動物愛護週間
※ どうぶつ基金さんからの動物愛護に関するmailです。長文ですが、大切なことなので引用させていただきます。
mail全文
特定非営利活動法人あおぞら(杉原 英子/塚田 澄代/白川 頼子)さま
>動物愛護週間が始まりました。<
動物愛護週間、って、耳では聞いたことはあるけど、いつだっけ。この秋の始めの気持ちの良い季節だとは知らない人も多いかも。じつは毎年9月20日から26日までと法律で決まっているんです。なんで毎年この日って、決まってるのかな。それは、この「動物愛護管理法」は、とっても大事だから。みんなに知ってもらいたい。
だから動物愛護週間を決めて、イベントやシンポジウムをしてもらおう、
という法律からのメッセージなんです。
動物愛護管理法
では肝心の「動物愛護管理法」って、どんな法律なんでしょう。すごくざっくり言うと、「動物愛護管理法」の目的は、動物の愛護(つまり可愛がり方)と、危害や迷惑の防止(適切な管理)のふたつです。
すべての人は、「動物は命あるもの」であることを認識し、動物を虐待しないだけでなく、人間と動物が共に生きていける社会を目指して、動物の習性をよく知ったうえで適正に取り扱ってください。
(環境省「動物愛護管理法の概要」よりマエキタがざっくりダイジェストしました)
もう少し詳しく、でも、よく使うところだけ話し言葉にしてみます。動物愛護管理法というのは、こんな決まりです。
ネコや犬などペットを飼う人は、いじめたり、捨てたりせず、健康にも気をつけて飼ってください。ペットは他人を傷つけたり、噛みついたり、他人の物を壊したりするときもあるので、気をつけてください。
ひとと動物が一緒に暮らす社会のために
どうぶつには命があるので、だれであっても、殺したり、傷つけたり、苦しめたりしてはいけません。ひとと動物が一緒に生きていけるよう気をつけて、その習性を考えて、世話をしないといけません。
だれであっても、動物を飼うときは、ちゃんとエサと水をやって、健康管理して、その動物の種類や習性を考えて、環境を整えなくてはいけません。
国や地方自治体は、この動物愛護と、ちゃんと飼うことについて、連携をとって学校、地域、家庭での教育と広報を通じて、みんなに知らせないといけません。命ある動物をかわいがって、ちゃんと飼うことについて、関心と理解を深めるために、動物愛護週間を、9月20日から26日までと決めました。
国と地方自治体は、ふさわしい行事が行われるように努めてください。
・動物を飼っている人は、病気になったら治療してあげてください。
・動物を飼っている人は、その命が終わるまで、ちゃんと飼ってください。
・やたらと増えてちゃんと飼えなくならないように気をつけてください。
・・・こんなふうに、動物を飼うのならこうしてください、が書かれている「動物愛護管理法」。
その他にも、ペットショップやブリーダーやシェルターをするのならこうしてください、といういろいろもここに書かれています。
「動物殺傷罪」と「虐待と遺棄」
さらに去年2020年6月には、動物を虐待した人への罰則が厳しくなりました。具体的に言うと、動物を殺したり傷つけた場合、これまで2年以下の懲役または200万円の罰金、だったところが、5年以下の懲役または500万円以下の罰金と厳しくなりました。
また、動物をいじめたり捨てたり、(いい人にもらわれてねなどと書いても書かなくても)置き去りにした場合(これを、捨てる、遺棄といいます。
悲しいお別れ、とはいいません。)も、これまでは100万円以下の罰金だったところが、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と厳しくなりました。
生まれてから8週たたない子猫や子犬の売買も禁止されました。
(それまでは7週だったのが1週間長くなりました。)
昭和48年に議員立法で成立し、平成11年、平成17年、平成24年、令和元年に、これまた議員立法で法改正が行われてきた「動物愛護管理法」。時代のニーズに合わせて、少しずつ、しっかり育ってきました。
「命が終わるまでちゃんと飼う」ことの難しさ
「その命が終わるまで、ちゃんと飼ってください」というのは、当たり前に聞こえますが、実は「その命が終わるまで、ちゃんと飼えなくなる」ケースはまだまだ多いようです。
全国の2019年度のデータを見てみると。
・引き取った犬 32,555頭、引き取ったネコ 53,342頭。
・そこから返還できたのが、犬 10,814頭、ネコ 305頭。
・譲渡できたのが、犬 16,312頭、ネコ 25,636頭。
・殺処分されてしまったのが、犬 5,635頭、ネコ 27,108頭。
(環境省ホームページ「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」2019年4月1日~2020年3月31日より:2021年9月19日時点)
ペットが手に余った時、子猫を産んだ時、迷子の犬やネコを保護したとき地方自治体の保健所に持ち込まれます。これが「引き取った」犬やネコです。
ここから、もとの飼い主のところへ運よく戻ることができたのが「返還できた」犬やネコです。
そうでない犬やネコが新しい飼い主を見つけられた場合、「譲渡できた」犬やネコになります。ここまでは良いのですが、返還や譲渡ができなかった場合、最悪の悲しいこと「殺処分」になってしまうのです。
例えば、犬を飼っていたけれど雇い止めにあってしまい、引っ越さなくてはならなくて、行先の住まいがペット不可のところしか見つからなかったり。
・家族が急にアレルギーになってしまったり。
・被災してしまったり。
・事故にあって入院してしまったり。
こんな、少しは同情の余地のある話もあるけれど、現実は、
・子供の情操教育のためにホームセンターで犬を買ったけれど、
今度は私学受験で散歩どころではなくなった。
・ウンチが臭い!鳴き声がうるさい。
・マンションの抽選に当たったけれど、そこはペット禁止だった。
・離婚になって、どっちもペットは引き取りたくなかった。
・不妊手術をしなかったので子犬がいっぱい産まれてしまった。
・ローンで犬を買ったがローン地獄になった。
・親が死んで、遺産は欲しいけれど、親が大事に飼ってたペットは邪魔、いらない。
などなど。
うんざりするくらい無責任で身勝手な人間の都合で、ペットの命は危機にさらされます。このコロナ禍やコロナ不況で、心が病んでしまう人も増え、状況は悪化しているかもしれません。
それでも長い目で見ると、殺処分の数はゼロに向かって、減っています。
たとえば15年前の平成18年(2006)には、
犬の引き取り数は142,110頭、
ネコの引き取り数は232,050頭、
返還・譲渡数はたったの犬28,942頭、ネコ4,427頭、
殺処分数は圧倒的に多い犬112,690頭、ネコ228,373頭でした。
こんなにたくさんの犬やネコが殺処分されていたのです。
この日本全国、たったの15年前の話です。
それが最新の2年前のデータでは、処分される犬は返還譲渡される犬の4分の1。ネコはまだ殺処分される数の方が多いのですが、殺処分と返還譲渡の差があと1167頭と迫ってきています。
もしかしたら今年のデータでは、逆転できているかもしれません。
↑出典:環境省
様々な団体や、保健所自体も率先して譲渡会を開き、あるいはネットや動物病院で里親を募集したり、殺処分をゼロにするため努力しています。
もちろん、どうぶつ基金も、殺処分ゼロには、TNRで大きく貢献しています。
動物を大事にする動物愛護な社会は、人間にとっても暮らしやすい優しい社会です。
どうぶつ基金情報
(発行:公益財団法人どうぶつ基金事務局)
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(文責 マエキタミヤコ)