202408 ソウル旅/DAY1 オスカル様がそこにいた
そして土曜日、ソウルに旅立つ日がやってきた。14時の開演に向けて5時起きで関西空港へ(私んち関空遠いんです)。事前にオンラインチェックインしてたので、検査場を通り、搭乗口近くできつねうどんを食べて9時過ぎのフライトで出発。
ちょうど福岡から飛んだ友も同じくらいに着くので、仁川で合流して空港線で忠武アートセンターへ。仁川からだと、孔徳駅で待ち合せて地下鉄の新堂まで行く。
地下鉄で前日の判断を賞賛してたら「私もマジですごいと思ってるよ」と興奮していた。マジすごいよ。そなたは勇者なり。もはや旅行はすでに成功しているよ。待っててオスカル様。
新堂駅を降りるとすぐに忠武アートセンターが見える。無事にチケットを発券し、開演を待つ。ちなみに、私は韓国語はわからない。韓国ドラマを見まくった時期があるので、サランヘヨとかポゴシポとかは辛うじてわかる。しかし原作を死ぬほど読んでいるので不安はない。冒頭、オスカル様のアナウンス。何を言ってるかはわからないけど「アンドレ、ジュンビテッソ?」はわかる。アンドレ、準備はいいか?ですね。いいです!!我ら準備万端です!!
そして韓国版のベルばらは、すばらしく素晴らしかった。韓国語がわかってないので妄想で補っている可能性があるが、
・オスカル様の気の強さ、情熱、男として育てられた葛藤、貴族と平民の格差に関する怒りが余す所なく描かれている。
・アントワネットとフェルゼンのロマンスを削り、黒い騎士事件とポリニャック伯夫人、ロザリーの事件を軸に描くことで貴族VS平民の対立構造が激化していき、フランス革命への流れが分かりやすい。
・ベルナールがオスカル、アンドレに続くメイン役で、平民の怒り、苦しみをしっかり伝え、群衆と立ち上がるシーンが多く、1789やレミゼのような革命ものとしての迫力もすばらしい。
・アンドレのオスカルへの愛、包容力、健気さ、苦しみの描かれ方がすばらしい。原作よりもやや闇落ち感少なく、最後までオスカルに尽くすアンドレでそれが本当にいい。
書ききれないのでこれくらいにしておきますが、フランス革命における群像劇としてのベルサイユのばら、そしてオスカルとアンドレがその激動の嵐の中で生きた証を残したことがよくわかる、すばらしい脚本、演出でした。こういう話なの。ベルサイユのばらのこういうところが好きなの。原作にはないシーンやはしょっているところはありますが、原作リスペクトがあり、かつ現代のエンタメとして素晴らしい。
そして更にすごいことに、演者の実力が素晴らしすぎる。全員超絶歌うまい。全員演技上手い。
オスカルが悩んでるだけでなくクソかっこいいのは言うまでもなく、アンドレの苦しみ、切なさ、目が見えなくなって行く様子、でも医者に見せるなっていうおばあちゃん、ジャルジェ将軍の悲しみ、ベルナールと群舞の迫力、みんな歌での表現力エグい。
今回の話からは外れるけど、宝塚でベルばらやってる人たちも是非見てほしい。「こういうのやっときゃ客は喜ぶんだろ」的な名場面の寄せ集め、破綻した論理、強引な展開。それでもトップスターがキラキラして演じてくれるし、ベルばらだから客席は埋まる。私達は馬鹿だと思われてるんだな〜って思ってます。それでも行っちゃう私がほんとに馬鹿なんだけど。
こうして「本当に見たかったベルばら」を見ちゃうと気づいてしまうな。何度ソウルに行ってでもこれがまた見たい。
オスカル様がそこにいた。