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管理職をやりたくない?実はあなたも既にやっている“自己管理”の重要性

「管理職になりたくない」と思っている人へ。実はすでに自己管理という形で管理職を経験しています。本記事では、管理職経験がもたらすスキルと、自己成長への活かし方を解説します。

4月になると、就職活動関連のニュースが賑わいます。有名企業ランキングや、就活生の意識調査が取り上げられ、「最近の若者は管理職をやりたがらない」という声をよく耳にします。では何故Z世代を中心とする若者が管理職を嫌がるようになったのでしょうか?少し掘り下げてみたいと思います。

管理職はなぜZ世代から嫌がられるのか? その理由と本質

「Z世代は管理職になりたがらない」

近年、こんな言葉をよく耳にします。バブル崩壊後の就職氷河期や、リーマンショックを経験した世代とは異なり、比較的安定した時代を生きてきたZ世代。彼らは、上の世代とは異なる価値観を持ち、仕事に対する考え方も大きく変化しています。

では、Z世代はなぜ管理職を嫌がるのでしょうか?その理由と本質を探ってみましょう。

1. 責任とプレッシャー

管理職は、チームや組織の目標達成、そして部下の育成など、多くの責任を負う立場です。Z世代は、このような重責を担うことに抵抗を感じる傾向があります。

彼らは、常に成果を求められ、プレッシャーにさらされる状況を避けたいと考えているのです。責任を負うことよりも、自分のペースで仕事を進め、プライベートの時間も大切にしたいという思いが強いのでしょう。

2. ワークライフバランスの重視

Z世代は、ワークライフバランスを非常に重視します。仕事とプライベートの調和を図り、充実した生活を送りたいと考えているのです。

長時間労働や休日出勤が当たり前の管理職のイメージは、彼らにとって魅力的ではありません。プライベートの時間を犠牲にしてまで、仕事に打ち込むことに疑問を感じているのです。

3. 多様な働き方への志向

Z世代は、多様な働き方を求めています。従来の会社員のように、一つの会社に縛られる働き方ではなく、フリーランスや副業など、自分のスキルや興味に合わせて自由に働きたいと考えているのです。

管理職という立場は、彼らにとって自由度が低く、窮屈に感じられるのかもしれません。

4. 組織への不信感

Z世代は、年功序列や終身雇用といった、従来の日本企業の制度に疑問を抱いています。成果主義を重視し、実力に見合った評価を求める傾向が強いのです。

彼らは、年功序列で昇進していく管理職の姿に、不公平さを感じているのかもしれません。「頑張っても正当に評価されないのではないか」という不信感が、管理職への意欲を阻害している可能性があります。

5. 個性と自由の尊重

Z世代は、個性を尊重し、自由な発想を大切にします。彼らは、型にはまった考え方や行動を嫌い、自分らしくありたいと願っています。

管理職という立場は、組織のルールや規範に従う必要があり、彼らにとって窮屈に感じられるのかもしれません。自分の個性を発揮できる環境で、自由に働きたいと考えているのです。

「管理職のメリットはない?」

責任やプレッシャーなど様々な重責を担う、管理職ですがデメリットしかないのでしょうか?私は全く逆の発想です。「管理職はメリットが多い」と考えています。人生100年時代、1社10年程度勤続したとしても3社~5社、異なる会社で働くことになります。当然のことながら「経験値に見合ったパフォーマンス」を求められることになります。40歳になって25歳のパフォーマンスは求められないのです。ましてや作業は生成AIが代替するので労働集約的なタスクはますます求められなくなります。生成AIに出来ないリーダーシップや交渉事などを担当するのが人間の仕事となります
そこでコアスキルとなるのが「メタ認知」になります。

メタ認知と「自分の中の管理職」

メタ認知とは、自分の思考や行動を客観的に捉え、改善に役立てる能力のことです。例えば、「怠けたい自分」を「理性的な自分」が管理し、目標達成に向けて行動を促すことはメタ認知の一例です。これを管理職に置き換えると、会社の管理職は部下を目標達成に導く役割を担います。同じように、私たちは自分という「会社」を経営し、理想の自分に近づくために、怠惰な自分(部下)を管理する役割を日々担っています。つまり、「こんな自分になりたい」と目標を掲げても、それが実現できていない場合、理性的な自分(管理職)が怠惰な自分を管理できていない、ということになります。これを「メタ認知が低い状態」と言います。

管理職の経験がもたらすもの

会社での管理職経験は、こうした「自分を管理する能力」を高める絶好の機会です。管理職として部下を目標に向かわせるプロセスには、次のような学びがあります。

  • 他者の行動は論理だけでは動かせない:データや客観的な事実だけでは、人はなかなか動きません。自分に置き換えると、目標が明確でも怠けてしまうのと同じです。

  • 人を動かす難しさを学ぶ:部下を動かすのに多大なコストがかかるように、自分を動かすのにも努力が必要です。この経験を通じて「最大の敵は自分」という現実を深く理解できます。

  • ストレス耐性が向上する:人や自分に「変わらなければならない」という過剰な期待を持つことをやめ、冷静に対処できるようになります。

管理職で得たスキルを自分に応用する

管理職は単なる役職ではありません。それは「自分を管理する力」を磨くトレーニングの場でもあります。このスキルは、仕事だけでなく自己成長や目標達成にも直結します。
人生にとって一番大事なスキルかもしれません。
遊びたい自分をコントロールして勉強する。
サボりたい地道な練習を継続して練習する。
何か成し遂げた人は必ず持っているスキルなのは自明なことです。
「人は簡単には変わらない」という現実を受け入れつつ、効率的に自分や他者を動かす術を学ぶことで、無駄なストレスやコストを減らすことができます。


若者の間で「管理職をやりたくない」という声が増えていますが、実は誰もがすでに「自分自身の管理職」を担っています。会社での管理職経験は、給料をもらいながら自己管理能力を高める絶好の機会です。
ぜひ「自分の中の管理職」に目を向け、目標に向けた自己管理のスキルを磨いてみてはいかがでしょうか?


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