LPL 2022 Summer決勝戦はプライドをかけた因縁のライバル対決
はじめに
当noteが初めての方ははじめまして。いつも見てくださっている方ありがとうございます。今回も世界で最も熱いと私の中で話題のLPL Summer決勝戦を少しでも世に広げるべく記事を書いております。
LPLを全く見ていない方でも、今回の記事を見て少しでも決勝戦を楽しんでいただければ幸いです。
さて3ヶ月にも及ぶ世界で最も長いリーグもいよいよプレイオフ決勝戦を残すのみとなりましたが、今年も波乱の連続でした。
今年のMSIチャンピオンであるRNG、そして2021年のワールドチャンピオンであるEDGが共に決勝戦の舞台に立つことなく敗北しています。
当時優勝した時からパフォーマンスが悪化したのかと思うかもしれませんがそんな事はなく、むしろ今の方が好調と言えるかもしれません。
それほどまでの力を持つ両チームを下し、LPL優勝の座をかけて戦う事となったTESとJDGが如何に強いかお分かりいただけるかと思います。
そんなTESとJDGの試合の見どころ、そして両者の因縁について余すことなくご紹介出来ればと思います。それでは早速参りましょう。
Top Esports(TES)
ルーザーズ勝ち上がりのチームであるのに先に紹介してしまうのはなぜか。それは私の推しのチームだからです。
今年のTESは1年を通して安定した結果を残して来ました。シーズンの前哨戦であるDemacia Cupで優勝すると、Spring Seasonでは惜しくもRNGに敗れ準優勝。
そしてSummer Seasonではルーザーズに落ちながらも持ち前の爆発力で見事勝ち上がり、決勝戦の舞台に降り立ちました。
長年チームに貢献した369、そしてKarsaと別れを告げ新体制となった1年でもありましたが、新たに入ったメンバーが見事期待に答えチーム躍進の原動力となったと思います。
Worlds出場は確定し後方の憂いは断った今、残すは2022年LPL Summer Season優勝の称号のみ。
圧倒的な個の力を集結させ並み居る強敵を倒し続けてきた個性的なメンバーをご紹介しましょう。
■Top:Wayward
今年のTESで最も伸びたプレイヤーは誰かと聞かれれば、私はWaywardであると答えます。
プロとしてのキャリアをスタートさせた時からTESのチャレンジャーチームに所属し、チームの期待の若手として育てられてきたWayward。
活躍のチャンスを待つ事約3年、ついに今年のDemacia CupでTESのレギュラーメンバーに抜擢されます。
しかしこの時TESのTopは同じくサブにQingtian、そしてZoomをメインに据えた3名体制でのスタート。機会があればWaywardも使い経験を積ませようというつもりでしたが、幸か不幸か思った以上にそのチャンスが早く巡ってきます。
主力であったZoomがまさかの不調に陥りSpring Season序盤でレギュラーの座から降りる事態に。Qingtianもいましたが仕上がりに不安があった為急遽Waywardがレギュラーとして試合に出場する事となりました。
今年のTESもTopに問題を抱えたまま終わるのかと思われたのも束の間、初のLPLの舞台という不安を微塵も感じさせない活躍を見せます。
終わってみればSpring Seasonの新人王に輝き、Summer Seasonでも週毎のMVPを4回獲得する等、最早TESのTopは彼以外あり得ないと言わしめる程の実力の持ち主となりました。
そして今、その力を早速世界に知らしめる機会がやってきました。まずは自身初となるタイトルの獲得に向けて準備は万全。決勝戦でもその実力を遺憾なく発揮してくれることでしょう。
■Jungle:Tian
栄光と挫折を同時に味わい苦悩した去年と違い、今年はTianにとっても躍進の年になりました。
持ち前のゲームメイクセンスに加え安定感も兼ね備えたプレイヤーへと成長。以前からも上手く試合を運ぶことが出来ればそのまま勝ち切る事が出来る力はありましたが、反面一度ミスをすると立ち直れずにそのまま存在感が消えてしまう脆さもありました。
しかし今年は精神的にも成長し、一度や二度ミスをしても果敢にチャレンジを行い、再びカムバックする事が出来るプレイヤーになりました。
チームワークよりも個々の力で状況を打破する我の強すぎるTESというチームを上手くまとめ上げ、ゲームメイク出来る存在は世界広しといえどTianしかいないでしょう。
地に落ちた不死鳥が再び心に火を灯し、2度目のワールドチャンピオンに輝く為にも負けられない今回の決勝戦。Tianの働きに是非注目してみてください。
■mid:Knight
KnightがTESの顔となり早3年。当時から世界でもトップクラスのmidレーナーと持て囃されながらも世界で戦ったのは2年前のWorldsが最後。
その実力を世界に披露する場に恵まれないまま耐え忍んで来ましたが、ようやくチャンスが巡ってきました。
今年のKnightは贔屓目に見ても過去最高の出来であると確信します。今年のSummer Season、計38試合を戦いなんとKDA10.05の圧倒的首位の成績を残し、LPL中を震撼させました。
以前は無限のチャンピオンプールから繰り出される予想外なPickで相手を翻弄するのを得意としていましたが、今年はしっかりとメタに基づいた強いチャンピオンを意識して使い結果を残してきました。
それも全てはワールドチャンピオンの称号を手にする為。2020年過去最高のメンバーと言われた当時を超えるチームとなった今、最早Knightの前に立ちはだかる者はいません。世界最強の称号をかけて今回の決勝戦に挑みます。
■ADC:JackeyLove
すっかりTESのADCとしておなじみとなったJackeyLoveですが、昔から今までブレずに一貫したプレイスタイルを持っているのは彼だけかもしれません。
まるで自分がTank装備を積んだMeleeチャンピオンの如く果敢に前に出て攻撃する様は今も健在。しかし昔と比べて無謀な仕掛けがだいぶ減り、計算された仕掛けになっていると感じます。
去年はADCがおまけの様な立ち位置になってしまいましたが、今年は全てがADCを中心に回るメタとなり、JackeyLoveにかかるプレッシャーも相当なものだと思います。そんな中でもお構いなしに先陣きって相手に突っ込む姿は流石の一言です。
ある意味今年のSummer Season決勝戦、更にはWorldsの舞台で勝つためにはJackeyLove次第といった所がありますが、今の彼ならばやってくれそうな気がします。決勝戦、JackeyLoveがどんなアウトプレイを繰り広げてくれるのか注目です。
■Support:Mark
ADCがメタの中心となると必然的に責任が重くなっていくのがSupportというロールでもあります。
かつての期待の新人であったZhuoが思ったような動きが出来ず、JackeyLoveとの連携が上手くいかずにレーニングの段階で負けてしまう事態が多発しました。
そんな中白羽の矢が立ったのは元LGDのMarkでした。当時から堅実なプレイヤーでしたがチームに恵まれず、その実力を思うように発揮出来ない日々が続いていました。
TESに加入してからは持ち前のハンドスキルですぐにチームに馴染み、botレーンのレーニングフェイズでのデッドが明らかに減る等チームにも貢献。自由奔放なADCを支える良きパートナーとなっています。
かつてのWorldsでGenG相手に負けてしまった雪辱を晴らす事に燃えており気合も十分。決勝戦でもMarkのさり気ない上手さに注目してみてください。
JD Gaming(JDG)
TESが決勝の舞台に進むのであれば、それに立ちはだかるのが俺たちの仕事だと言わんばかりのJDG。TESキラーとして、そして2年前のSummer Season決勝戦での借りを返すことが出来るのか注目が集まります。
今年は前評判を覆し、シーズン序盤から好成績を残した年となりました。Summer Seasonも終わってみれば2位で通過し、苦しみながらもルーザーズに落ちることなく決勝戦の舞台に駒を進めています。
TESが個による力で押し切るチームであるならば、JDGはチームの力で対抗する対極のプレイスタイルでもあります。2020年に引き続き、またしても名将Hommeコーチによる采配が光る結果となるのでしょうか。それではJDGのメンバーを見ていきましょう。
■Top:369
かつてはTESのTopレーナーとしてJDGの優勝を阻止する立場でしたが、今は逆にTESの優勝を阻止する立場となっているのがLPLの歴史を感じられて良いと思います。
JDGに加入したことでついに安定感のあるプレイを手に入れた・・・とは言いにくいですが、TES時代の課題であった後半で失速してしまう事が少なくなった印象です。
序盤のレーニングの強さは相変わらずなので、Waywardにとっては厳しい戦いになると思います。
■Jungle:Kanavi
過去には契約の面で色々とありましたが、今やすっかりJDGのメインJunglerとしての地位を確立しています。
Griffin時代の持ち前である鋭い仕掛けは今も顕在。圧倒的なプレイヤースキルで相手チームに主導権を渡しません。
今流行のMorganaやBel'VethでのJungleと言った、メタに入っていないチャンピオンも積極的に取り入れ試合に使っていく強さも併せ持ちます。
決勝戦でもTianとのJungle対決でどちらに軍配が上がるか注目です。
■Mid:Yagao
やはりKnightの前に最後に立ちはだかるのはこのプレイヤーとなりました。
Knightとは同郷であり、同じネットカフェで切磋琢磨した仲でもあります。お互いLPLでプレイするようになっても幾度となく刃を交え、競い合ってきました。
そして今再びLPL決勝戦の地で雌雄を決する事となりました。Knightの影に隠れて過小評価されがちですが、彼も唯一無二の実力の持ち主。特に今年のメタでもあるAzirを使わせれば現在世界で最も上手いプレイヤーかもしれません。
今年こそWorlds優勝を目標に、まずはLPL王者の称号を掻っ攫おうと気合は十分。決勝戦のmid争いは激しいものとなるでしょう。
■ADC:Hope
かつて彼は長い下積み時代を送っていました。EDGに期待の若手ADCとして加入したものの、当時はiBoyの全盛期。活躍の場に恵まれる事なくサブとして腕を磨く日々が続きました。
やっと2020年にチャンスが巡ってきたと思ったのも束の間、EDGの歴史上過去最悪となる夏のプレイオフ進出を逃す緊急事態の立役者になってしまい再びサブに戻されてしまいます。
その後は皆さんご存知の通りViperがADCとして不動のポジションを築くと完全にEDGでの活躍の場が無くなり、チームから放出されてしまいます。
そんな彼に目をつけていたのが名将Hommeコーチでした。加入後即座にスターティングメンバーに抜擢。すると今までの鬱憤を晴らすかのごとく活躍を見せ、JDG躍進の原動力となっています。
正にJDG期待のホープとなった彼が、優勝を狙うTESにとって最大の障壁となるでしょう。
■Support:Missing
botレーナーを両方とも入れ替えるという決断をしたJDGが選んだSupportがMissingでした。
若くしてWEに加入し、3年半スターティングメンバーとして活躍してきました。Worlds出場経験こそ無いものの堅実な実力を兼ね備え、Hopeとの相性も良好です。
世界でも有数の強固なbotレーンとなったJDGですが、その中核を担う存在なのがMissingというプレイヤー。決勝戦でも油断の出来ない相手となるでしょう。
TESとJDGの因縁について
明確にこの両チームがライバルとして見られるようになったのはやはり2020年のシーズンからでしょう。
当時の2020年Spring Season決勝戦でTESとJDGが戦いJDGが優勝。続く2020年Summer Season決勝戦でまたしてもTESとJDGが戦いTESが優勝しています。
そして月日は流れ2022年のSummer Season決勝戦、再びTESとJDGの対戦となりました。
メンバーは変わりましたが、当時はTESだった369がJDGにいたり、再びKnightとYagaoのmid対決になったりと試合前から既に盛り上がりを見せています。
決勝戦での成績はお互い1勝1敗。更にこの両チームの対戦はかなりの確率でフルセットまでもつれ込んでいますので、今回もそうなる可能性が非常に高いです。
私としてはもちろんTESに優勝して欲しいですが、決勝戦のマッチアップにここまで相応しい両チームもいないと思います。当日は非常に白熱した戦いになることでしょう。
決勝戦ここに注目
何と言っても注目したいのはJackeyLoveとHopeによるbot対決になるかと思います。今のメタは兎に角ADCを育てる、もしくはbotレーンの主導権を握ることが勝利への条件です。
その為botレーナーだけでなく、Jungleやmid、果てはTopからもbotレーンを勝たせるためにありとあらゆるリソースを投入してきます。
決勝戦では一回のミスが命取りとなるような慎重なゲーム展開となるでしょうし、如何にbotの均衡を崩すためにチームが動くかに注目してみてほしいと思います。
もう一点注目したい事としては、Topのマッチアップです。先程述べた通りお互いのリソースはほぼ全てbotに注ぎ込む為、必然的にTopは純粋な1vs1になります。
この状況を活かし、BAN/Pickの段階で相手TopレーナーのカウンターチャンピオンをPickする。もしくは本来はbotにリソースを割かなければいけないところをあえてTopにGankに行き、Topから試合の均衡を崩すといった戦術を取る場合もあります。
今のメタ通りにbotからゲームを組み立てるのか。それともあえてTopからゲームを支配し、チームを勝利に導こうとするのか、両チームの戦略にも注目です。
決勝戦のスケジュールと配信場所について
LPL2022 Summer Season決勝戦は9/1(木)の18:00~となっています。またしても平日の時間帯なので私は前半見れない事が予想されますが、なるべく早く帰宅し観戦したいと思います。
配信サイトはおなじみTwitchとYoutubeで配信しています。私は普段Twitchで見ていますが、皆さんはお好みの配信サイトで観戦してください。
さいごに
今回の決勝戦、どちらが勝っても何らおかしくないほど実力が拮抗しており、LPLの決勝戦史上最も白熱した試合になることが予想されます。
TESとJDG、お互い因縁の対決でありプレイスタイルも真逆と、なにかと対比の構図となっているのも面白さに拍車をかけていると思います。
LPLにとって今年の締めくくりでありWorlds前の最後の試合。ぜひ皆さんも今回の記事を見て少しでも決勝戦を楽しんでいただければと思います。一緒に世紀の一戦を楽しみましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございました。
画像引用元
・Leaguepedia
https://lol.gamepedia.com/League_of_Legends_Esports_Wiki