5年生存率【ごねんせいぞんりつ】
今日の授業では脳腫瘍【のうしゅよう】について学んだのですけど、臨床医学の各論【かくろん】って授業なので
細かく分類してくわけですね。
腫瘍ということですから、
悪性【あくせい】のもあれば、
良性【りょうせい】のもあって
続発性【ぞくはつせい】というのは、なんらかの病変から続いてのもので、
原発性【げんぱつせい】というのは、そこが原【もと】で発生したものに分けられる上に、
脳のどこに発生してしまうかでは、
星状細胞腫【せいじょうさいぼうしゅ】だったり、
神経膠芽腫【しんけいこうがしゅ】だったり、
神経鞘腫【しんけいしょうしゅ】
髄膜腫【ずいまくしゅ】
下垂体腺腫【かすいたいせんしゅ】
だったりと発症の部位によって症状が違うのはもちろんのこと、
発症の男女差や年齢、治療法なんかも、
大きくだったり微妙にだったりで違うわけです。
大きく違うやつのひとつが
5年生存率【ごねんせいぞんりつ】なんですよね。
癌の危険度とか予後【よご】を理解する上でよく使われる指標のひとつです。
脳腫瘍を5年生存率はというと、
75%
なんだそうです。
これは、いろんな癌と比べると予後は良好。
というところに位置します。
でも、
さっき脳腫瘍を細分化して名前だけ紹介しましたが、
その中の神経膠芽腫。
これは、
10%
なのだそう。
非常に危険度が高く予後が悪い。
腫瘍が局所に限定されるわけではなく
その局所から染み渡るようにして、
浸潤【しんじゅん】してしまっているという病態。
治療は非常に難しいのだということでした。
もし、
ワタシやワタシの家族がお医者さんから、
「膿腫瘍が見つかりました。」
「脳腫瘍の中でも、神経膠芽腫というもので、、」
「これは指標のひとつではありますが、、」
「この病気の5年生存率は10%。」
「ということになります。」
なんて、カギカッコで途切れ途切れに言われたら、
どんな動揺がやってくるのだろう?
なんて想像すると、
それを想像することの意味なんかない、
って答えを導くくらいに、
想像なんかしょうがないし、
したところで、そんなのは正解でもなんでもないな。
ってぶっきらぼうになっちゃうくらいに、
想像なんかできない。
なんて想像をしてたのですけど、
率【りつ】って言葉を聴くと野球ばっかりやってきた自分が連れてきちゃう言葉が
打率【だりつ】
野球でバッターがヒットを打つ確率のことで、
バッターの優劣を評価する上でのとっても大きな指標です。
プロ野球なんかだと、
あんだけたくさんのプロ野球選手がいる中で、
3割バッターって人は10人程度しかいません。
言い換えると、
30%の確率でヒットを打つ人は10人程度で、
プロ野球の中でも優秀な一流選手。
今季のセリーグで打率のトップの人も3割2分2厘。
すなわち32.2%ってことです。
ちなみに大騒ぎしまくった大谷翔平くんで25.7%
そんなもんです。
これが20%あたりとなると試合には出れなくなる。
逆にどんなに優秀すぎちゃう人でも40%は打てないんです。
あのイチローさんでも38.7%という年が最高打率。
ヒット製造機とも言われたイチローでも、
ま、
そんなもんです。
や、
凄すぎるんですけどね、
でも、
そんなもんなんです。
ここでですね、
夢でも良いんですけど、
てか、夢でしかあり得ないんですけど、
来季、ワタシが読売巨人軍に入団するとするじゃないですか。
ま、入団しちゃうとしてください^^;
で、
監督がですね、
オモシロ半分で良いんですけど、
「代打!ワタナベ!」
って審判に告げてワタシがジャイアンツのユニフォーム着て打席に立つわけです。
で、
夢ですからね、
調子乗りますけど、
なんかが間違ったかのようにセンターにヒット打っちゃうんです。
打っちゃったんです。
一塁ベースでガッポーズのワタナベさん。
そこで、おもむろにマイクを握って、
「ワタシは今ここで、引退いたしますっ!」
「ワタナベシンイチは永久に不滅です!!」
って叫んでから走って観客席に逃げ込むとするじゃないですか。
あの、夢ですんでね(^^)
お許しくださいm(__)m
これ、もし成立するとですね、
ワタシの生涯成績は
1打数1安打。
打率10割。
言い換えれば、
100%の実績を残したということになるわけです。
イチローさんとかショボいですよね。
4割、40%にも満たない。
こっちは10割で100%^^;
ちょっと妄想に気持ち良くなりすぎて、
気持ち悪い理屈を捏ねて大スターへの失礼を撒き散らかしてることに気づいたので整理しますが、
率【りつ】
なるものは、
いろんな状況によって違うなと思うんですよね。
指標でしかない。
年間で3割を打つプロの一流バッターでも
左ピッチャーは苦手で相手が左に限れば打率25%だったり、
右ピッチャーは得意で40%打つなんてことは、
当たり前のよくある現実的な話なんです。
で、
調子が良い時の10日間の打率は50%を超える時もあれば、
調子が悪い時は10%にも満たないなんてこともあるわけです。
トータルしたら3割の30%打つ人だけど、
相手とか天気とか体調とか気持ちとか、
いろんなことに左右されて結果は出る。
打率ってのが出てる。
いつも必ず、
3割じゃない。
いつも絶対に
30%なんかじゃない。
ということですよね。
確かに5年生存率は10%なのだろうと思います。
や、そうなんですよね。
それは医療を学ぶものとしてちゃんと覚えとかないといけない。
でも、、
環境とか体質とか体調とか気持ちとか、
先生や病院との相性とか、
そういうことで、その時々の率はまるで違う。
1割なんかじゃない。
いつも絶対に
10%ではない。
5年前にお医者さんからの宣告を受けて
その5年後に笑ってるお一人は、
打率10割。
5年生存率100%
「イチローって4割でしたっけ?あ、たいしたことないっすね!ボク??あ、10割っす。」
ってサクッと答えてたり。
率は指標として大事ではあるけれど、
率が物事の全てを決めるなんてことはない。
ような、
気がいたします。