フジロック'21
フジロック’21の初日が終わった。正確には、Youtubeの中継を観終わった。本当は今頃苗場にいるはずだった。
行かないという判断をしたのは2週間くらい前。前後に撮影があって、もしも感染したら大勢にばら撒いてしまう可能性が大だったので個人的な都合でそういう結論にした。
この2週間でFUJIROCK、つまりはコロナ禍の音楽フェスについて毎日考えた。
当然、開催に当たっては
世の中的に批判されるべきことで。
中止や延期するべきことで、
感染爆発しているわけで、
それはもうごもっともなことで。
いやそれはもう、オカモトの最薄よりも余地なくバッシングされるべきことで。
でも僕は開催を喜び、
観客を羨ましがり、
中継をありがく思い、
出演者を最大限にリスペクトし、
はじめてオカモトの最薄を見たときよりも
今日という日は良かったと思ってる。
それはどういうことかと言うと、
主催者は批判されるべきだろう。
出演者は軽蔑されるべきだろう。
来場者は思いやりや思慮が足りないと卑下されるべきだろう。
じゃあ遠くから安全圏から観て、喜んでいる我々は無罪か?
いや、同罪なんで、どうぞ誰か誹謗中傷してくれと。
チケットキャンセルできて良かったね、
無料で観れて良かったね、
安心安全良かったね、
それはたまらなく恥ずかしいことのように思えた。
まったく弁護の余地もなく、
僕は主催してくれてありがとうで有罪で
演奏してくれてありがとうで有罪で
行こうとしててすいません有罪です。
音楽ってそもそも生きる上で必要かって必要じゃないからね。娯楽だからね。
娯楽を応援して有罪で
娯楽に伴い誰かを悲惨な目に合わせるかもしれないから有罪で
通勤の満員電車は無罪で
銭湯は黙っていれば無罪で
深夜のコンビニでたむろするのは有罪で
路上のミュージシャンも有罪で
事情聴取の取調室は推定無罪で
休み時間の小学生はしゃべるから不可抗力無罪で
校長先生の話は遠くから話しててマスクで無罪で
図書館の本は消毒しなきゃダメで
オーケストラは距離を取って3本のバイオリンが1本に。
和音は単音に。
エキストラはCGに。
打ち合わせはリモートに。
海外撮影も遠隔に。
ユニゾンのナレーションはセパレートに。
ライブハウスやクラブが潰れて万々歳で
キャバクラやホストが闇営業で
田舎に帰ったら村八分で
海外旅行はキャンプ場に。
余ったお金で豪華なUber Earts。
国境を跨がず県境を跨がず家の敷居を跨ぐ毎日。
欲しがりません勝つまでは。
それらが正解か不正解かと言ったら正解なのでしょう。
特に何もありません。仕事します。