タバコの話
一昨日、ハイパーハードボイルドグルメリポートの書籍を買った。なんだか頭が悪くなりそうなタイトルだが、めちゃくちゃ面白い。
https://www.amazon.co.jp/ハイパーハードボイルドグルメリポート-上出-遼平/dp/4022516747
テレビ東京のドキュメンタリーグルメ番組で、テレビで伝えられなかった部分も含めて世界の僻地のメシを社会情勢交えてこと細かに描写している。アフリカの元少年兵の生活、ロシアの新興宗教集団の街の生活、台湾マフィアとの会食、などなど見出しだけで驚愕の取材対象だ。テレビという枠に収めるより書籍の方がはるかに適している気がしてくる。
内容は、ぜひ番組を見るなり本を買うなりして知って欲しい。今アメリカで起こっている黒人差別問題も含めて考えさせられる内容だ。私たちの生きている日本とは全く異なる価値観や日々の営みが世界中のどこにでもそこに人が生きている限りあって、事実を突きつけられる。
個人的にはBlack Lives Matterは深刻に考えるべき差別主義問題だと思っている。この「個人的には」と表現する背景には、日本人にありがちな「私たちとは遠くかけ離れた問題でしょ」という人と区別するために使っている。アメリカの問題ではあるが、じゃあ私たちは差別的な視点を持っていないかどうか。遠くの問題は身近なもので考えた方がよりリアルだ。
例えば
日本の難民問題について、私たちに責任はないだろうか。難民の受け入れを拒否しているのは私たちだと自覚するべきだろう。そしてそこに人種差別という側面があるということを。
日本人とそれ以外をひどく区別する層がいる。それは、国という見えないものを形成する上での便宜上の区分だと思った方がいい。隣人が何人だろうが、それこそ個々に生きる私たちには関係のないことだ。人種や国籍で判断するなんて人としてどうかしてるんじゃないかって話。近所で出会う外国人は、そこらへんの日本人よりよっぽど気が利くし優しいぞ。そしてコンビニ店員だって英語がじゃべれない私より語学においてはよほど優秀だと思う。英語、喋れるようになりたい。
そんな問題はまぁ個々で考えてもらって。
タバコの話だ。私はかれこれ20年以上タバコを吸っている。子供が生まれた4年ほど前にIQOSに変えたが、まぁタバコはタバコだ。普通の紙巻きタバコだった頃はひどいヘビースモーカーで、平均1日3箱、徹夜で酒でも飲もうものなら10箱にのぼることもままあった。タバコ自体を肯定する気はないし、なんとコロナが落ち着いたら世の中の喫煙席が消滅していて肩身が狭いどころが吸う権利すら奪われていてかなり落ち込んではいるが、まぁタバコなんて百害あって一利なしだ。いや一利ぐらいはあるかもしれない、喫煙者コミュニケーションは確かに存在する。でもまぁ喫煙者だから仕事に有利に働くかというとネガティブな側面の方が大きいからやはり利は無い。
先述したハイパーハードボイルドグルメリポートの最終章の冒頭で、ケニアのスカベンジャーに取材しに行く下りがある。ケニアはアフリカの東部に位置する大きな国で、そこのゴミ山に暮らす人々にアプローチするという話だ。ゴミ山といっても日本の山中にある不法投棄なんてレベルじゃなく、もはやひとつの街クラスのゴミ山だ。つまりハンターハンターの流星街だ。
そこから帰国した筆者が、咳が止まらなくなり肺炎のような症状が出たという下りが章の冒頭にあって、そのときに私は自分のタバコについてふと考えた。
というのも、似たようにひどい咳が止まらなくなる症状を、私は毎年のように経験していた。それは子供が生まれる前まで、紙巻きタバコを1日60本吸っていた時の話で、毎年11月とか2月とか寒い時期になると風邪をひき、そのまま約1ヶ月ほどひどい咳が止まらなくなるのだ。よく周囲に「死ぬんじゃないの」と言われていたが「九州生まれなんで、寒いと風邪引くんですよ」なんて言って誤魔化していたが、あれはタバコのせいだったんだなと今更思った。だって、IQOSに変えてからパタリと無くなったもの。
そんなわけでタバコは良くない。ゴミ山で暮らすのと同じレベルで有害だ。やめた方がいい。でも吸う気持ちもわかる。吸うからには「将来、幻影旅団に入るんだ」と強い気持ちを持って吸って欲しい。願わくば念に目覚めて欲しい。もしくはモウラさんの真似でもして欲しい。
さてこれから久々に本編集とMAだ。コロナで頓挫していた完パケ前のプロジェクトがようやく終わる。それなりに感動もひとしおだ。何が感動だったかというと。愛知県でロケだったので、1人で前乗りしてウェルビーに一泊した感動が一番でかい。ウェルビー最高だ。サウナと睡眠を繰り返す宿泊サウナは本当にユートピア感がある。また行きたい。
ちゃんと仕事しよ。