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【小説】雄猫ぶーちょの生活1 発情期

十二月の末、ついにぶーちょは発情期を迎えた。

猛烈な勢いで走り回り、噛みかつく、ひっかくの暴力をふるうのはいつものことだが、それから、カーテンにスプレーしたのだ。飼い主の顔をうかがうように振り返った後、盛大にやった。それから、女の飼い主のモニターにもやってしまった。カーテンはそのたびに洗濯できたが、パソコンのモニターは洗えない。電源ボタンが壊れてしまったのでそのまま使い続けたが、一月後に真っ暗になり、永久に壊れてしまった。

それから、下痢も続き、ご飯を吐き戻した。最初は病気を疑い、動物病院で下痢止めをもらったりした。一時的には下痢が止まるが、またすぐ始まり、薬の効果が続かないのだ。

ひょっとして、とネットで発情期の症状を検索すると、下痢と嘔吐があった。ついに発情期だ。もうちょっと大きくなってから、と先延ばしにしていた去勢手術だったが、もう待っていられない。

かかりつけの獣医は、もう去勢手術はしない、ということで、慌てて獣医を探した。歩いて十五分のところに評判のよさそうな獣医を見つけ、相談した。

メールでの連絡のみで手術の日を決めた。一月の末になった。知ってか知らずか、ぶーちょは相変わらず走り回り、チャンスがあれば、嬉々としてスプレーにいそしんでいた。

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