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10.学生が声をあげることの重要性

私が現在実施している大学のオンライン授業に関するアンケートでは、4年制大学の学生以外は対象としていませんが、Twitterで、大学院生の方【TITechchorona(@Gun_DalF)さん)から、大学院での研究生活とオンライン体制についての現状と課題について意見をお聞きしました。


TITechchoronaさんは、現在、東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 情報工学コース 修士課程に在籍されています。


今回は、学部とは異なる「大学院」という環境で、オンライン体制が敷かれることの問題点について、私が設定した質問に答えていただいたものを紹介します。

質問は4項目です。

1.2020年4月~8月に実施された講義の形態について

2.不利益を感じた点について

3.大学に改善してほしい点について

4.自由記述


コメントは、ご了解を得たうえで公開しています。

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1. 今学期(2020年4月~8月)に実施された講義の形態はどのようなものでしたか。

授業は全てオンライン。基本的にはライヴ配信が多いが、オンデマンド形式のものも存在した。


特に文系(本学では”リベラルアーツ”と呼ぶらしい)の授業は、オンデマンド形式のものが目立った


他大学のオンライン授業の現状(資料を渡され、課題が出されるだけの授業等)を知り、東京工業大学は文系科目を除き、遠隔授業に割と真面目に取り組み、成功させたほうであったことが分かった。

2. 以下の点について、不利益を感じた点を具体的に教えてください。

① 自らの研究について
・忙しい日常の合間に、他の研究室の仲間などに相談がしにくく研究が詰まりがちになった。


② 大学職員・教員の対応について
・教員は仕事が増えて、論文の添削といった、院生の面倒を見る余裕が減った

③ 大学施設の利用について
・大学の施設は一切使用不可である。

④ 講義について
・特に実習を伴う授業は、以前よりも進度が遅かったり、隣の友達と相談をしたり、理解を深める機会がない
・大学の教授は授業のプロではないため、学生同士で切磋琢磨する時間がないのは致命的である。


3.大学側に改善してほしい点について、具体的に教えてください。

本学に進学した理由は、学生によってそれぞれであり、対面授業か遠隔授業を望むかは、各々の進学目的によるところが大きい

ところが、今大学の遠隔授業を基盤とする方針のために、対面授業を望む約半数の学生の要望が踏みにじられている

これは、本来対面授業を提供していた東京工業大学の対応としていかがなものかと思われる。

以上の理由を踏まえ、「基本は対面授業+希望者には遠隔の対応をする」形での授業の実施を要望する。

また、研究によっては、リモートでは不可能なものもある。そのため、研究に関しては、オンラインと非オンラインでの個別対応を望む。

4.上記の項目以外で、現在の学生生活について考えていることなど、感じていることなど、自由に記述してください。

都外から、勉強するために上京した。家賃が高額なため寝られれば十分な、椅子と机を置くスペースのない部屋を借りた。学部の時は1日の2/3を大学で過ごした。つまり、主に大学の施設を利用して勉強をしていた

しかし、新型コロナウイルスの感染症対策で施設が利用できず勉強(研究)に支障が出ている大学で学ぶために生活を最適化した人が損をする、現在の大学のシステムは、おかしいと考える。

実家に帰れと言われても、「引っ越し」または「家賃を払い続ける」の二択のため、どちらにせよお金がかかる。しかし、大学の経済的支援は、家庭の経済状況を基準に制限があり、「実際にどの程度の被害を受けているのか」については全く考慮されない。そのため、大学からの経済的支援も難しい状況にある。

大学は、現場で起こっていることを何一つわかっていないと感じている。

加えて、国および文科省から、「緊急事態宣言解除後、対面授業を禁止する」といった指示は一切ないあるのは、クラスタが発生した場合、2週間閉鎖するという指示である。

それにもかかわらず、東京工業大学は、「未来社会」が云々と言い、説得力のある説明なしに、何の前触れもなく、通信制大学になろうとしているのは不当だと考える。我々は、通信制大学を受験した覚えは一切ないからだ。

ちなみに、「未来社会」について補足するが、これは、おそらく首相官邸のホームページで説明されている「スーパーシティ構想」の一部である。(引用元リンク:https://t.co/QTqb56BlEQ?amp=1)

なぜなら、学長のメッセージ(参考:第二回署名活動(注2)の2章)の「お家完結生活」等の文言の年代が、「スーパーシティ構想」に書かれているものと完全に一致しているからである。

このスーパーシティ構想では、様々な項目において、非常に具体的な内容が示されている。その一つに、「遠隔教育」という項目が存在している。

したがって、都内の国公立大学は、この「スーパーシティ構想」に協力をすれば予算がもらえるという事情があることが予測される

この件について、私は複雑な気持ちでいる。

国公立大学は、私が入学するずっと前から、慢性的な資金不足に悩まされてきた。

これは、国レベルの問題であるが、国が教育に投資したところで、政治家には何のメリットもないからだ。これには、少子高齢化の進行と、若者の政治への無関心が影響している。

よって、私としては、国から大学が予算をもらえることは大変良いことだと考えるが、その代償が「学びの場としての大学を失う事」である事実を踏まえると、何とも言えない

しかし、だからといって諦めるわけではない。

むしろ、これを機に学生そして若者は、大学及び国に対してより強く「若者(日本の将来)に対する投資」を求めるべきだと考える。選挙、啓蒙活動等を通じて

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注1)第1回署名活動は、「東京工業大学のコロナ対策方針に関して学費の減額又は入構制限等の一部緩和についての要望を学長に伝えるための署名活動」として、2020年6月に実施済みです。
→PDFリンク:  https://drive.google.com/file/d/18KjN00vO9YXH0snaK_jvQlEwBvf6dHDf/view

注2)第2回署名活動実施については、今回コメントを提供してくださったTITechchoronaさん(@Gun_DalF)のTwitterをご覧ください。
→第2回署名活動Googleフォームリンク:https://t.co/6F89zf6X1F?amp=1
→アカウントリンク: https://twitter.com/Gun_DalF


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