★【号外版】自傷依存 ~そのメカニズムと回復へのヒント~
「回復の為に大切な3大要素(神経伝達物質とホルモン)」
●セロトニン(ストレスに負けず免疫を獲得する為の神経伝達物質)
●オキシトシン(安らぎを与え、不安や恐怖心を解消する為のホルモン)
※別名、母性ホルモン・愛情ホルモン・恋愛ホルモン・抱擁ホルモン・
思いやりホルモンなどとも呼ばれます。
●ドーパミン(生きる為に必要な気力や感動、共感、幸福感、関心、
記憶力、実行機能力などを得る為のホルモン)
「回復の為に大切な必須食品」
●大豆食品、乳製品、発酵食品(セロトニン・ドーパミンのもととなる
成分を特に多く含む品目)
「回復の為に大切な言動」
●セロトニン(1日15分~30分の日光浴 ※毎日の習慣とする事で、
脳が徐々にセロトニンを生成し易い構造に変化していく)
●オキシトシン(スキンシップ ※特に、他者に親切にする・交流する・
見つめ合う・手を繋ぐ・抱き合う・キスをする・性交渉をするなど)
●ドーパミン(達成し易い小さな目標とタスクの達成&ご褒美の設定
※本当に小さな課題を積み重ね、達成の都度、自分にご褒美を与える)
「腸内環境の重要性」
●第二の脳と呼ばれている腸では、セロトニンのおよそ90%が生成されて
いるとされています。食物から摂取したトリプトファンを、腸内で「セロ
トニンのもと」となる物質に変化させるのが腸の役割であり、血液を通っ
て脳に取り込まれます。
自傷依存とは「病気」の事であり、心や意思の弱さなどとは関係がなく、
「適切に治療」する事で回復していきます。3大要素の形骸などにより、
脳がハイジャックされた状態の事であり、自傷行為を我慢し続ける事で、
依存状態から脱却していきます。
自傷行為とは、「脳の快感中枢」に直接作用し、その事によって生じた感
覚は脳に刷り込まれて忘れる事が出来なくなります。やがて、自傷する快
感より、自傷しない状態で発生した苦痛から逃れる為に、その行為が拠り
所となり、やめられなくなってしまいます。
そして、責められて惨めな気持ちになると、余計に素面でいられなくなっ
てしまい、悪循環へと繋がる傾向が多くあります。
また、もともと特性などにより生きづらさを抱え、苦痛が強い人ほど、自
傷行為がもたらす快感をより大きく感じる事もあり、それによって「苦痛
を和らげる」事をスキルとして心得ており、まず生き延びる事を一時的に
でも支えてきたともいえるものです。
「回復の為に大切な共感共有」
●回復プログラムで、最も「心柱」として位置付けられているのは
グループミーティングです。
同じ問題や課題を抱える当事者同士が、経験や気持ちを分かち合います。
ココでは、他の人に対して意見や批判をしないのがルールであり、どのよ
うな事を話しても「ありのまま」を受け入れます。
共感できる当事者同士の話を聞くうちに、自分の姿と重なってもいきま
す。自分がどんな苦痛や痛みを和らげようとして、自傷が何の拠り所とな
っていたのかが見えてきます。
その自傷行為をやめる為に、代わりのもっと健康的な拠り所は何なのか、
それは多くの場合、「他者との繋がり」ともなってきます。人を信用せ
ず、誰にも頼らず、薬だけに依存している人は、往々にして「責任感が強
い」傾向にあります。ですから、グループミーティングの中で、少しずつ
色々な人に依存出来るようになる事も大事であり、「自傷依存」にある人
とは、いわば「他者に依存出来ない病」ともされています。
「回復の為に大切な本音」
●自傷依存の人は、自分の為や他者の為に、不本意ながらも嘘をついてしま
う事が度々あります。回復の為には、良い事も悪い事も正直になれる(話せ
る)事が大切であり、「自傷したい」と言える空気感、或いは、「自傷して
しまった」と正直に言える、信頼(信じて頼れる)関係が大切だとされてい
ます。
≪最後に、私Tetsuの考え方として≫
心の病とは、古くから「心(脳)の風邪」と言われてきました。
その所以は、風邪を始めとした病気を治す「特効薬」と云うものは未だ地
球上に存在せず、抗生物質を除いてその多くが「自己免疫による回復」だ
からです。
ひどく端的に言い換えれば「こじらせた風邪のようなモノ」であり、「誰
もが回復する」と言い切れるほどにメカニズムは明快でもあります。
更に自傷依存を言い換えれば、煙草依存などとも脳内原理は同じです。
それぞれの人たちが持つ特性により、そのネガティブな程度は異なります
が、特性とは再学習する事により変性可能なモノでもあります。
全ては、「当事者本人の認知(インプット)を変え!」、「行動(アウト
プット)を変える事が叶うか??」にもよりますが。
つまりは、「考え方や捉え方を変え、自分の事を客観的にみて、最適と思
われる行動を行う」と云う事です。
「認知」と「行動」。常に意識していなければならない大変なDuty(作業)
ですが、果たされれば成果が伴うMission(目的)でもあります。
「ディズニーユニバーシティ(大学)」のマニュアルにはこうあります。
「Dutyとは目の前にあるやって当たり前の作業であり、Missionとは使命を
以って果たすべき未来である。Happinessの為にMissionを遂行せよ」と。
※ディズニーを敬愛し、ディズニーのお膝元で暮らす私Tetsuによる、
勝手なディズニー語録の引用をお許し下さい(^_^;)。
(苦悶が少しでも和らぐ事を願い。おしまい)