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保健室の日常 不良の先輩に救われた話

みなさんどうもケイです。

前回のブログで自殺未遂の話をしました。

自殺未遂から一転し、無理矢理学校に行くも

すぐに状況が好転するわけでもなく


やっぱり保健室に行きがちでした。


保健室に行くと、不良の先輩たちがいつもたむろしていて

初めの頃は、行くのがすごく怖かったです。

だけど、私には居場所がなく

怯えながら通ってました。

ある日、保健室に駆け込み

ドアを開けると

不良の先輩達がフラフープを勢いよく回して
遊んでました。

先輩と目が合ってしまい

私は、ぎょっとして目を逸らすと

「あんた!◯◯の妹だよね?あははははは

そんなビビらないでよ笑笑」

大声で話しかけてきた不良の明るい先輩は

私の兄と同級生で知り合いでした。

兄は、かなりモテていたので、

たまに知らない先輩達から声をかけられる時もあり、また兄のことか....とウンザリしていましたが

私が「はい、そうです」と答えると

その先輩は、あっさり「ふぅ〜ん」と言って

余っているフラフープを取り出し

「あんたも一緒にやる?ウフフ」と遊びに誘ってきました。

やんわり断ると

保健の先生が入ってきて、

「こら!!

またフラフープなんかであそんで!」

と怒る先生に対して

「ギャハハハ!そんな怒るなって笑

寿命縮んで死ぬぞ!」とケラケラ笑っていました。

私は、一瞬ポカンとなりましたが

怖くない不良もいるんだと半ば感心して

ベッドの中に潜り込みます。

横たわって英語の単語帳を眺めていると

保健室には、さまざまな生徒がやってきます。

体育の授業で怪我をした生徒

体調がすぐれずやってくる生徒

保健委員会の生徒

そして不良達です。

高頻度でやってくるのは、不良たちでした。

保健室に来ると、意外にも優しく穏やかな顔になり

鬼の形相で廊下で暴れ回ってるあの不良たちの印象と全く違っていました。

そして保健の先生によく本音を漏らしていました。

「俺どうせ勉強できねーし、別に授業受けたって何の役にも立たないから俺はこのまま生きる

「もうやってらんない。家に帰りたくない」

「私なんかさー生きてる価値ねーし」

さまざまな悩みを保健の先生に投げかけます。

私は、ぼんやり天井を眺めながら

やっぱり不良達も悩んでることは、あるんだ。

私だけじゃないんだ。

そりゃそうだ。誰だって抱えているものはある

ベッドに横たわって不良たちの会話を盗み聞き

ぼーっとしているといきなりカーテンが開き、

「じゃ〜〜〜あああん!!!!」

私はびっくりして、思わずベットから起き上がりました。

カーテンを開けてきたのは、

あの不良のケビン君でした。

ケビン君は、
「不良ばかりの荒れた中学校の話」

の回で登場してきた幼なじみです。

同じ幼稚園で小学校は別々だったものの

中学校に入って再開したら、

手が付けられないほどの不良になっており

周りの先生達も困り果てていました。

わざと切り刻んでボロボロになったジャージを見にまとい、圧倒的なオーラを放っている彼が

ぐいっと覗き込んできます。

「ん?具合悪いの?大丈夫??」と言ってきて

怖さのあまり

「う、うん.....」と震えながら声を絞り出すと


「あっはっはっはっはっ!!

休めよー!元気出せ!じゃあなー!」と言って

猛スピードで保健室から飛び出してきました。

!!!???


なんだ?なんだ?

あの荒ぶったケビン君が優しい言葉をかけてくれた???

心臓がバクバクで、激しく動揺していました。

あの時、ケビン君の顔を見て、

幼稚園の頃の純粋で可愛らしい笑顔をふと思い出し

懐かしく、ちょっとドキッとしちゃいました。

「まったくもう...毎日毎日台風だよ....。」

保健の先生は、そう愚痴を漏らし、
日誌を取って何か記入し始めました。

先生は、いつも不機嫌で

他の生徒達からは、あまり評判もよくないし

保健室に通う前まで私も苦手でした。

ですが、中2になってクラスに馴染めず

保健室に通う頻度が増え

私は、思い切って先生に泣き辛い胸の内を話しました。

「私には、

居場所がないし、

勉強も部活も人間関係も全て上手くいかない。

生きていても辛い

死にたい......。」

そう言うと、大粒の涙が出てきました。

涙が止まらずワンワン泣いていると

保健の先生が黙って白いタオルを渡して

そばに居てくれました。

胸の内がスッキリして、泣き止むと

あのフラフープで遊んでいた先輩が入ってきました。

「あ!あんた!また来たんだねー!」

泣き顔見られたくなかったのでうつむいていると

先輩は、一瞬黙り込み

「あんたさぁ、いろいろあると思うけど

私みたいになっちゃだめだよ!

今でもまだ間に合うからクラスに戻って勉強し

ておいでー!

私はもうすぐ卒業だし....今さら無理だ

だからさ、もう保健室なんか来ちゃだめだよ!

あははは〜」

そう言い残してフラフープ先輩は、

またどこかへ遊びに行きました。

確かに.........。


現実的に考えて中卒で就職は、ほんとに厳しい

うちのお母さんも最低限高校を卒業しないと

就職は、厳しいと念を押して言ってきました。

このままクラスに出席できず勉強も遅れて

高校進学ができなくなるのは嫌だ.....。

不良の先輩には悪いけど、

ああいう風になりたくない。

ごめんなさい.....。

涙を拭い

私は保健の先生に

今までありがとうございました。

がんばってクラスに戻ります。

あの先輩にもよろしく伝えて下さい!

とお礼を言って

クラスに戻りました。

それから、何とか私は授業に出席できるようになり

私のことを心配した先生たちが気を遣って

2人ペアにする授業をなくしたり

お弁当の時は、

好きな人とではなく班に分かれて食べるようわざわざ配慮してくれました。

それから間もなくして、

先輩たちは、卒業していきました。

あのフラフープを回して遊んでいた先輩は、どうなったんだろう?

私はすごく心配でした。

でも私が保健室から卒業した日以来

接点ほとんどがなくなってしまったので

どういう進路に進んでいったのか分かりません。

だけどあの時、先輩が私にかけてくれた言葉のおかげでまたクラスに戻る事ができました。

今の先輩がどこで何をしてるのか?

たまに考えますが

素敵な人生を送れていることを信じてます。

ありがとうございました。

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