【小説】仔猫ぶーちょの生活-9 ボス猫修行中

これまでの経験から考えると、大体猫は女の飼い主を優遇するようだ。先住猫の縞尾は、女の飼い主の膝に乗り、甘えているときに、男の飼い主が来ると、冷たい目でさっと見る。また、猫、特に雌猫は、大きな音をたてる男性を嫌がる。物の道理がわからない子供だと思っている。

だが、ぶーちょは飼い主たちに対して公平である。少なくともそうなるように努力しているようだ。

どういうことかというと、どちらの飼い主とも、一緒に過ごす時間を同じくらいにしている。昼間は私と遊び、たびたび机の上に邪魔をしにやって来るが、夜はケージに入れられるまで、男の飼い主と一緒に過ごす。お風呂で遊ぶ回数が多いのは男の飼い主だ。

いや、よく見ると、どうもぶーちょは男の飼い主といる時間が多い。昼寝を一緒にするのも男の飼い主のほうだ。女の飼い主の膝には載らないが、男の飼い主の膝には座っている。ぶーちょは、この家のボスは誰か見抜き、ボス修行をしているのかもしれない。

ひょっとしてぶーちょは、ボス猫としてこの家を支配するつもりだろうか。先住猫の縞尾は、ぶーちょよりずっと歳上で体も大きいが、残念なことに性格がよくて気が弱い。とてもぶーちょにはかなわない。


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