた時に詳しくほめるための、積極的無視です。

鬼に怒られるのではなく
「いつも〇〇だから、鬼なんか来ないよ」
と声をかけると、子どもはとても喜びます。

安心できることばで生活を明るく

親にかけられることばで、子どもの心は大きく変化します。
鬼に頼らず、母として自分らしいことばを増やしていけるような毎日を作っていきたいですね。

節分に、魔を滅して(豆)、福をよびこみ、今年1年が心身ともに健康で過ごせますように。
子どもをおどすようなことばは、鬼と一緒に滅するつもりで豆まきをしましょう!


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