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24時間営業店などでの消費税率UPのタイミング
いよいよ10月1日に消費税率が8%から10%に引き上げられます。5%から8%に上がったのは2014年4月1日のことですので、5年6か月ぶりということになります。
法律で〇月〇日から施行というのは〇月〇日0時00分から、という意味ですので、改正消費税法が10月1日から施行ということは10月1日0時00分のから施行となり、0時00分以降に行われた課税資産の譲渡等(簡単にいうと、消費税のかかる商品の売買やサービスの提供のことです)について税率10%が適用されることになります。
しかし実際問題として0時にも営業しているような業態でどうするのかは疑問もあるところです。例えばレジを通している間だったらどうするのか、あるいは居酒屋やホテルなどではどうするのかといった問題です。
■ 公的な通達やガイドラインはない
この点、国税庁サイドで業種・業態ごとにこういった場合はこう判断してこのように判断すべし、といった具体的な通達やガイドライン(質疑応答事例や文書回答事例、タックスアンサーなど)は、私の知る限りではありません。そのため、法律上は個々の課税資産の譲渡等ごとに0時00分の前か後かを判定することになります。
・コンビニでの買い物
→商品の引渡しがあった時。具体的には、商品が入れられたレジ袋をもったタイミング。
・居酒屋やファミレス等の飲食店
→商品の引渡しがあった時。具体的には、配膳されてテーブルに置かれたタイミング。
・ホテル等のサービス業
→サービスの提供が完了した時。具体的には、チェックアウトのタイミング。
(※ 法律上の「引渡し」は事実認定の問題ですので、人により(裁判官により)異なる認定となる可能性はあります)
■ 実務上は、営業日付ベースで区分するケースが多い
現金商売の場合はレジを締める関係上、0時を過ぎても、レジを締めたタイミングまでの売上等を1日の営業日のものとして集計・管理していることが多いものですが、消費税の区分もそのような「9月30日営業日分」「10月1日営業日分」によって変更する場合が多いと考えられます。
前回の税率変更時は、そのような対応としていた事業者が多かったということと、実際上、税率変更にはレジの設定変更が必要なのでそうせざるを得ないだろうことが理由です。
■ 税務署とトラブルになることはあるか
法律上は個々の取引のタイミングによるところ、実務的には事務の都合上、レジ締めの前後で分けている場合が多いと考えられますが、前回の税率変更の際の経験としては、そのように実務が法律の規定に従っていない。と指摘を受けたという事例は聞きません。
そもそもチェックする気があるのならガイドライン等で周知している方が自然に思われます。
また厳密な区分処理をするために必要となる事業者の負担とそれによる税収とのバランスを考えると、経済合理性があるのかどうか。ということもあるかも知れません。
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